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わたしと生理

初経を迎えたら身につけたい「10代からの月経セルフケア」術

取材・文/福島安紀  撮影/齋藤暁経  図版/増田真一  編集/降旗正子(Paradise Lost)  企画・構成/日経BP 総合研究所

 「生理は痛いものよ」。初経を迎え、月経痛を訴える娘に、そんなアドバイスをしたことはないでしょうか。NPO法人日本子宮内膜症啓発会議が女子中高生を対象に2016年に実施した調査では、8割もの女子生徒が「月経に関して、勉強や運動に影響するほどの体の不調がある」と回答し、半数以上の生徒が月経痛を我慢していることがわかっています。初経からしばらくは月経が不順であったり、月経量も周期によってまちまちになったりするなど、10代ならではの特徴もあります。10代から親娘で知っておきたい月経との付き合い方やセルフケア法について、小中高生への性教育にも力を入れる、聖順会ジュノ・ヴェスタ クリニック八田院長の八田真理子さんが解説します。

 現代の女子は、早い場合には小学校4~5年生、平均的には12歳くらいで初経を迎えています。まずは親娘で、医学的に「正常」とされる月経周期や期間、月経血量を確認しておきましょう。

正常な月経の目安

(出典:「産婦人科診療ガイドライン2020」日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会 を基に一部改変)

 ただ10代の場合、これらの目安にあまり神経質になる必要はありません。

 「初経から2年くらいはホルモンバランスが不安定なので月経不順になりやすく、『正常な月経の目安』に当てはまらないことがしばしばあります。中学生で約4割、高校生では2~3割が月経不順ですが、高校を卒業する頃には多くの人で周期と期間が安定します。10代のうちは、子宮が未発達で経血の出口である子宮口も狭いので、出血時に痛みも生じやすいのが特徴です」と聖順会ジュノ・ヴェスタ クリニック八田院長の八田真理子さんは説明します。

 実際に、月経痛などの月経トラブルを抱えている中高生は少なくありません。冒頭でも紹介したように、日本子宮内膜症啓発会議が2016年にスポーツ庁の委託事業として、千葉県内の女子中高生608人を対象に実施した調査では、約8割の女子生徒が「月経に関して、勉強や運動に影響するほどの体の不調がある」と回答しました。

 また、月経痛が勉強や運動に影響している女子生徒のうち、43%が「我慢している」、35%が「薬で我慢している」、15%が「勉強・体育がつらい」、5%が「横になる」とし、「1日寝込む」(2%)と答えた生徒もいました。中高生の間では、月経トラブルは我慢するのが多数派ということがわかります。

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月経になりそうと感じたら、鎮痛薬で発痛物質の分泌をブロック

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