ヨーグルトなどの製造に用いられる乳酸菌発酵は、ミルクプロテインの吸収を速め、筋たんぱく質合成を向上させることを発見 ~第72回 日本栄養・食糧学会大会で発表~
株式会社 明治(代表取締役社長:川村 和夫)は、「ミルクプロテイン(乳たんぱく質)」※1の有用性を研究する中で、ヨーグルトに代表される乳を乳酸菌により発酵させた発酵乳では、発酵前の乳原料と比較して、ミルクプロテインがより速やかに吸収され、摂取後の筋たんぱく質合成を向上させる効果が高いことを見出しました。
この研究成果を、2018年5月11~13日に岡山県で開催された「第72回日本栄養・食糧学会大会」にて発表いたしました。
【内容】
演題名:
ラットを用いた発酵乳たんぱく質の吸収性と筋たんぱく質合成作用の検討
概要:
ラットに、①乳から脂肪分を除いた「脱脂乳」、②脱脂乳を乳酸菌にて発酵し、発酵後に殺菌した「発酵乳」、③脱脂乳に乳酸のみを添加した「酸性化乳」の3種類の試験乳のいずれかを、たんぱく質量として体重1kgあたり0.6g経口投与しました。投与後経時的にたんぱく質の吸収を示す門脈血中のアミノ酸濃度と、筋たんぱく質合成速度を調べました。
血中アミノ酸濃度は、試験乳投与後速やかに上昇し、30分では発酵乳および酸性化乳が、60分では発酵乳のみが、脱脂乳よりも有意に高値を示しました(図1)。また、筋たんぱく質合成速度は、全ての時間で発酵乳が最も高値、次いで酸性化乳、脱脂乳の順であり、発酵乳は脱脂乳との間に有意差を、酸性化乳に対しては有意傾向を示しました(図2)。
これらの結果から、乳中のたんぱく質は、乳酸菌発酵により速やかに吸収されるようになり、たんぱく質摂取によって起こる筋たんぱく質合成が、より高まることが示唆されました。
-
※1:ミルクプロテインとは
牛乳に含まれるたんぱく質の総称です。ミルクプロテインは私たちの体を作るのに必要不可欠なアミノ酸を豊富にバランスよく含んでおり、良質なたんぱく質源の一つとされています。
“明治ミルクプロテインプロジェクト”推進中!
ミルクプロテインの持つ幅広い可能性をすべての人々に届けていくために、これまで知られていたミルクプロテインの価値をさらに追い求めるだけでなく、新たな価値の探求にも取り組んでいきたい。明治はこのプロジェクトを通じ、ミルクプロテインのチカラを商品として具現化し、お客さまにお届けするとともに、ミルクプロテインの持つさまざまな可能性を、わかりやすく情報発信してまいります。