職場では、周囲の目が気になって生理休暇を利用できず。同性の態度を厳しく感じる傾向も
月経のつらさは、仕事や人間関係など社会生活を送るうえにも影響を及ぼします。調査では、職場のサポート制度の有無と利用状況についても尋ねましたが、ここでも月経に対するネガティブな意識が垣間見える結果となりました。
職場に生理休暇などのサポート制度がある人は27%いましたが、その制度を利用している人は全体の8%のみでした。そこで「(生理休暇などの)制度があるが利用したことはない」という人に利用しない理由を聞いたところ、最多は「周囲に使っている人がいないので使いにくい」(40%)、続いて「男性上司に恥ずかしくて言えない、月経だと知られたくない」(32%)との回答。周りの目を気にして、せっかくの制度を活用できていない女性が少なくないという現実が見えてきました(下グラフ)。
また、「上司がいい顔をしない(無言の圧力がある)」「同僚がいい顔をしない」などの回答も。ここでは男性の上司・同僚より女性の上司・同僚のほうが「いい顔をしない」と感じている人が多いという結果でした。異性よりむしろ同性の態度を厳しいと感じる傾向があるようです。
職場の制度を利用しないのは「使っている人がいないから」が最多

「同性の態度を厳しいと感じる、というのは以前から指摘されてきたことです。同じ女性でも月経痛がない人、軽い人、重い人と症状の程度はさまざま。月経痛がない人は重い人のことが理解しづらいですし、多少症状がある人も自分はなんとか我慢してきたのだからと考えがちです。一方、男性はそのあたりがまったくわからないので、かえって『それは大変だね』などと、むしろ素直に受け入れる対応になりやすいのかもしれません」(百枝さん)
月経中は、痛みがひどいと仕事や学業にもなかなか集中できませんし、経血量が多いとトイレに行く回数も増えます。また月経前にはイライラや眠気、だるさなどPMSの症状に悩まされる人も。そんなとき気になるのが、周囲の目です。
調査では、職場や学校などで月経随伴症状による自身の態度や行動の変化について周囲からの評価で不安になることが、「よくある」が13%、「ときどきある」が32%で、半数近い人が周囲の評価を気にしていることがわかりました(下グラフ)。
周りからの評価に不安を感じている人が約半数

さらに不安の中身について聞いたところ、「さぼっている・怠け者と思われてしまう」が42%でトップ。次に「扱いにくい人と思われてしまう」(34%)、「自己管理能力が低いと思われてしまう」(27%)、「性格が悪いと思われてしまう」(26%)、「生活が乱れていると思われてしまう」(24%)、「メンタルヘルスに問題があると思われてしまう」(24%)などが続きました(下グラフ)。“扱いにくい”“性格が悪い”“メンタルヘルスに問題”などは、主にPMSによる情緒不安など精神的な症状を気にしているものと推察されます。
不調時は、周囲から「さぼっている・怠け者」と思われないか不安
