乳酸菌研究最前線

乳酸菌1073R-1株試験結果(4)

乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルトの摂取により、インフルエンザワクチンの効果を高める可能性があることを確認(2012年~2014年実施・18歳以上25歳以下の健常男子大学生/25歳以上59歳以下の健常成人男女を対象としたヒト試験)

今回の研究では、乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルトの継続的な摂取が、インフルエンザワクチンを接種した後に体内で作られるインフルエンザウイルスに対する抗体の量(抗体価)に与える影響を調べました。
健康な方にインフルエンザワクチンを接種する3週間前から乳酸菌1073R-1株を含むドリンクヨーグルトを毎日飲用してもらい、インフルエンザワクチン接種前後に体内で作られたインフルエンザウイルスに対する抗体価を測定しました。

試験での抗体価の推移(A型H1N1、A型H3N2、B型)

18~25歳の男子大学生を対象とした試験

A型(H3N2)
B型
対象
18~25歳の健常男子大学生
人数
40名
乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルト群:112ml/日
酸性乳飲料群(プラセボ群):112ml /日
摂取期間
ワクチン接種3週間前~ワクチン接種10週間後までの10週間(ワクチン接種5~8週間後は冬休み期間のため試験食品摂取なし。)
試験期間
2012~2013年

25歳~59歳の男女を対象とした試験

A型(H1N1)
A型(H3N2)
B型
対象
25~59歳の健常成人男女(インフルエンザウイルス抗体価40倍未満)
人数
60名 (男性24名、女性36名)
乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルト群:112ml/日
酸性乳飲料群(プラセボ群):112ml /日
摂取期間
ワクチン接種3週間前~ワクチン接種6週間後までの9週間
試験期間
2013~2014年

(出典:Hemmi J, et al. Biosci Microbiota Food Health.2023;42(1):73-80.)

その結果、乳酸菌1073R-1株を含むドリンクヨーグルトを毎日飲用した方は、酸性乳飲料(プラセボ)を飲用した方に比べて、18~25歳の男子大学生を対象とした試験ではインフルエンザA型(H3N2)、B型、25歳~59歳の男女を対象とした試験ではインフルエンザA型(H1N1)、B型に対する抗体価が高く、通常とは異なる推移を示しました。これは乳酸菌1073R-1株を含むヨーグルトが、インフルエンザワクチン接種後の抗体価をより高めるためのアジュバント(※)として働き、インフルエンザワクチンの効果を高める可能性があるということを明らかにしたといえます。

※ 主剤の有効成分がもつ本来の作用を補助したり増強したり改良する目的で併用される物質