牛乳 MILK

牛乳の栄養

栄養のバランスが良く「準完全栄養食品」といわれる牛乳には、たんぱく質・脂質・炭水化物の三大栄養素に加え、私たちに不足しがちなカルシウムなどのミネラルやビタミンB群も豊富に含まれています。最近では、単にカロリー量を考えるより、栄養素密度で食品の価値を考えています。

普通牛乳(乳脂肪分3.8%)100g の栄養成分値

エネルギー
(kcal)
水分
(g)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
ミネラル
カリウム
(mg)
カルシウム
(mg)
マグネシウム
(mg)
リン
(mg)

(mg)
61 87.4 3.3 3.8 4.8 150 110 10 93 0.02
ビタミン コレステロール
(mg)
A B1
(mg)
B2
(mg)
C
(mg)
E
(mg)
レチノール
(μg)
カロチン
(μg)
レチノール活性当量
(µgRAE)
38 6 38 0.04 0.15 1 0.1 12

日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

牛乳は優秀なカルシウム源

牛乳100gには、カルシウム約110mgが含まれています。成人(18〜74歳)の1日のカルシウムの食事摂取基準(推奨量)は男性750mg、女性650mgなので、コップ1杯の200gで1日の目標の約1/3が摂取できます。

牛乳のたんぱく質は良質

牛乳のたんぱく質には、9種類の必須アミノ酸を含む20種類のアミノ酸がバランス良く含まれており、アミノ酸価が100の良質なたんぱく質です。牛乳のたんぱく質の主成分はカゼインで、消化される過程でできる「カゼインホスホペプチド(CPP)」が小腸でカルシウムの吸収を助けるなど、生理活性ペプチドが牛乳のたんぱく質中にあらかじめ含まれていることも注目されています。

消化吸収の良い乳脂肪

脂質は、私たちのエネルギーの源。牛乳の脂質(乳脂肪)は、1gで9キロカロリー(kcal)であり、少量で多くのエネルギーを生産する効率の良いエネルギー源です。脂質はビタミンA・D・E・Kなどをよく溶かすため、脂溶性ビタミン類の吸収を助けます。

身体と脳に大切な乳糖

牛乳中の炭水化物の「乳糖」は、グルコース(ブドウ糖)とガラクトースからできています。ブドウ糖は脳にとり主要なエネルギー源であり、ガラクトースは脳組織の発達に大事な成分です。乳糖はエネルギー代謝や脳の成長と発達にとって大変重要な食品成分です。

TOPICS

牛乳のカロリーは意外と低い?!

牛乳には栄養成分が多いから太ると思われがちですが、コップ1杯(200ml)のエネルギーは126kcal。20代女性が1日に必要なエネルギーのわずか約6%です。カルシウムが他の食品に比べて吸収されやすく、ビタミンAやB2などの栄養もしっかり補給できるので、栄養が不足しがちなダイエット中にこそ頼ってほしい食品です。牛乳は栄養素密度が高く、少ないカロリー量で同量の栄養素を摂取できる優れた食品です。

MEMO

栄養素密度とは…

食品のエネルギー100kcal当たりの栄養素の量を示す評価方法です。栄養素密度が高い(100kcal当たりの栄養素が豊富)とは、「少ないカロリー量で効率よく必要とされる栄養素をより多くとることができる」という意味です。


必須アミノ酸とは…

人間の体内には、10万種類以上のたんぱく質があり、基本的には20種類のアミノ酸から作られています。その20種類のうち11種は人間の体内で作れるアミノ酸で非必須アミノ酸と呼ばれます。しかし、9種類(ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン)は体内で作ることができないアミノ酸で、必須アミノ酸と呼ばれます。これらの必須アミノ酸は、食品から日々必ず摂取する必要があります。