腸内細菌の働きに注目
1845年、ウクライナで生まれたメチニコフは、地元の大学で原生生物の研究を始め、その優れた研究成果からヨーロッパ各地の大学、研究機関に招聘され、動物、食細胞学者として高い評価を得ていきます。 老化は腸内腐敗による自家中毒メチニコフは、老化とは組織を構成している細胞が衰弱したために食細胞の餌食になってしまう現象であると考えました。腸内にある腐敗菌が出す毒素による慢性中毒がその老化の原因と捉えたのです。 自らブルガリアヨーグルトによる食事療法をしかし、不用だから切断するわけにはいきません。そこで、腐敗を防ぐには、ヨーグルトの中に含まれる乳酸菌により腐敗菌*3の働きを抑えればいいと考え、長寿者が多いことで知られるブルガリアのヨーグルトを自らが摂る食事療法を始めました。その際、腸内に有害な菌を送り込まないようにするため、生のものはできるだけ食べないことも合わせて行い、亡くなるまで続けました。 【注釈】
*1:プロバイオティクス(Probiotics)
この言葉が一躍重要な意味を持ち始めたのは、1969年にイギリスで、家畜の生産性を高めるために抗生物質を飼料に添加するのは止めようというあるレポートが出されたのがきっかけでした。
*3:腐敗菌 腸の中でタンパク質を分解して、アンモニア、硫化水素、アミン、インドール、フェノールなどの有害または腐敗物質を作ります。これらは悪臭があり、糞便の臭いの原因になっています。また、発がん物質の原料となったり、ガンを助長する作用があることもわかっています。下痢や腸炎を起こす細菌もすべて腐敗菌です。 |