2023 01.16

現代社会に対応する「母子栄養研究」のため、3回目となる独自の大規模母乳調査を実施

2023年1月から2029年12月までの7年間をかけ、3回目の大規模母乳調査「母子栄養研究」を実施スタートしています。
この研究は、以前の調査を基に、母親の栄養摂取状況や母乳成分、子どもの発育や腸内細菌叢などとの関連性を深く探ることを目的としています。
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過去の調査では、1979年に1,700名、1998-1999年に4,243名の母親から大切な母乳をいただき、母乳中のたんぱく質、エネルギー、ビタミン、ミネラルなどの濃度を明らかにしました。これらの情報は、乳児用ミルクの設計に反映するとともに、「日本人の食事摂取基準(厚生労働省策定)」における日本人母乳の基準値として採用されるなど、日本の赤ちゃんの成長を支える成果として活用されています。
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今回の「母子栄養研究」では、母乳の収集・分析を新たに行うことで、母乳の栄養成分組成が、前回調査時の分析値から変化しているかを検証するとともに、新たに、母親の栄養摂取状況が母乳や子どもの発育などに与える影響評価に取り組みます。調査結果は、2025年以降に段階的に公表され、母子1,100組が参加する予定です。
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この研究の成果は、乳児用ミルクのさらなる改良や国の基準値づくりへの提案が可能になります。母親と子どもの栄養に関する基盤情報を蓄積し、母子の健康に貢献してまいります。
乳児にとって最良の栄養である母乳を徹底的に研究し、乳児用ミルクの一つ一つの成分を母乳に近づけることで、母乳で育つ赤ちゃんと同等の発育を目指す「母乳サイエンス」の理念に基づき、母乳調査と乳児発育調査※1をもとに母乳研究を行い、新たな科学的知見を獲得・発信し、社会貢献につなげていきます。
※1
乳児発育調査
1972年以来、約50年にわたり赤ちゃんの哺乳量、発育、ならびに便の状態の調査を続けています。その回数は13回におよび、調査した赤ちゃんは延べ20万人以上になります。
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