季節の変わり目・体調で肌が荒れがち。原因と対策を知ってすべすべ肌に

知る 2019.08.06

日々の肌のコンディションは気になるもの。
特に女性にとって顔周りの肌の状態は、その日の気分を左右する事もあります。
やはりツヤ・ハリがあり吹き出物などのない肌の日は、おしゃれをして出かけたくなりますし、自分に自信が湧いてくるのではないでしょうか。
できるだけ綺麗な肌を保っていきたいですよね。

しかし肌の状態というのは、毎日の生活習慣・季節の変わり目・体調などに大きく影響されます。また、肌を守るためのスキンケアが逆に肌荒れの原因になっている事も。
そこで今回は、肌荒れの原因や対策についてご紹介します。

こんな症状は肌荒れかも

肌荒れにもさまざまな症状があります。
鏡で自分の肌にどのような症状が出ているか確認しながら見てみてください。

赤みがある

肌に赤みがある場合、炎症が起こっている可能性があります。
乾燥やお化粧品かぶれで肌のバリア機能が低下していたりすると、外からの刺激を受けやすくなってしまいます。
刺激をうけると、体の中の免疫機能が働き、皮膚の下にある毛細血管が広がることで赤みを呈します。

かゆみがある

かゆみは、肌の乾燥によるバリア機能の低下や紫外線・花粉・金属・化粧品などの外的刺激により、免疫機能が働いてヒスタミンといった神経伝達物質が分泌されます。
これがかゆみを引き起こしてしまうのですが、かゆいからといって掻きむしってしまうと肌が荒れ、さらに炎症やかゆみを引き起こすという悪循環に陥ってしまいます。

吹き出物ができる

顔にできる吹き出物はすごく気になりますよね。
赤く腫脹したもの(赤ニキビ)から中に膿が溜まってしまったもの、毛穴に詰まった皮脂が外気にふれて黒ずんでしまった黒ニキビなどがあります。
なかなか吹き出物が治らず悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

乾燥してカサつく、ザラつく

肌が乾燥していると、肌のターンオーバーがうまくいかず角質が厚くなったり、表面の皮がめくれたりしてしまいます。
その状態が続くと肌のバリア機能が低下し、さらに乾燥してしまうという悪循環に。

肌荒れしやすい場所

主に肌荒れしやすい場所として、額・鼻・顎のいわゆるTゾーン口周りが挙げられます。

肌荒れの原因とは

さて、赤みや吹き出物のような肌荒れの原因にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

紫外線

紫外線は肌トラブルや老化に大きく関わっています。
もちろん、太陽の光を浴びる事で体内のビタミンDが増えたり、体内時計を整えたりしてくれるといった嬉しい効果もあります。
ただし、紫外線の浴びすぎはさまざまなトラブルを引き起こしてしまうため注意が必要です。

紫外線=シミと考える方も多いかもしれませんが、それ以外にも肌のハリ・水分保持力の低下、赤み・炎症・乾燥につながります。
紫外線はその強さは変わってきますが一年中降り注いでいますので、紫外線対策は夏以外でも行いましょう

乾燥

どこにいっても暖房やエアコンが効いており快適に過ごす事ができますが、湿度が低下して肌が乾燥しやすい環境になっている事もあります。
また、スキンケアをしないまま寝てしまったり、夏場は肌がベタついているからと化粧水のみで済ませてしまう人も。
そのような環境や生活習慣の積み重ねで、肌のキメが荒くなり水分が失われてしまうのです。
仕事や家事で忙しく疲れている時にスキンケアが面倒だと感じる事もありますが、肌トラブルを減らし健康的で綺麗な肌を保つため、自分の肌に一手間かけてあげましょう。

間違ったスキンケア

「乾燥しているから一生懸命保湿しよう。」とスキンケアを行う際にゴシゴシとこする方がいらっしゃいますが、肌の表面がこすれてしまい逆に肌のバリア機能低下・乾燥につながる事もあります。
肌の潤いや清潔を保つ事は非常に大切です。
しかし、洗顔のしすぎやクレンジング時にゴシゴシこする・化粧水をパッティングで浸透させようとするなどの行為が肌に負担をかけていることも。
自分のスキンケアの方法を今一度見直してみるのも良いかもしれません。

不規則な生活

仕事や家事で忙しく生活のリズムが不規則であったり、過度なダイエット偏った食事が続いたりすると肌荒れの原因になってしまいます。
また、パソコン・スマートフォンの普及によりSNSや動画など夜にブルーライトを浴びてしまうことで睡眠の質は低下。
それにより、自律神経のバランスが崩れてしまうのも原因の一つです。
また、睡眠不足は食欲をアップさせてしまうホルモンが増えてしまうため、暴飲暴食し腸内環境の悪化・肌荒れを引き起こす可能性もあります。

内臓の不調

内臓、特に腸内環境は肌の状態に影響してきます。
腸内環境が悪く便秘がちになると肌荒れが起こりやすく、逆に腸内細菌のバランスが良くお通じもしっかりとある時は肌の調子も良い事が多いです。

ホルモンバランスの乱れ

女性には生理周期があり、その時期によって肌荒れが起こりやすくなる事も。
また、生理周期だけでなく食生活や生活習慣でもホルモンバランスが乱れ肌荒れにつながる事もあります。

肌荒れ対策をするには

肌荒れ対策をしている10~70代の男女100名にアンケートしたところによると、洗顔は約80%が行っていました
同じスキンケアでも、化粧水と乳液で保湿ケアをしているのは60%弱にとどまり、さらにパックや美容液まで取り入れているのは30%程度です。

エステに通っているのは意外と少なく、約8%でした。むしろサプリメントを利用している人のほうが、約23%と多めです。他にも医薬品を利用したり、デトックスをしたりする人もいました。

生活習慣の中では「睡眠を大事にしている」という回答が多く、肌荒れ対策になると実感しているのがうかがえます。
また、日焼けに気をつけて「紫外線の影響や乾燥を防ぐ」のにも熱心に取り組んでいました。やはり原因から遠ざけるのが一番の対策になるようです。
肌に良い食べ物を摂取する」という回答も9%近くあり、内面外面それぞれからできる対策をおこなっていることが伺えます。

一方で「スキンケア以外の肌荒れ対策はしない」という回答も30%近くありました。
紫外線や乾燥による肌のダメージは、早めの修復が肝心ですから、本当に正しい洗顔や保湿ができているか、見直したいところです。

それでは、肌荒れを起こさないためには実際にどのような対策を行えば良いのでしょうか。

スキンケア

まずは、スキンケアです。
クレンジングでメイクを落としますが、十分な量を使ってください。
少ない量で落とそうとすると、摩擦が大きくなってしまい肌に負担をかける事になります。
また、口紅やアイメイクは専用リムーバーを使用するのもオススメです。
丁寧に優しくクレンジングとメイクをなじませて、洗い流しましょう。
洗顔は、しっかりと泡立てて泡で肌を洗うイメージです。

洗い流す際は、髪の生え際や眉にクレンジング剤や洗顔料が残ってしまうと肌トラブルの原因につながる事もあるため、丁寧に洗い流してください。
洗顔後は皮脂も洗い流している状態ですので、非常に乾燥しやすいです。
時間をおかず、すぐに化粧水をつけましょう。
手のひら全体で化粧水をなじませますが、この時もタッピングやゴシゴシこするなどはせず、優しく保湿してください。

乾燥が気になるところは重ねてつけるのも良いでしょう。
保湿は化粧水だけだと水分が蒸発してしまいます。
化粧水後は油分のあるクリームなどで水分の蒸発を防いであげましょう。

メイク

メイクをする時に使っているブラシやスポンジ、「ずっと洗っていない。」「最後いつ替えたか覚えていない。」という方も多いのではないでしょうか。
知らない間に雑菌が繁殖し、それが吹き出物やかゆみの原因になっている事も。
清潔な状態で使用するよう心がけましょう。

生活習慣の改善

忙しいなかで生活習慣を規則正しくするのは難しいかもしれません。
そのため、できることから少しずつ取り組むことがオススメです。
夜、布団に入って遅くまでスマホを見ているのであれば、布団に持ち込まないことから始めるのも良いでしょう。

寝ている間に傷ついた細胞を修復してくれるホルモンが分泌されるため、しっかりと睡眠時間をとることで肌荒れの改善にもつながります。
また、適度な運動はストレス解消や腸内環境の改善も期待できますので取り入れてみてはいかがでしょうか。

食生活の見直し

体は普段の食事から作られています。
同じカロリーを摂取していても、高脂質・高炭水化物でビタミンやミネラル・食物繊維があまり含まれていない食事をとっているか、バランスよく良質なオイルやたんぱく質・ビタミンなどを取れているかによって肌の状態は大きく異なります。

先のアンケートで、「肌に良い食べ物を摂取する」と答えた方に具体的にどんな食べ物かを聞いたところ、

  • ビタミンが多く含まれた果物
  • 野菜
  • コラーゲンが含まれるもの
  • ヨーグルト

などが挙げられています。

ファストフードやジャンクフードは手軽に食べることができ美味しいのですが、そればかりになってしまうと体や肌を健康に保つ栄養素が不足してしまいます。新鮮な魚や肉・野菜を意識して摂取すると良いでしょう。

肌荒れにはバランスのとれた食生活を

腸内環境を整える

腸内環境の悪化が肌に影響を及ぼすと先述しました。
腸内環境を整えるためには、腸内の菌の多様性が重要です。意識して発酵食品(ヨーグルト・チーズ・漬物・納豆など)を摂取しましょう。
また、腸内細菌は食物繊維をエサにしています。野菜や海藻・フルーツなども同時に取っていきたいですね。

すすんで取り入れたい栄養

たんぱく質

たんぱく質は、皮膚や髪の毛・筋肉などを作る重要な栄養素です。
ダイエットのため野菜中心の生活をしていたり、炭水化物・脂質メインの食事だとたんぱく質が不足していることがあります。
肉・魚・大豆・乳製品などからしっかり食事に取り入れましょう。

特に、魚にはたんぱく質の他にオメガ3などの良質な油が含まれており、体・肌の炎症の改善に効果があると研究結果からわかってきました。
肉だけでなく、さまざまな食材からバランスよく摂取したいですね。

ビタミンC

ビタミンCは抗酸化作用や、コラーゲン繊維を作る際に使われる重要な栄養素です。
一度にたくさん取ったとしても、余剰分は排出されてしまいます。
毎日の食事でコツコツ摂取していきましょう。

ビタミンB

吹き出物が気になる方は、皮脂をコントロールしたり肌のターンオーバーを促してくれるビタミンBを摂取しましょう。
納豆・卵・豚肉・ウナギなどに含まれています。
また、吹き出物にはビタミンEや食物繊維の摂取もオススメです。

アンケートでは、野菜や果物、コラーゲンを含んでいる食べ物が人気でしたが、たんぱく質やビタミンBを豊富に含む食べ物にも着目したいですね。サプリメントだけでなく、食事からも摂取しましょう。

まとめ

今回は、肌荒れの原因とその対処法についてお話してきました。
普段の生活や食事を見直し、体そして肌が健康的になってくると、自信がついたりイライラやウツが改善したりとメンタル面にも嬉しい効果があります。
原因ごとに対策をしっかり行い、自信に満ちた毎日を送れるようになりたいですね。

【監修】鼻岡佳子

鼻岡けいこ皮フ科クリニック(広島県)院長。開院まで20年弱、県内外の大学病院や総合病院の医師としてアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、皮膚癌、小児皮膚科治療、美容皮膚科治療など幅広い年代の皮膚疾患・皮膚科治療に携わる。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・指導医。日本皮膚科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医。日本抗加齢医学会専門医。

このページをシェアする

  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブログ
ページの先頭へ移動