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インタビュー|バレーボール 石川祐希

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プロバレーボール選手、石川祐希。24時間をバレーボールのために費やす。決して大げさではなく、それほど真摯に競技と向き合い「勝つため」「うまくなるため」なら妥協を許さない。目の前の一球、一点を制するために。石川が求めるのは「勝利に必要なエネルギー」だ。

6年前は「世界を知る」ことがスタートだった。
だが、世界トップレベルが集うイタリアで戦い続けたことで、見える景色が変わり、目指す自分の姿も変わる。
着実にステップアップを遂げ、プロとして迎えた2シーズン目はパドヴァへ。
さらなる飛躍を誓うべく、ベースとなるのは強いカラダ。プロバレーボール選手として、日々妥協せず自らを高める。強者揃いのイタリアで、石川は今、どんな目標を抱いているのか。バレーボールの技術、メンタル、そしてカラダづくりの源は何か。

シエナからパドヴァへ。クラブの現状や石川選手が掲げる目標、課題を教えて下さい。

2018-19シーズンはまず、ケガをせずに戦いきること、スタメンで全試合出場することが目標でした。そして今シーズンは、クラブ自体レベルも上がりましたし、プレーオフ出場が目標です。その目標を達成する中で、昨秋のワールドカップでも課題としていた、運動量が増える試合や連戦時でも高いパフォーマンスを発揮し続けることにチャレンジしたいです。

以前、現在のクラブでは「運動量が増えた」と仰っていましたが、実際どのように運動量が増え、どんな影響が出て、何を克服することが課題なのか。具体的に教えて下さい。

自分の対角のポジションに入る選手の個性によって、求められるものもその都度変わります。例えば、守備を得意とする選手が入るか、やや守備は苦手だけれど攻撃力のある選手が入るか。常に僕がサーブレシーブやディフェンスの面で果たさなければならない役割は多くあり、なおかつ攻撃でもチームに貢献するのは大前提ですが、チーム状況によって守備面の負担が増えれば、それだけ単純に動く範囲も広くなり、運動量も増えます。
チームとして考えれば、それぞれの選手が本来のポジションの役割を果たせることが勝利に近づくのが理論上正しいですが、ケガがあったり、調子がわるかったり、相手チームによって自分たちの強みを発揮しやすい、しにくいなど、クラブの環境やその日の状況は様々で、僕自身は運動量が増えた状況でもパフォーマンスを落とさない、というのが重要と考えています。なので、負担や負荷が増えるのをマイナスと捉えるのではなく、よりレベルアップできるチャンスとして捉えています。

根本的なことですが、そもそもバレーボールで求められる運動量とはなんでしょうか?

イメージしていただきやすいのは、単純に、試合を通して(フルセットの場合2〜3時間)動き続ける持久力が必要です。もう一つは、バレーボールは頭を使うスポーツなので、脳のエネルギーも間違いなく使います。例えば、僕はアタッカーなので、スパイクを打つ時は、相手のブロックを必ず見ています。相手ブロックの枚数や位置、高さによって打ち方を変えたり、そのまま打つのか、フェイントするのかなど状況判断を瞬時にしなければなりません。加えて守備でも、相手が打つコースを読んで位置を移動します。レシーブをする時は、ただボールを止めるだけではなくて、次のプレーにつなげるためにセッターのいる方向へ返すなど細かい判断は常に求められます。相手の攻撃傾向や確率を、事前にインプットして動くことも必要です。少し極端な言い方かもしれませんが、バレーボールは頭を使わなくてもできるスポーツではありますが、頭を使わないと勝てないスポーツ。バレーボールにはカラダも脳も、体力、持久力が必要だと思います。

国際試合では連戦もあります。1試合のみならず、連戦が続く時により「体力が必要だ」と実感するのはどんな時でしょうか?

例えば試合が始まった直後の第1セットでは、ブロックの上からスパイクが打てていたのに、3、4セットと試合を重ねるごとにジャンプが落ちて相手のブロックにかかってしまった時。これは守備も同様で、サーブレシーブや相手の強打を上げるレシーブの時にも、体勢を崩さずに上げられたボールが、試合終盤になると踏ん張りきれなくて上げられない。上がったとしても次の攻撃準備に入るのが遅れてしまえば、それだけ不利になりますし、間違いなく試合の結果にも直結します。昨秋のワールドカップでも大会後半はそういったことがあったので、常に安定したパフォーマンスを発揮し続けるためにも、体力が必要だと感じています。

競技を限らず、トップアスリートとしての才能は何か。そう問われたら間違いなく言えるのは「継続する力」。

石川も、まさに類にもれず。「続ける」ことを一つの能力とするならば、ある種ずば抜けている。「毎日同じメニューでもいい」という栄養バランスに長けた食事から、試合や練習後、どれだけ遅くなっても欠かさぬストレッチ。一見すれば地味なことも、必要だと判断すればひたすら続ける。

その執着心が、この一球、一点を逃がさない、バレーボールでのパフォーマンスにもつながっている。

カラダに対してちゃんと意識するようになったのはいつ頃からですか?

大学3、4年からです。ケガが増えた時期。はじめは、主にトレーニングの面について考えるようになりました。大学を卒業してプロになった時から明治さんにサポートをしていただき、トレーニングと同じくらい栄養も重要ということを改めて教えていただき、栄養面にも意識するようになりましたね。それまでも、基本的に間食やお菓子などを摂ることはありませんでしたが、パワーをつけるために筋力をつけたい、体重を増やしたいと思って栄養士さんに相談しました。教えていただいたのは、これだけを摂ればいいという栄養素はなくて、肉も魚も野菜も、いろいろな食材を摂るようにして、その中で特にこれは不足させてはいけないというものを意識するようになりました。昨シーズンが始まる時には、栄養士さんにイタリアまでお越しいただいて、実際にスーパーに一緒に行って、どうやったらイタリアでも手に入れられる食材でそれができるかの実践的なアドバイスをいただき、それを今でも実践しています。

食事の面に関して。栄養サポートを受けるようになり、どんな変化がありましたか?

サポートをいただき始めた時は、「ケガをしないカラダづくり」ということが一番の課題であり最重要でしたが、食事を変えたことで、パフォーマンスもよくなりました。実際に、今までは踏ん張れなかったところでも踏ん張れるようになった。それだけでもパフォーマンスは間違いなく上がっていますし、それが変わるだけでプレーの幅も広がる。トレーニングと栄養が、非常に関係していることを実感しています。僕は、見た目も海外選手に比べたら細いので、弱そうに見えるじゃないですか(笑)。その時点で負けからのスタートは嫌なので、今でももっとカラダを大きくしたいと思っています。

日本と違う食文化の中ではどんな意識、工夫をしていますか?

イタリアの食文化は、パスタやピザなど、日本人の舌にも合うものが多くて、どれも美味しいです。また大勢で食事をしたり、おしゃべりをするときもカフェに行ったり、食が大切なコミュニケーションにもなっていると思います。ただ、栄養という面では、自分には脂質が少し多すぎてしまいます。なので、基本的に食事は自炊です。野菜や肉類はスーパーで買います。料理することは好きでも得意でもないので、野菜はスープに入れて簡単に摂れるようにしています。基本的には、ブロッコリーやニンジンが多いですが、イタリアは野菜の種類も豊富なので、「今日はこれを使ってみようかな」と試す機会も増えて、パプリカやアスパラガスなども取り入れています。そうはいっても僕が料理をするので(笑)、できることに限りはありますが、カラダのためになると思えば僕は毎日同じものを食べ続けるのも苦ではない。実際、朝ごはんは基本的にご飯と目玉焼き、シリアルにザバスのジュニアプロテインを入れて、フルーツを食べて、と同じメニューです。料理に関しては、必要な栄養素が摂れていればいいので、こだわりは少なくシンプルなものが多いですね。今は筋力をつけて体重を増やしたいので、食事とは別に補食でバナナやハチミツを入れたヨーグルトを食べるようにしています。

もともと意識が低いほうではなかった、とのこと。それでももっとこんな知識があればよかった、やっておけばよかった、と思うことはありますか?

ユース代表やジュニア代表の合宿で栄養指導を受け、そこから食事を意識する機会はあったのですが、大学生の時はお金も含め、望み通りの栄養を摂ることは難しい環境でもありますし、正直、僕も今ほど意識が高かったわけではありません。ただ、普段の食事でできることから意識する、例えば試合の日に何をどのタイミングで食べるかを意識するだけでも、その日のパフォーマンスが違うことを感じていました。僕は今プロなのでカラダが資本ですし、今まで以上にカラダに関しては気を配っています。高校生や大学生も、今自分が掲げる目標を達成するために、「将来はプロになりたい」と思う方ならなおさら、学生時代からカラダづくりに必要な情報を自分から得て、実践していくことが重要だと思います。

カラダが資本のプロの世界、イタリアでプレーする選手もやはり石川選手のように食事やカラダづくりに意識の高い選手が多いのでしょうか?

一概にそうではありません。むしろトレーニングやストレッチには時間をかけても、食事に関しては気を遣わない選手もいます。そういう面を見ると、僕にもチャンスがある、と思います。食事やトレーニング、一つ一つは細かいことかもしれませんが、それが毎日積み重なれば体格が違う海外の選手たちにも勝てるチャンスがあると思います。海外の選手と比べれば日本人選手は体格面で劣る部分が多くありますが、努力や意識の持ち方次第でそれを補い、上回ることも多くある、と感じています。当然ながら日本とイタリアでは生活環境も異なり、食事を含めた環境面で、ストレスを感じることもありますが、それも成長につながると思っていますし、バレーボールにも活かされることは多くあると思います。その中でこれだけ生活できているのは、一つの自信になっていますし、僕にとっては、今、この場所が強くなれる環境だと思っています。

アスリートに必要な「心技体」。どれか一つが欠けてもならない不可欠な要素の中で、石川が最も大事なのは「メンタル」だと言う。

なぜなら、カラダを鍛えるにも、技を極めるにも、「やり抜く」という強い意志が必要だから。

その強い意志を備えたうえで、選手としての自らを高めるべく、今、磨くべきは何か。自分を客観的に観察し、求めるものを見極める。勝負所でのプレーと同様に、自らが取り組むべき課題の優先順位も、石川祐希の発想は常にシンプルで、確固たる理由がある。

昨秋のワールドカップでは多くの人たちが日本の男子バレーを「面白い」と感じました。石川選手が描くこれからの目標はどんなものでしょうか?

僕自身は世界のトップレベルの選手になりたい、という目標があります。ワールドカップのように、連戦が続く状況では、終盤に差し掛かりパフォーマンスが落ちてしまったのも課題だと改めて感じたので、どんな状況でも常にベストのパフォーマンスを発揮する。そうなれば結果が変わり、また次のチャンスがつかめる。世界中のファンに自分のプレーを見てもらう機会、バレーボールを楽しんでもらう機会も増えると思っています。そのために、まずはもっとカラダを強くしなければならないと思っています。食事やトレーニングで戦うカラダをつくる。トレーニングはやりすぎればケガの要因にもなり、足りなければパフォーマンスに影響しますが、これまでの積み重ねを通して、今は自分にとって必要なバランスもつかめています。僕のカラダはトレーニングをすれば比較的すぐに筋力がつきやすいので、強いカラダで世界のトップ選手と戦い、勝ちたいです。

「心技体」で大事な要素はまず「カラダ」?

もちろんカラダは鍛えなければならない要素ではありますが、何が一番大事か、と言われれば僕は「心」、メンタルだと思います。コンディションを整えるためにトレーニングをしないといけない、それに見合った栄養を摂らないといけない。技術をアップさせるための練習も必要ですし、自信をつけるには簡単なことよりもチャレンジングな経験をしなければならない。そして、どれもすぐに、簡単に、手に入れられるものでなく、継続することや、時に変化を取り入れることが必要。そうやって、目標に向かって、何が足りていて、何が必要かの優先順位を自分で考えるのもメンタルです。徹底して何かに取り組むためには強いメンタルが必要だと思います。「カラダ」や「技術」を高めることはもちろん重要ですが、自分としては、やはり一番はメンタルだと思います。

1人の選手として「世界のトッププレーヤーになりたい」と石川選手は常々仰っています。そのためにこれから必要なこと、取り組むべき課題は何だと思いますか?

クリアしなければいけない課題は一つではありませんが、どの課題をとっても、根本にあるのは、間違いなく「カラダづくり」です。世界の中で見れば僕は背も高くないので、世界の高さやパワーと渡り合うためには常にジャンプをし続けなければいけないし、攻撃だけでなくレシーブでもチームに貢献しなければならないポジションです。他の選手よりもできることの数を増やさなければ世界では戦っていけません。そのためにまずはパフォーマンスを常に維持すること、パフォーマンスを落とさないことが一番理想で、それができるようになることが、自分が目指す世界のトップに近づくための近道だと思います。もちろんただ動き続けられればいいという意味ではなく、常に、瞬時のボールへの反応や状況判断など、集中力を切らさずに頭も働かせ続けることも必要です。そのために必要なのはエネルギー。エネルギーが不足すると、集中力が欠けていると感じたり、思うようにカラダが動かせないこともあります。エネルギーを切らさずに、いかに効率的に使っていけるかが、パフォーマンスに直結すると考えています。世界のトップでは、体力も頭の持久力も常にフル回転させていないと生き残っていけません。そのためにも、日頃の食事はもちろんですが、試合前や練習前に顆粒のスーパーヴァームを摂ることも、僕にとっては不可欠です。サプリメントや栄養サポートの力を借りながら、強いカラダにスキルや経験を積み重ねていくこと。それが世界のトッププレーヤーに近づくための方法だと思います。

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