サステナブルな酪農経営へ貢献 独自の酪農経営支援活動「Meiji Dairy Advisory」酪農家との「MDAミーティング」開催

株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、サステナブルな酪農経営への貢献を目指した、明治独自の酪農経営支援活動「Meiji Dairy Advisory(以下、MDA)」における取り組みとして、支援する酪農家との「MDAミーティング」を2023年2月14日に開催しました。

当社の「MDA」は、農場経営における人材マネジメントにフォーカスし、農場の作業改善や経営管理技術の向上を通して、酪農に関わる人の成長を支援し、サステナブルな酪農経営に貢献する取り組みです。

国内の酪農業は、サステナブルな生乳生産が求められる一方で、労働力確保や人材育成などのマネジメントにも酪農家が苦慮している現状にあります。

今般、当社と酪農家とのパートナーシップの強化や、酪農経営における好事例の共有による生産性向上、酪農家同士のコミュニケーションの場の創出のために、酪農家との「MDAミーティング」を開催しました。

開催にあたりあいさつをする
当社常務執行役員 木島俊行 調達本部長
十勝サテライト会場の様子

本ミーティングでは、映像による「MDA」の概要共有や3テーマに分かれたグループディスカッションを実施しました。グループディスカッションには、全国から「MDA」でサポートする22名の酪農家が参加しました。本年のテーマは、昨年と同じく酪農家への事前アンケートを行い、関心が高かった「中期計画」「チームミーティング」「技能実習生」を用意しました。

また、当社の十勝工場にサテライト会場を設け、北海道の12名の酪農家の皆さまにお集まりいただき、ミーティングにご参加いただきました。

当社のMDAは、農場のサステナブルな酪農経営実現に向けて、「人材マネジメント」だけでなく、「人権」「アニマルウェルフェア」「温室効果ガス」といった社会課題の解決にも取り組んでいきます。

「MDA」について

「MDA」は、農場経営における人材マネジメントにフォーカスし、農場の作業改善や経営管理技術の向上を通して酪農に関わる人の成長を支援することを具体的なプログラムにしたもので、2018年から開始しました。

酪農現場の様子

日本国内の生乳生産量は1996年をピークに20年以上にわたり“減少”の一途をたどっています。それを象徴するような出来事として記憶に新しいのが、2014年に起きたバター不足問題です。さまざまな要因により発生した問題ですが「スーパーからバターが消えた」という事実は日本全体に大きな衝撃を与えました。

明治グループでは、この問題が起こる以前から生乳生産量増加の施策を数々試みてきましたが、このバター不足問題を一つの転機として「このままでは本当に高品質の牛乳・乳製品をお届けできなくなる」と危機感をさらに強くし、施策をさらに強化・進化させる方向へと舵を切りました。

そして、2015年から当社の酪農部のメンバーと、グループ会社である明治飼糧株式会社が協力しながら酪農現場へ頻繁に足を運び「生産量が増えない原因」を徹底的に分析していきました。その結果、私たちがたどり着いた根本的な原因は、エサのあげ方や牛の飼い方といった飼育に関する技術的なものだけではなく、「働く環境」や「働き方」など、「人」に起因するものでした。そこで2016年から3年間、酪農先進国であるデンマークから講師を招き、人の働き方に関するセミナーを開催しながら農場経営におけるノウハウを蓄積していきました。

酪農に関わる人びとが、やりがいを感じながら働くことができる農場にすること、無駄をなくし作業を効率化して負担を減らすこと、農場のあるべき姿を一緒に描きながら農場の経営陣やリーダーの成長を支援すること。

これらの取り組みに加えて、「MDA」は「人権」「アニマルウェルフェア」「温室効果ガス」へも活動の領域を拡大し、「サステナブルな酪農経営」の実現を目指していきます。

MDAにおける酪農家とのカイゼン活動の様子
MDAにおける外国人技能実習生勉強会の様子