Femlink Lab.(フェムリンクラボ)

人には話しにくい月経の悩みも“モノ”を間に置くと会話ができる

 月経のつらさや悩みは、なかなか人に話せないもの。それが“モノ”を間に置くと、不思議と話しやすくなるといいます。

 「例えば吸水ショーツを見て『どうやって吸水するの?』とか、月経カップを手に取って『どうやって使うの?』など、プロダクトについて話しているうちに自然と自分自身の月経のことも話せるようになるケースが多いのです。また、ショーツにはレース付きのものからボクサータイプまでデザインの選択肢もありますから、『私はこっちがいい』などと楽しく会話がはずむことも。月経について人に話すのは恥ずかしいと思っていた方も、モノが“共通言語”になることでオープンに語り合うことができるようになるのです。口に出して話すことで月経に対して抱いていた“モヤモヤ”が言語化され、みんなで共有できるようにもなります

 モノを介することで、それまでタブー視されてきた月経を語ることの壁を軽々と越えてしまう。これもフェムテックの効用といえそうです。もっとも、Aminaさんによると「日本は意外にオープン。戒律などが厳しい一神教の国に比べると、女性の体に関する社会のタブーの根が深くないという見方もできると思います」とのこと。

女性が自分の体を知るきっかけになるのも「フェムテック効果」のひとつ

 もうひとつ、フェムテックの重要な効用は自分の体を知るきっかけになることだといいます。Aminaさんはショップを訪れたお客さまに「ご自分の経血量がどのくらいか、知っていますか?」とよく聞くそうです。

 「99%の方は『知らない』と答えます。多い日、少ない日という感覚はあっても、量まではなかなかわからないですよね。でも、例えば月経カップを使うと、カップにたまった経血を見て量がわかります。また、もし吸水量の多い生理用品を併用しても漏れてしまうほど経血量が多いなら、何かの病気が隠れているのかもしれません。フェムテックに関心を持ったり、実際に使ったりすることで、自分の体を知るきっかけになります。本当はみんな、自分の体のことをもっと知りたいんですよね。フェムテックは、そのチャンスを与えてくれます

2021年10月に開催された「Femtech Fes! 2021」。3日間で約1,500名が来場した。実際に商品を手に取って会話がはずむ。(写真提供:フェルマータ)

次ページ

新しい商品だからこそ、消費者の安全を守るための規制は重要

SHARE

KEYWORDS