株式会社 明治（代表取締役社長：松田 克也）は、「キューブ製法技術」を発明し、利便性の高い固形タイプの粉ミルクを実用化していることが高く評価され、公益社団法人 発明協会（会長：内山田 竹志）が実施する「令和4年度関東地方発明表彰」において、特別賞「日本弁理士会会長賞」と、併せて本発明の実施に対して「実施功績賞」を受賞しました。本発明は、「明治ほほえみらくらくキューブ」と「明治ステップらくらくキューブ」に使用されています。

11月19日は「いい育児の日」です。子どもの成長と子育てを社会全体で応援する機運を高めることを目的に制定されています。当社も、当商品を通じて育児に関わる方々の負担を少しでも軽減し、家族全員で、また社会全体で積極的に育児参加ができるようサポートをしてまいります。

粉ミルクは、持ち運びしにくい、計量時に粉をこぼしてしまう、計量数を間違いやすいなどの不便さが指摘されていました。粉ミルクを固形化すればこうした不便さを解消できますが、強く押し固めると、調乳の際にお湯が内部まで浸透せずに溶け残ってしまいます。一方で、弱い力で固めてお湯が浸透しやすい多孔質構造（空気の隙間が多い構造）にすると、非常にもろく、輸送時などに簡単に壊れてしまいます。このような問題から、固形タイプの粉ミルクは世界的にも実用化されていませんでした。本発明は、添加剤を使用することなく、固形ミルクの表面層のみを硬質化して、多孔質構造の内部を保護することにより、溶け易さと壊れない硬さを両立させたものです。この「キューブ製法技術」により、世界で初めて固形タイプの粉ミルクを実用化し、育児用粉ミルク市場において新しいカテゴリーを創出しました。

乳幼児に必要な栄養素や安全性はそのままに、外出時にも持ち運びしやすく、調乳の際の手間や粉のこぼれ、計量間違いなどの不便さを改善し、育児の負担の軽減に寄与しています。

発明名称：固形タイプの育児用ミルク
対象特許：特許第4062357号

日本弁理士会会長賞：株式会社 明治 技術部 参与 豊田 活、他2名
実施功績賞：株式会社 明治 代表取締役社長 松田 克也

粉ミルクを低い圧力で圧縮して成形した後に、成形体を加湿および乾燥処理する製法です。圧縮成形した成形体の表面を加湿すると、表面の粉ミルクの一部が溶けます。これを乾燥させることにより、溶けていたミルクの主成分である乳糖が結晶化して粉ミルクの粒子同士が架橋^※を形成し、表面が硬い層で覆われた状態となります。この表面層により、輸送や持ち運びなどで壊れない硬さにすることが可能になりました。一方、お湯に入れると表面層はすぐに溶け、多孔質構造の内部にお湯が速やかに浸透するため、サッと溶かすことができます。

※架橋：粒子の表面の一部が溶けて、形成した粒子同士の連結箇所。

お客さまの声

ダノン社への技術提供により、英国でもキューブ製法技術を使用した固形ミルクが販売されています。英国最大規模の賞で、1万人以上の消費者調査に基づき選定される「新商品アワード（2022 Product of the Year | Consumers Vote. Sales Increase.）」を粉ミルクカテゴリーで受賞しています。

大正10年に開始された地方発明表彰は、実施されている優れた発明、考案又は意匠を生み出した技術者・研究開発者を顕彰するものです。全国を8地方（北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州）に分けて、公益社団法人 発明協会が「特別賞」「発明奨励賞」などを表彰しています。

「家庭や家族を大切にするライフスタイル」を浸透させ「子どもの成長と子育てを社会全体で応援する機運を高める」ために、「日本創生のための将来世代応援知事同盟」が制定しています。