カカフルに込められた3つの想い

カカオの概念を覆す、赤い色と甘酸っぱい風味のカカフルシリーズ。
原料である「カカオフラバノールエキス」の開発担当から、ドリンク・ソルベ・タブレット、各商品担当の熱い想いをご紹介します。

1.素材開発への想い ~カカオフラバノールエキス~

次世代ものづくり研究部 三上 真理子

カカオフラバノールとは、カカオポリフェノールの一群で多くの研究報告がされています。一方で、カカオフラバノールは渋味に寄与する成分でもあるため、単純に抽出するだけではおいしく摂ることができません。

私たちは、カカオ産地で目にした新鮮なカカオが、甘酸っぱいフルーツであることに気が付きました。そこで、カカオフラバノールを豊富に含み、かつカカオのフルーツとしての魅力を最大限に引き出す製法を検討し、これまでのカカオの持つイメージと全く異なるフルーティーな味わいのエキスを開発しました。

カカオの多様な可能性をチョコレートという形だけでなく、飲料やソルベなど新たな形でお客様に届けられることに、とてもワクワクしています。

次世代ものづくり研究部 豊田 健二

一般的には、カカオをチョコレートへ加工する工程で、カカオフラバノールはどうしても分解され減ってしまいます。

そこで私たちは、エキスへと加工することでフラバノールを安定して素材化できると考えました。また、長年にわたるカカオ産地での取り組みを経て、エキス原料として最適なカカオフラバノールを豊富に含むカカオ豆を開発しました。

実際の生産に落とし込むためには、カカオ農家の協力が不可欠でした。幸いにも、パートナーとなったカカオ農園のスタッフは熱意をもってこの新しい取り組みに協力してくれたので、失敗も多くありましたが、何とか生産にこぎつけることができました。

素材開発を進める中で、私たちは、食品としておいしいこと、健康的であることと同時に「面白さ」や「驚き・目新しさ」といった感性に響く要素を大切にしたいと考えています。

その点で、このカカオフラバノールエキスは、これまでの「カカオ=チョコレート」の固定概念を覆す素材であると断言できます!カカオの新しい魅力をぜひ多くの方に知っていただきたいです。

2.中身開発への想い

カカフル/ドリンクについて

デイリー飲料開発部 石井 裕一郎

本品は「カカオフラバノールエキス(カカオフラバノール100mg/本)」にくわえて、カカオのパルプ(果実部分)を搾った「カカオ果汁」を贅沢に60%配合して、砂糖・香料不使用で仕上げた、これまでにない新感覚のカカオドリンクです。

カカオドリンクと聞くとココアやチョコレートドリンクを思い浮かべると思いますが、今回のドリンクはそれらとは全くもって異なります。

お飲みいただくと、まず濃厚な甘みと酸味、その後に苦みが感じられ、ラストにはほのかにライチやアプリコットのようなトロピカルな香りが鼻に抜けていきます。

正直言うと、説明が難しいので、とにかく騙されたと思って飲んでいただきたい、というのが本音です。

カカオ豆は、16世紀にコロンブスに発見されて欧米に渡り、19世紀にココアやチョコレートが発明されて砂糖やミルクと組み合わされ、茶色の嗜好品として愛されてきました。そして近年はさまざまな健康機能が研究され、健康意識の高い方々を中心に注目が高まっています。

しかし元を辿れば、カカオは中南米で生まれて欧州に渡る前までの長い間、王族のためのドリンクだったそうです。石臼ですり潰していたそうですが、おそらく飲みやすいものではなかったと思います。

このような歴史を踏まえると、今回のドリンクは、王族が飲んでいた貴重なドリンクのエッセンスを現代的においしく飲みやすいカタチで蘇らせることなのかもしれないなと、ひそかに古代に思いを馳せながら開発を進めました。

しかしながら、実際の開発はいろいろと難航しました。まず味づくりですが、カカオの果汁は一般的なフルーツの果汁と比べると糖度が高いので、カカオ果汁を100%配合すると甘みが強すぎ、飲み飽きてしまいます。一方、果汁の配合率が低いと「カカオフラバノールエキス」の酸味・苦味が優勢となってカカオ果汁の存在感が感じられなくなってしまいます。

そんな中で試作を繰り返した結果、最終的に「カカオフラバノールエキス」と「カカオ果汁」を贅沢に使用しながら、素材のあじわいを最大限に活かすために砂糖・香料不使用、という極めてシンプルで贅沢な配合に至ってしまいました。

実はカカオの果汁は非常に高価なので、通常であればこんな配合での商品化に社内のOKは出ません。しかし、関係者で議論を重ねた結果、今回クラウドファンディングで皆様にご提案できることになりました。また、カカオフラバノールについても、とても繊細で光や酸素に触れると減ってしまうため、開発の過程において常に悩みの種でした。

商品化に向けてパッケージを検討する際も、透明の容器で特徴でもある見た目に鮮やかな赤い液色を見ていただきたいといったことも考えたのですが、カカオフラバノールを1本あたり100mgしっかり確保してお届けするため、アルミ層入りの紙パックを採用しました。それでも発売の直前まで何度も試験を繰り返し、カカオフラバノール量に問題ないことが確認できたときは関係者皆で胸をなで下ろしました。このように商品化まで何度も試行錯誤しましたが、全く新しいカカオの魅力が詰まった商品に仕上がりました。

個人的な実感ですが、仕事中に飲むと元気をもらえますし、リラックスタイムに飲むとお酒ではないのに解放された気分になれる、そんな不思議なドリンクです。まずはそのままストレートで楽しんでいただきたいですが、お好みに合わせて炭酸やお酒で割ってもとてもおいしいので、おススメです!ぜひ皆さまでいろいろなシーンや飲み方で楽しんでいただきたいです。

カカフル/ソルベについて

フローズン・食品開発部 渡邉 希望

「カカオ」と聞くと、甘くて苦いチョコレートを連想される方がほとんどではないでしょうか。しかし、「ひらけ、カカオ。」第一弾のカカフルでは、南国のフルーツのような甘酸っぱさを新たなカカオの魅力として伝えようとしています。その甘酸っぱさを、フローズンの世界からも伝えるべく、商品開発に取り組んできました。

チョコレート風味はアイスの一般的なフレーバーとして定着していますが、濃厚な甘みを特徴とした商品がほとんどでした。

一方で、フローズンの世界には酸味を特徴としたさっぱり風味を楽しめるソルベがあります。チョコレート風味のアイスとは全く異なり、甘酸っぱいカカオの新しい魅力を伝えるためにソルベという形態を選びました。

そして今回、ソルベの最大の強みである「食べた瞬間の口どけ」と「カカオ独特の甘酸っぱさと苦渋みをおいしく味わえる風味の実現」を追求しました。脂肪をほとんど含まないソルベの口どけの速さは、口に入れた瞬間に香るフルーティーな果汁感を味わうのに最適です。

しかし、カカオ果汁には糖が多く含まれるため、果汁をたくさん加えるとソルベは溶けやすくなってしまいます。カカオのフルーティーな果汁感をしっかり感じられながらも、ソルベとしての冷たいおいしさをしっかり楽しめるよう、最適な口どけとなめらかさになるまで、配合設計と製法の工夫を重ねました。

また、カカオ果汁はそのフルーツならではの甘酸っぱさが特徴ですが、カカオフラバノールエキスを加えたことで生まれるカカオらしい独特な苦渋みもやみつきになります。ソルベならではの食べた瞬間に一気に口の中に広がる甘酸っぱさと、口の中で溶けた後も残る独特な苦渋みの絶妙なバランスを感じながら、アイスだからと焦らず、是非ゆっくりと味わっていただきたいです。

チョコレートアイスとも異なる、カカオの新たな魅力が詰まった全く新しいカタチの「カカオフラバノールソルベ」をお楽しみください。

カカフル/タブレットについて

カカオ開発部  渡部 紘子

カカオフラバノールエキスは、長年かけて開発してきた新素材です。これをどのような商品で、どうやってお客様にお届けするかをさまざま議論してきました。

根源にあるものは「カカオの面白さや魅力は、既存のチョコレートに留まらない。カカオの可能性をもっと拡げたい。」という熱い気持ちです。これはカカフルだけではなく、カカウェルも含めてこれからもいろいろと展開していく予定の「ひらけ、カカオ。」全体に通じています。

カカフルはその一番選手ということになります。タブレットはキー原料となるカカオフラバノールエキスの「フラバノール含有量・赤色」にこだわって、これがきちんと発揮できる配合設計になっています。

またエキスだけでなく、もうひとつのキー原料であるカカオ果汁も水分を持つ素材なので、これらをタブレットにするためには、水分を低減させる(飛ばす)必要がありました。風味などの品質を損なわずに、おいしく仕上げるために、製法や配合の工夫を重ねました。

また本商品は「タブレット」という商品名にしていますが、種類別名称としては「チョコレート」です。ココアバターの配合量などから規約上チョコレートに当てはまります。普通のチョコレートのカカオマスの代わりにカカオフラバノールエキスを入れているイメージでしょうか。

しかし皆さんが想像される茶色くて甘いチョコレートとは全く違っていてびっくりされると思います!まず見た目に鮮やかな赤色。着色料不使用で、カカオ豆に含まれるアントシアニン由来の色です。

食べると南国のフルーツのような甘酸っぱさ、ちょっと後味に感じる独特の苦みがなんともクセになります。チョコレートのような口どけで、でもなんか違う。新しい体験をお楽しみください。

3.ブランド・デザイン開発への想い

カカフルには3つの想いが込められています。

①カカオが元来Fruitフルーツであるということを体感していただきたい

②カカオはカカオFlavanolフラバノールを含んだ素材であるということ知っていただきたい

③既存のチョコレートに限らずカカオの価値をFullフル(全力で、いろいろな手段で)で拡げていきたい。

そんな中で、この商品の魅力・価値は何なのか、特にカカフルは3つの商品展開を行っていくため、共通してお届けできる価値は何なのかということを開発担当者やデザイン担当者間でたくさん議論を重ねてきました。

目の覚めるような鮮やかな赤色や甘酸っぱい風味で、お客様の明日が少しでもキラキラと輝くような、そんな一助となる商品にしたいという思いから、このデザインが完成しました。鮮やかな赤色(ピンク色)のパッケージの中央に、カカオポッドが配置されています。カカオポッドの中は、鮮やかなグラデーションで巡りをイメージしています。

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