カカウェルに込められた3つの想い

見た目はチョコレートに思えるカカウェル。実は、カカオが持っているおいしさと栄養がぎゅっとつまっています。

原料の1つ「カカオグラニュール」は明治が開発した独自素材。カカオをもっと身近な食材として生活の中に取り入れてほしいと考え、長年かけてようやく完成しました。

カカオグラニュールを使用した「カカウェル」に対する担当者の熱い想いをご紹介します。

1.素材開発への想い ~カカオグラニュール~

カカオ開発研究部 松田 幸喜

カカオグラニュールとは、カカオ100%の粉末状のカカオ素材です。明治独自の特殊な製法により、カカオの細胞内にポリフェノールや脂質(ココアバター)等の成分を閉じ込め、粉末状にしました。

カカオグラニュールの特徴は3つあります。

1.ポリフェノールを多く含むこと。3年間かけて開発した製法により、カカオの持つポリフェノールを最大限に維持しています。

2.苦味が弱いこと。カカオマスはポリフェノール由来の非常に強い苦味を有しますが、カカオグラニュールは細胞内にポリフェノールを閉じ込めているため、苦味を感じにくいです。

3.脂質が滲みださないこと。脂質も細胞内に閉じ込めているため、水を含む製品に入れても油が分離しにくいです。(例えば、アイスクリーム、グミ、チーズ…などさまざまな商品にカカオが活用できます。)

実はカカオ豆は栄養を含んでおり、5千年以上も前から人類が食してきた食べ物で、カカオポリフェノールに代表される多くの成分が含まれています。しかし、カカオポリフェノールはチョコレートへ加工する工程で分解され、減ってしまいます。また、カカオ豆は栄養を含んでいるにも関わらず、その用途はチョコレートやココアなどに限定されています。

カカオ開発研究部 西山 由梨

そこで、カカオの価値を多くの方に知ってもらいたいという想いから、幅広い商品に展開できる、新しいカカオ素材の研究開発を始めました。

カカオの持つ価値を最大限に活用するために、チョコレートの製造工程を一つずつ検証し、カカオ細胞を構成する細胞膜の存在が、成分の維持に大きく寄与することを発見しました。

しかし、その道のりは決して容易ではありませんでした。1926年にミルクチョコレートを発売してから約97年、チョコレートの開発を行ってきた明治においても、また世界規模で見ても、カカオ豆の細胞膜に着目した研究実績がなく、参考となる知見がありませんでした。

そして、知見が無い手探りの状態から膨大な情報収集、度重なる仮説と検証の繰り返し、仲間の助言、そして各関係者の協力のもと、「細胞膜非破壊製法」を発明し、カカオグラニュールという新しい素材を開発することができました。

約3年間、開発してきた素材をようやく皆さまにお届けすることができ、非常に嬉しく思います。しかし、今回の発売だけで満足することなく、もっといろいろな製品でカカオグラニュールを活用していきたいです。皆さまの日々の生活にカカオが当たり前にあることを目指し、今後も研究開発を続けていきます。

2.中身開発への想い

カカオ開発部 宮崎 翔太

チョコレートの原料であるカカオは、さまざまな栄養素を含む農産物です。ただし、そのままのカカオは、苦くて硬く、食べるのに工夫が必要な食材です。食べるための一つの方法が「チョコレートに加工する」という方法です。カカオを砕いてやわらかくする。砂糖や牛乳を混ぜ合わせることで苦みを中和する。こういう知恵で明治はこれまでチョコレートを通じて、カカオを届けてきました。

しかし、チョコレート以外にもカカオを楽しめる方法があるのではないか。カカオがもつ「おいしさ」や「栄養」といった素材の良さを最大限引き出し、カカオを食材として日本中に届ける別の方法があるのではないか。そんな想いで、「カカウェル」の開発に取り組みました。

通常チョコレートへ加工する際に失われるカカオの栄養素をなるべくキープさせる、他の栄養豊富な食材と組み合わせることで食べやすくて健康的なおいしさを提供する、こういったことにこだわって、この商品を開発しました。

商品化するにあたり、カカオがもつ栄養を分かりやすくどう伝えるか、という部分に苦労しました。古来より人々の健康を支えてきたカカオですが、現代の人々にどう提案したら魅力的に思っていただけるのか。最近はカカオポリフェノールの認知も広がり、カカオに対する健康的なイメージも少しずつ広がってきました。

「神秘の食材」といった抽象的なイメージだけでなく、日本人が必要と感じる具体的な栄養素を並べて、カカオに対する皆様の価値観を変えることができればと思って、開発に取り組みました。

今回、開発にあたり特に意識したポイントは、おいしさと栄養のバランスです!「薬」ではありませんから、我慢して食べるのではなく、思わず手が伸びてつい食べてしまうようなおいしさは絶対。そこに「食物繊維・4種のミネラル・ビタミンE」というカラダに嬉しい栄養素がしっかり入っている。明治が新たに開発した原料:カカオグラニュールだけでなく、アーモンド・デーツ・はちみつといった食材を組み合わせることで、絶妙なバランスになったと自負しています。

原料から作り方まで本当にこだわって仕上げていますので、是非お好きなタイミングで食べて日々の栄養摂取にお使いただけると嬉しいです。

3.ブランド・デザイン開発への想い

ブランドネームである「カカウェル」は、「カカオ」と「ウェルネス」を組み合わせた造語です。

おいしさと栄養をあわせもつカカオという素材を提供することで、お客様のウェルネス、心身ともに健康的な日々に貢献したい、という想いから、ブランドネームを決めました。

「おいしいものは体にあまりよくないからほどほどに」「栄養のあるものはあまりおいしくないけど我慢して食べる」、これまでの人生の食経験から、少なからずこのような意識が皆さまにもあるのではないかと思います。

おいしさと栄養、これは相反するものではなく、共存できるということをこの商品で皆さまに知っていただきたい。くわえて、カカオは自然の恵みを受けた農作物ですから、ナチュラルなイメージも大切に。こうした想いを表現するために、デザインも試行錯誤を繰り返し、準備を進めてきました。

また、この商品には「箱袋」という新しい容器を使用しています。我々の取り組みの根底にはサステナビリティがありますから、紙資源の使用量が従来の紙製容器に比べると少ない「箱袋」を採用いたしました。

カカオだけでなくあらゆる資源の持続可能性を向上させ、将来長きにわたってこの商品を楽しんでいただくことができるようにしていきたいと考えています。

関連コンテンツ