治療を受けていない20~64歳のFD有症状者106人を無作為に2グループに分け、一方には乳酸菌OLL2716株(109個)入りヨーグルトを、もう一方には乳酸菌OLL2716株なし(プラセボ)のヨーグルトを1日1回(85g)、12週間食べてもらいました。12週後に胃の症状に対する全般的な効果の印象についてアンケート調査を行いました。
その結果、12週間乳酸菌OLL2716株入りのヨーグルトを食べたグループは、乳酸菌OLL2716株の入っていないヨーグルトを食べたグループに比べ、胃の症状が改善傾向を示し、全般的な胃の症状が「非常に良くなった」または「良くなった」人は、乳酸菌OLL2716株を含むヨーグルトを摂取したグループで約16ポイント高くなりました。
図 胃の症状改善に関する包括評価
(出典:Digestion 2017;96:92-102)
[評価方法]
試験食品摂取12週後において、被験者に「摂取前に比較して、直近1週間のあなたの胃の症状はどうでしたか?」という内容の質問に回答して頂いた。
群間比較はWilcoxonの順位和検定により実施し、p<0.05を有意、p<0.10を統計的に傾向とした(† p<0.10 (両側))。
また、FDの4つの症状全てがなくなった人の割合(除去率)をヨーグルト摂取から4週間、8週間、12週間後に見たところ、摂取期間が長いほど除去率が高まり、12週後には乳酸菌OLL2716株入りヨーグルト群の除去率は35.2%と、プラセボ群17.3%の約2倍になりました。
図 FD主要4症状全ての除去率の経時変化
(出典:Digestion 2017;96:92-102)
[評価方法]
摂取前ならびに試験食品摂取4週後、8週後および12週後において、FD主要4症状全ての消失を経験した被験者の割合を除去率とした。
群間比較はWilcoxonの順位和検定により実施し、p<0.05を有意とした(* p<0.05 (両側))。
FDの2つのタイプの「食後愁訴症候群(PDS)」と「心窩部痛症候群(EPS)」に分け、それぞれの症状がなくなった人の割合を、ヨーグルト摂取から12週間後に見たところ、乳酸菌OLL2716株入りヨーグルトを食べた群ではPDS症状の除去率が有意に高くなりました。
図 試験食品摂取12週後のPDSおよびEPS様の症状の除去率
(出典:Digestion 2017;96:92-102)
[評価方法]
試験食品摂取開始前にPDSタイプであった人を対象にPDS症状の除去率を解析した。
試験食品摂取開始前にEPS様タイプであった人を対象に EPS様症状の除去率を解析した。
群間比較はFisherの正確確率検定により実施し、p<0.05を有意とした(* p<0.05 (両側)、N.S. 有意差なし)。