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メチニコフ(2)ブルガリア菌の発見者グリゴロフとの出会いメチニコフは腸内細菌と食べ物との関係に興味をもっていました。1905年のある日、ジュネーブ大学医学部で細菌学の講座を開いていたグリゴロフという学生がブルガリアヨーグルトの中から数種類の乳酸菌を発見し、これがブルガリア人の長寿の一端を担っていることを明らかにしたのです。彼は早速、グリゴロフをパスツール研究所に招き講演を依頼します。それをきっかけに腸内細菌をさらに調べ始める中で、彼は腸内にはインドールやフェノールなど有害な物質を作る腐敗菌もいて、これが自家中毒だけでなく動脈硬化なども起こしていることを動物実験で確かめたのです。 また、腐敗菌はアルカリ性の環境を好み、弱酸性の環境には住みつけないことも知りました。これで、ヨーグルトはその乳酸菌の働きにより弱酸性を保ち、腐敗菌の増殖を防ぐために有効であると考えました。 ヨーグルト不老長寿説を発表
腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やすには、人の消化酵素では消化されない糖や食物繊維が必要であり、これらを「ビフィズス因子」と呼ぶようになったのは最近ですが、メチニコフは100年も前に確かめていたのです。 100年早過ぎたメチニコフの理論1916年、メチニコフは71歳で死去します。彼は病の床でこういっています。「私がブルガリアヨーグルトの素晴らしさに気づいて食べ始めたのは53歳の時からで残念ながら遅すぎた。もっと早くから食べていればもっと長生きできたはずなのに」と。 *4:楽観論者のエッセイ(不老長寿論)
原題は「老化、長寿、自然死に関する楽観論者のエチュード」。日本では1912年に「不老長寿論」として翻訳出版されています。 |