生活習慣病を予防する効果があり、1日1g以上、魚に加算すると1日約90g以上の摂取が推奨されている※DHAやEPA。
これらが豊富な魚をたっぷり食べられるよう、ヨーグルトで魚特有の臭みを消す実験をしてみました。
※厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2010年版)より
魚の生臭さの主な成分は「トリメチルアミン」と呼ばれるアルカリ性の化学成分です。濃度が高くなるとアンモニアのような臭気を発し、悪臭防止法の規制対象にもなっています。魚肉の成分が分解されて発生すると考えられ、鮮度の目安にもなります。
そこでこのトリメチルアミンの量からヨーグルトの臭み除去効果を検証します。
用意した試料は4つ。
■サバ
・対照切り身
・ブルガリアヨーグルトLB81プレーンに漬けた切り身
(魚とヨーグルトの割合はそれぞれ3:5)
■ブリ
・対照切り身
・ブルガリアヨーグルトLB81プレーンに漬けた切り身
(魚とヨーグルトの割合はそれぞれ3:5)
いずれもポリ袋に入れて1晩、4℃の冷蔵庫内で放置しました。
その後、ガスコンロの魚焼きグリルで加熱。サバは皮目5分+返して2分、ブリは皮目5分と、適度な焦げめがつくまで焼きました。
焼いた試料から皮および焦げた部分を除き、ラップに包んで棒で叩きほぐします。こうして均一化した後、0.5gずつ採取してトリメチルアミン量を比較しました。
すると、ヨーグルトに漬けていない試料を1とした場合、ヨーグルトに漬けた試料のトリメチルアミン量は、サバが0.3、ブリが0.4と測定されました。
※株式会社明治調べ
ヨーグルトに漬けることによって、魚の生臭さの指標になるトリメチルアミンの減少がみられました。トリメチルアミンがアルカリ性のため、酸性のヨーグルトに吸着して減少したと考えられます。これは魚をヨーグルトに漬けると臭みがなくなり、食べやすくなるということです。魚が苦手な人にはヨーグルトに漬けてから調理してあげるとよいでしょう。
魚に含まれるEPAは動脈硬化や心疾患の予防に、DHAは脳や神経の発育や機能維持に不可欠といわれています。ひと手間かけて、大切な健康成分を積極的に摂りたいですね。