ミルクプロテイン飲料摂取による知的作業効率の向上を確認 ~5月8日 国際科学雑誌 Nutrientsにて論文発表~

国立大学法人帯広畜産大学の浦島匡教授らと株式会社 明治(代表取締役社長:川村 和夫)の共同研究グループは、ミルクプロテイン※1飲料摂取により、知的作業効率が向上することを確認しました。

この研究成果は、2018年5月8日に、栄養学の分野で評価の高い国際学術誌Nutrientsに掲載されました。(Nutrients 2018, 10(5), 574;https://doi.org/10.3390/nu10050574(新しいウィンドウ)

【論文内容】

タイトル:

Relationship of a Special Acidified Milk Protein Drink with Cognitive Performance:
A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Crossover Study in Healthy Young Adults
(酸性ミルクプロテイン飲料と認知作業効率の関連:健康な若年成人におけるランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験)

概要:

朝食の摂取は、日中の知的活動の効率の維持・向上のために重要ですが、どのような栄養成分を摂取することが有用であるかは、十分に明らかではありませんでした。

この試験では、健康な男子学生33名に、ミルクプロテイン飲料または糖質飲料を摂取していただき※2、その前後の計算課題の正答数を測定※3し、知的作業効率を評価しました。その結果、ミルクプロテイン飲料摂取時は糖質飲料摂取時と比較して、図の通り知的作業効率が向上することが明らかとなりました。

これより、ミルクプロテインを摂取することが、知的活動の効率を維持・向上する上で重要であることが示唆されました。

グラフ:ミルクプロテイン飲料または糖質飲料摂取時の計算課題正答数の変化量(左)とそのAUC※4(右)のグラフ画像
  1. ※1:ミルクプロテインは、牛乳・乳製品に含まれる乳由来の良質なたんぱく質です。

  2. ※2ミルクプロテイン飲料はミルクプロテインと糖質を含み、糖質飲料は糖質を含む飲料です。両飲料はエネルギーが等しく、酸味のある酸性の飲料に調整しました。33名を2群に分け、それぞれ試験に2回参加していただきました。片方の群は、1回目の試験でミルクプロテイン飲料を、2回目の試験で糖質飲料を飲んでいただきました。もう一方の群は飲料の順番を逆にしました。このような試験をクロスオーバー試験といい、客観的なデータを得る方法の一つです。

  3. ※3計算課題は、内田クレペリン検査を行いました。内田クレペリン検査では、一桁の足し算を連続して行います。この試験では、5分間の計算を1セットとして、飲料摂取前から飲料摂取120分後までの間に一定間隔で9セット実施しました。

  4. ※4AUC(Area Under the Curve)は、グラフと横軸の間の面積のことです。この試験では、繰り返し測定した値のまとめ値としてAUCを算出し、統計解析をしました。


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