ヨーグルトの基礎知識
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東欧のヨーグルト

旧ユーゴスラビアおよび近隣/ チェコとスロバキア / ハンガリー / ブルガリア / ポーランド / ルーマニア

東欧/MAP

旧ユーゴスラビアおよび近隣(マケドニア、クロアチア、セルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ)

旧ユーゴスラビアでは、プレーンヨーグルトを「キセロ・ムレコ」といい、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアでは、「キセラ・バレニカ」といいます。また、毎年10?11月に殺菌して冷却した羊乳を木桶に入れ、スターター(種菌)を加えて1日発酵し、次の日に殺菌乳を継ぎ足し、さらに1週間くらい発酵を続け、ホエーを除いて「ジムネ」という濃縮発酵乳も作られています。この他、山岳地帯で作られる中温性乳酸菌の発酵乳「グルゾビナ」、クロアチアの山村で作られる濃縮発酵乳「バーサ」、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア・モンテネグロでは乳に食塩を加えて発酵させた「スコループ」などがあります。

チェコとスロバキア

この地域も、牧畜や乳業には古い歴史があります。バタースターターを用いた発酵乳には、無脂乳固形分12%、脂肪6%の濃縮サワーミルク、レンネットを併用した蛋白質6%の「アルマ」、ケフィールスターターで発酵した「ケフィールミルク」、ブリンツァチーズを作る時の副産物であるホエーを発酵させたケフィール様飲料「サワージンシカ」などがあります。発酵乳からホエーを除いた濃縮発酵乳は、「トバロー」といいます。

ハンガリー

ヨーグルトのことを「ターホー」といい、14世紀にはすでにこの言葉が使われていました。羊乳を原料としてレンネットを加え、乳酸発酵後にホエーの一部を除いた伝統的な濃縮発酵乳「サス・ティ」やホエーを乳酸菌と酵母で発酵した「ウルダ」などがあります。

ブルガリア

伝統的な発酵乳には、次のようなものがあります。
キセロ・ムリャコ
羊乳、牛乳、水牛乳から作られる、国民の食生活に欠かすことができないヨーグルトです。高温性乳酸菌(培養温度:37?45℃)のブルガリア菌とサーモフィルス菌で発酵します。
ブルガリアンミルク
煮沸した後冷却した羊乳または牛乳にブルガリア菌を接種し、40?45℃で発酵して作る酸味の強い発酵乳です。
ブラノ・ムリャコ
山岳地帯で冬季の蛋白源として利用されてきた発酵乳です。加熱後冷却した羊乳にスターター(種菌)を加え、さらに毎日煮沸して冷却した羊乳を継ぎ足しながら15?20℃で25?30日間発酵を続けて作ります。できた発酵乳の表面を、ひまわり油、バターオイル、溶かしたカシカバルチーズなどで覆って保存します。毎年、9?10月に作られます。
ウルグトニック
バルカンの山岳地帯で、羊乳から作られるヨーグルト類似品です。

ポーランド

東欧の中では、牧畜や乳業の盛んな国です。バタースターターを使った発酵乳やケフィールが多量に作られています。プリンツァチーズを作る時の副産物であるホエーをさらに発酵させたケフィール様飲料「リンチカ」があります。発酵乳からホエーを除いた濃縮発酵乳は「ツボロク」といいます。

ルーマニア

バタースターター使用の発酵乳、ケフィール、アシドフィルスミルクなどが作られています。濃縮発酵乳は、「オキシガラ」といいます。