ヨーグルトの水分を切ってクリーム状にした水切りヨーグルト。
なめらかな舌ざわりが特長ですが、食感や味わいにどのような変化があるのでしょうか?
プレーンヨーグルトと比較して数値化しました。
ヨーグルトに含まれる水分を切った水切りヨーグルト。水分が抜けてクリーム状に変化した水切りヨーグルトは、クリームチーズのようななめらかな食感に変わります。では、通常のプレーンヨーグルトと比較すると、どのような食感・味わいになるのでしょうか。食品の「味」を数値化する味覚センサーを通して測定することにしました。用意したのはプレーンヨーグルトの水を切り、約2倍濃縮した水切りヨーグルト(以下、水切りヨーグルト)です。
水切りヨーグルトの測定値をプレーンヨーグルトと比べると、まず口に入れた時の先味の「酸味・キレ」の差はほぼありませんでした。プレーンヨーグルトの特徴である「爽やかな酸味」は水切りヨーグルトでもそのままなことがわかります。
大きな味わいの差は後味に表れました。プレーンヨーグルトを基準値としたとき、「まろやかな余韻」は4.44ポイント、「コクの余韻」は9.72ポイントも上回りました。1ポイントが濃度差約20%あり、これは大多数の人間が異なる味わいと感じる濃度差であることから、大きな違いです。
※株式会社明治調べ
次に100gあたりの主な栄養成分を比較しました。
栄養成分(100gあたり)
タンパク質がプレーンヨーグルト3.4gに対し、水切りヨーグルト6.5g。コクのもととなる脂質もプレーンヨーグルト3.0gに対し、水切りヨーグルト6.1gとなりました。
ヨーグルトは水切りによって濃縮し、タンパク質と脂質の割合が高まります。その結果、ヨーグルト本来の爽やかな酸味はそのまま残しつつも、「まろやかな余韻」や「コクの余韻」が増したと考えられます。その食感と味わいを生かせば、ヨーグルトの料理への利用法も大きく広がります。まずはクリームチーズの代わりにカナッペやトーストなどにのせてみては。分離した水分はホエーといって乳由来のカルシウムが豊富なため、捨てずに活用しましょう。