乳酸菌研究最前線

乳酸菌1073R-1株試験結果(4)

乳酸菌1073R-1株の継続的な摂取がインフルエンザワクチンの効果を高める可能性があることを、ヒトを対象とした研究で確認しました。

今回の研究では、乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトの継続的な摂取が、インフルエンザワクチンを接種した後に体内で作られるインフルエンザウイルスに対する抗体の量(抗体価)に与える影響を調べました。
健康な方にインフルエンザワクチンを接種する3週間前から乳酸菌1073R-1株を使用したドリンクヨーグルトを毎日飲用してもらい、インフルエンザワクチン接種前後に体内で作られたインフルエンザウイルスに対する抗体価を測定しました。

試験での抗体価の推移(A型H1N1、A型H3N2、B型)

18~25歳の男子大学生を対象とした試験

A型(H3N2)
B型
対象
18歳以上25歳以下の男子大学生
人数
40名(18-25歳;平均年齢19.3歳;男性40名)
乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルト群 112ml 1本/日
酸性乳飲料群 112ml 1本/日
期間
ワクチン接種3週間前~ワクチン接種10週間後までの10週間摂取※
※ワクチン接種の5週間後から8週間後は冬休み期間のため試験食品摂取なし。

25歳~59歳の男女を対象とした試験

A型(H1N1)
A型(H3N2)
B型
対象
25歳以上59歳以下の男女で、インフルエンザウイルスに対する抗体価が40倍未満(陰性)の健常人
人数
60名(25-59歳;平均年齢43.6歳;男性24名、女性36名)
乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルト群 112ml 1本/日
酸性乳飲料群 112ml 1本/日
期間
ワクチン接種3週間前~ワクチン接種6週間後までの9週間摂取

その結果、乳酸菌1073R-1株を使用したドリンクヨーグルトを毎日飲用した方は、未発酵の酸性乳飲料(プラセボ)を飲用した方に比べて、18~25歳の男子大学生を対象とした試験ではインフルエンザA型H3N2、B型、25歳~59歳の男女を対象とした試験ではインフルエンザA型H1N1、B型に対する抗体価が高く、通常とは異なる推移を示しました。これは乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトが、インフルエンザワクチン接種後の抗体価をより高めるためのアジュバント(※)として働き、インフルエンザワクチンの効果を高める可能性があるということを明らかにしたといえます。

※ 主剤の有効成分がもつ本来の作用を補助したり増強したり改良する目的で併用される物質