乳清ペプチド配合流動食が外科手術後の過剰な炎症反応の抑制に有効であることを動物実験で確認

2009/01/28
(発行:2009/01/27)

 当社は、乳清タンパク質の分解物(乳清ペプチド)を配合した流動食を外科手術の前から継続して摂取しておくと、手術の後に問題となる過剰な炎症反応が抑制され、生存率が改善することを動物実験で確認しました。1月29日より鹿児島市にて開催される第24回日本静脈経腸栄養学会で発表予定です。
 乳清ペプチドの中には抗炎症作用を持つものが確認されています。また、パラチノースは「摂取後の血糖値の上昇が緩やかな糖」として知られています。マウスにこれら乳清ペプチドとパラチノースを配合した流動食(「乳清ペプチド配合流動食」以下同じ)の凍結乾燥物を2週間摂取させた後に開腹し、腸管膜の動脈をクランプで挟み血流を一定時間遮断した後、血流を回復させる手術(腸管虚血再灌流)を行ったところ、乳清ペプチドとパラチノースを含まない流動食(対照食)摂取群よりも乳清ペプチド配合流動食摂取群の方が手術終了25時間後の生存率が有意に高いことを確認しました(図1参照)。乳清ペプチド配合流動食摂取群では、手術後の炎症反応の指標物質(「インターロイキン6」)及び血糖値が対照食摂取群よりも有意に低下していたことから(図2参照)、手術に伴う過剰な炎症反応及び手術後の高血糖の抑制が生存率の改善に関与していると考えられました。これにより乳清ペプチド配合流動食は、外科手術時の栄養管理に有用であることが示唆されました。
 乳清ペプチド配合流動食については、敗血症モデル(リポ多糖誘発)での生存率向上、肝炎モデル(コンカナバリンA誘発)での肝障害軽減効果、炎症性腸疾患モデル(トリニトロベンゼンスルホン酸誘発)での炎症軽減効果を動物実験で検証した結果についても、同学会で報告する予定です。当社は抗炎症作用を示す乳清ペプチド及び乳清ペプチドを含有した流動食につき、特許出願済みです。

図1.外科手術(腸管虚血再灌流)後の生存率に及ぼす乳清ペプチド配合流動食の効果

図2.外科手術(腸管虚血再灌流)後の血糖値及び血中インターロイキン6濃度への乳清ペプチド配合流動食の影響

注)aとb、bとc、cとaで有意差あり
  擬似手術は、開腹・縫合のみ実施(腸管虚血再灌流を行わない)