INTERVIEWS

機能性と安全性のはざまで
おいしい健康が作られる。

Y.T.
研究本部 分析化学研究ユニット
安全性評価G
2012年入社
生体システム専攻卒
※所属・内容は取材当時
技術
PROFILE

大学では生体システムを専攻し、神経のがん細胞である「神経芽腫」を使ったエンドサイトーシス(細胞が外部から物質を取り込む現象)の研究に取り組んだ。生物の知識を活かせる業界を探す中で、食という身近な領域である食品メーカーに辿りつく。明治の安価でおいしい食品になじみがあったことや、おいしいだけでなく健康価値も持つ明治の製品に惹かれて入社。現在は、商品の安全性の評価を担当している。

学生時代に打ち込んだこと

大学時代、私はラグビー部に所属していました。それまで陸上競技を続けていたため、初心者としてのスタートでしたが、周囲に私と同じくラグビーを始めたばかりの人が多かったこともあり、みんなで競い合って一から成長していく喜びがありました。こうした経験が、現在の仕事にも活きています。仕事では、いつも新商品の安全性評価を任されることになり、新しいことを学んでいかなければなりません。ラグビーで一から学ぶ努力を知っていたことは、仕事上の必要に応じて新たな知識を収集する際の土台になっています。

現在の仕事について

安全性評価グループは、開発部署から依頼を受けて商品の安全性を評価し、問題があれば配合変更等を指示する役割を担っています。たとえば、ビタミンやミネラルは体によい栄養素ですが、過剰摂取すると健康に害が出てしまいます。そうした健康リスクがないよう適切な栄養素の配合量を見極め、必要に応じて助言をすることが私たちの主な仕事です。また、より効率的な評価を可能にするために、商品開発や安全性評価の社内体制を改善することも重要な仕事の一つ。限られたリソースの中で、重要度や新規性の高い商品を重点的に評価することが、より安全な明治の製品を実現するのです。

仕事のやりがい

安全性評価の仕事の醍醐味は、「機能性と安全性のバランスを見極めること」にあります。開発側は「より機能性の高い食品を作りたい」と考えますが、私たちは「安全性を確保する」という視点からブレーキをかける立場にあります。しかし制限を加えるだけではなく、根拠に基づいた助言や代替案によって、最適な商品を作り出すことが安全性評価の役割なのです。開発チームと議論を重ねながら、双方が納得する落とし所を見つけ、時間と努力の結晶が店頭に並んでいるのを見かけたとき、自分の仕事が人の健康に役立っていると感じるという実感を得ることができます。

入社してわかった明治のすごいところ

入社して驚いたのは、社員一人ひとりの真面目な姿勢と、品質に対する強い想いです。小さな業務システム一つをとっても、「この場合はどうだ、あのケースではどうなる」といった細かなシミュレーションが行われています。私は比較的ざっくりとした考え方をするタイプですが、そうした細やかな意識が明治製品の信頼性につながっていることを実感します。その一方で、私個人としては「どこまで厳しくするのか」を見定めることも必要ではないかと思っています。非効率な業務が生まれないようにバランスを見極めて、安全性評価体制を作っていきたいです。

仕事のアイデアが浮かぶ瞬間は?

机の前で考えていると、どうしてもアイデアが煮詰まってしまうもの。私にとってアイデアを得やすいのは、リラックスしているときや、友人と話をしているときです。頭の片隅に仕事のことが浮かんでいれば、公園を散歩しているときにふとアイデアが思いつきますし、悩みの背景を知らない友人の方が、意外な気づきを与えてくれるもの。会社とは違う景色や人の出会いから、さまざまなインスピレーションを得ることができると思います。

SCHEDULE

ある1日の仕事の流れ

08:40

出社

10:30

本社担当者と
打合せ

12:00

ランチ

15:00

月次の進捗
ミーティング

18:00

退社

会議の時間を除くと、デスクワークをしている時間が多いです。開発部署からの依頼に応じてリスク評価をしたり、発表用の資料を作成することもあります。社員食堂で食事を済ませたら再び仕事に戻り、定時あたりで引き上げるのが普段の流れです。

今後の目標

現在は、安全性評価の精度を高めることに取り組んでいます。長年の経験があっても、100点満点の評価を出すのは難しく、上司から赤ペンを入れられることも少なくありません。一度受けた指摘は再発しないよう心がけて、さらに精度を高めていければと思います。また、将来的にはリーダーとしてチームを率いる立場になりたいと考えています。そのために、技術力だけでなく、メンバーとのコミュニケーションや問題解決力を磨くことも重要です。一方的に指摘するのではなく、相手の意図をくみ取りながら適切な助言ができるよう、日々意識して取り組んでいます。

休日の過ごし方

休日は、ジョギングや筋トレなど、体を動かす時間を大切にしています。運動は単なる健康維持だけでなく、精神的なリフレッシュにもつながり、走っているうちに仕事の悩みが小さく感じられることも。また、旅行も好きで、年に3〜4回は新しい場所を訪れます。知らない土地を歩いて、話題のホテルに泊まり、海鮮丼を楽しんだりと、まだ体験したことのないものに触れる時間が、リフレッシュとインスピレーションを与えてくれるのです。