東海大学医学部の古賀泰裕教授らは、ピロリ菌の感染者30人に対して試験を行いました。まずその30人に乳酸菌OLL2716株を含まないヨーグルト(1個90g)を1日2回、8週間連続で食べてもらい、その後乳酸菌OLL2716株を含むヨーグルト(1個90g・乳酸菌OLL2716株を10億個含む)を1日2回、8週間食べてもらいました。その結果、乳酸菌OLL2716株を含むヨーグルトを食べた後で、食べる前よりもピロリ菌の活動が抑制され、胃の炎症の改善が認められました。
このように乳酸菌OLL2716株の人による試験において、一定期間継続して取り続けることで、ピロリ菌の活動抑制や、ピロリ菌による胃粘膜の炎症改善効果が発表されています。
乳酸菌OLL2716株 電子顕微鏡写真
近年では、従来の抗生物質が効かない耐性菌の出現による除菌率の低下が問題となっていますが、同大学高木教授のグループでは、2009年にクラリスロマイシン耐性ピロリ菌などの耐性菌も含めて、乳酸菌OLL2716株を除菌療法に併用することで、効果的に除菌することを確かめました。
229人のピロリ菌感染者を、一方は通常通りに除菌治療(3剤除菌療法)を行い、もう一方はこの3剤除菌療法と乳酸菌OLL2716株ヨーグルト(1個90g×1日2回)を、治療を行う前3週間と治療期間中1週間の計4週間食べてもらいました。その後2つのグループを比較したところ、乳酸菌OLL2716株ヨーグルト3剤除菌グループと比較して併用グループの除菌成功率が10%ほど上回る好結果となりました。