発酵乳のメリット

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たんぱく質が消化吸収されやすい

発酵乳に含まれるたんぱく質は、一部分がアミノ酸やペプチドのように細かく分解されています。細かく分解されたたんぱく質は腸管で消化されやすく、通常のたんぱく質よりも吸収が容易です。

たんぱく質が消化吸収されやすい

たんぱく質の吸収の仕組み

たんぱく質は、数十から数千個の単位で結合した20種類のアミノ酸によって構成されています。アミノ酸が2~50程度に結合した状態をペプチドと呼びます。
たんぱく質を吸収するためには、消化酵素によってたんぱく質を分解し、アミノ酸や、アミノ酸が2つ結合したジペプチド、3つ結合したトリペプチドまで小さくする必要があります。
そのため、あらかじめたんぱく質が細かく分解されている方が吸収されやすいと考えられます。

たんぱく質の吸収が速いと
どのようなメリットがある?

たんぱく質の摂取によって、筋肉のたんぱく質合成が促進されることが知られています。
乳酸発酵後のたんぱく質は、そうでないたんぱく質よりも吸収が速く、その結果、筋肉のたんぱく質合成を向上させる効果も高まることが報告されています。

ラットに、①脱脂乳、②発酵乳、③酸性化乳(脱脂乳+乳酸)の3種類の試験乳のいずれかを投与し、投与後の血中アミノ酸と骨格筋たんぱく質合成速度を測定しました。

発酵乳投与群の血中アミノ酸濃度が脱脂乳投与群に比べて、30分と60分の時点で有意に高値を示しました(図1)。
この際の骨格筋たんぱく質の合成速度は、発酵乳投与群が脱脂乳投与群と比較して有意に高値を示しました(図2)。

図1
図2

以上のことから発酵乳のたんぱく質の消化吸収は脱脂乳に比べて速く、そのことにより発酵乳が骨格筋たんぱく質合成のために、より有用である可能性が示されました。出典:2018年第72回栄養・食糧学会大会「ラットを用いた発酵乳たんぱく質の吸収性と筋たんぱく質合成作用の検討」
角 公一郎、長田 衣代、芦田 欣也、池上 秀二

カルシウムが吸収されやすい

高齢者は、胃酸分泌量が低下しカルシウム吸収率が低下していると言われています。
体内でカルシウムが不足すると、骨密度の低下を招き、骨折のリスクを高めます。

カルシウムが吸収されやすい

発酵乳はカルシウム吸収率を向上させ
骨密度の低下を抑制する可能性がある

胃酸分泌が低下した状態において、発酵乳を摂取した場合のカルシウム吸収率は、発酵させていないものよりも高く、骨密度の低下を抑制する可能性があることが報告されています。

ラットに通常飼料と発酵乳を摂取させ、正常時と胃酸分泌が低下した際のカルシウム吸収率や骨密度低下の程度について比較試験を行いました。

図3

通常飼料を摂取させたラットのカルシウム吸収率は、正常群に比べて胃酸分泌低下群で有意に低値でした(図3対照)。
発酵乳を摂取させたラットでも、正常群に比べて胃酸分泌低下群でカルシウム吸収率が低下しました(図3発酵乳)。
しかし、通常飼料を摂取させた場合に比べて発酵乳を摂取させた場合の方がカルシウム吸収率の改善がみられました。

図4

この際の骨密度は、通常飼料を摂取させたラットにおいて、正常群よりも胃酸分泌低下群で有意に低値でした(図4対照)。
しかし、発酵乳を摂取させたラットでは、正常群と胃酸分泌低下群で有意な差は見られませんでした(図4発酵乳)。

以上のことから、胃酸分泌が低下した状態において、発酵乳摂取はカルシウムの吸収を改善させ、骨密度の低下を抑制する可能性が示されました。出典:平成24年度日本酪農科学会奨励賞 受賞記念総説ミルクサイエンス61巻3号P229~237「乳・乳製品摂取が骨代謝に及ぼす影響」高杉 諭

カルシウムの大切さ

高齢者が要介護になる要因の一つが骨折です。
骨の重要な構成成分であるカルシウムが不足すると骨密度の低下を招き、骨折のリスクを高めます。
カルシウム摂取量を増やすことが予防の一つと考えられており、カルシウムが吸収されやすい状態で含まれる発酵乳は、おすすめの食品です。

カルシウムの大切さ

腸内環境を改善する

発酵乳を摂取すると、含まれる乳酸菌の働きにより腸内環境が改善されます。腸内環境が改善することで、便通改善など健康への様々なメリットが期待されます。

腸内環境を改善する

乳酸菌は生きていなくても効果がある

発酵乳から取り入れた乳酸菌は、活躍の場である腸に到達する前に胃酸などによって死んでしまうこともあります。しかし、乳酸菌は生きていても死んでいても様々な効果を示します。生きた乳酸菌による腸での働きだけでなく、乳酸菌自体や乳酸発酵生成物が、私たちにとって有用であることが分かっています。

乳酸菌は生きていなくても効果がある

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