Femlink Lab.(フェムリンクラボ)

フェムテック・
フェムケアについて

どんどん広がりを見せる、フェムテックやフェムケア。
女性のからだ特有の健康課題を、テクノロジーを使って解決する『フェムテック』、デジタル以外の方法でケアする『フェムケア』は、自分らしい毎日を過ごすために知っておきたい選択肢です。
ここでは、フェムケア・フェムテックから医療まで、生理・PMSの悩み解消につながるヒントをご紹介します。

食べ物・栄養

食べ物・栄養

薬だけでなく、栄養でも⽣理に伴う不調の軽減効果が明らかになっています。どんな栄養成分や⾷材が効果的なのかを⾒てみましょう。

生理痛・PMSの軽減が
期待できる栄養成分

α-LA(アルファ-ラクトアルブミン)
注目!

注目!

α-LAは牛乳や母乳に含まれる乳たんぱく質の一種。生理痛の痛みの元となるプロスタグランジンの過剰分泌を抑える働きがあり、痛みを軽減します。
また、生理前の倦怠感・めまいや生理中の物忘れ症状の軽減も確認されています。
α-LAはセロトニンの材料となるトリプトファンが豊富に含まれています。セロトニンを増やして心の不調を減らす可能性も研究報告されています。

おすすめ食材牛乳、プレーンヨーグルトのホエイ

EPA、DHA

EPA、DHAなど魚油に多く含まれるn-3 系脂肪酸という油を摂取すると、下腹部痛、腰痛など月経困難症の症状軽減に繋がります。

おすすめ食材サバ・サンマ・イワシなどの青魚

カルシウム

カルシウムには脳神経の興奮を抑える働きがあり、カルシウムの摂取で生理痛やPMSの精神症状が抑えられることがわかっています。

おすすめ食材乳製品、小松菜、魚

亜鉛

亜鉛には、PMSの精神症状・頭痛や乳房痛などの身体症状を減らす効果だけでなく、月経困難症の軽減にも効果的であることが報告されています。

おすすめ食材牡蠣などの魚介類・牛肉・豚肉・ココア

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンのバランスを調整し、PMSの身体症状を緩和してくれます。

おすすめ食材納豆・豆乳・豆腐などの大豆製品

ビタミンD

カルシウムの吸収にも欠かせないビタミンDは、不足するとPMSの精神症状が出やすいため、積極的に摂りたい栄養です。
ビタミンDを増やすには、食べものから摂る方法と、日光を浴びて皮膚で合成を促す方法があります。

おすすめ食材きのこ類・鮭・牛のレバー・卵黄など

また、生理痛の予防のために、からだを温める効果や血行促進に役立つ食材を意識して選ぶことも大切。
例えば、にんにく・にら・生姜・長ネギには、からだを温める効果が期待できるにおいや辛み成分が、アボカド・カボチャ・アーモンドなどのナッツ類・うなぎには血行促進に役立つビタミンEが、多く含まれています。また、朝ごはんにたんぱく質をとることでも、からだが温まります。

フェムケアとして食べもの(栄養)を選ぶことは、ライフスタイルに取り入れやすいケア方法の一つとして、世の中に広がってきています。

記事制作・協力/日経BP 総合研究所 メディカル・ヘルスラボ
IT

IT

生理やPMSの悩みは十人十色。まずは自分のからだと向き合うことが大切です。
フェムテックの先駆けである月経管理アプリは、いまや当たり前のアイテムになりつつあります。月経を管理することで、次の生理や排卵日予定に合わせた、自分らしい過ごしかたを計画できるでしょう。
さらに、ピルのオンライン処方や飲み忘れを防止するデバイスなど、ITを活用した生理・PMSのケアは発展し続けています。

医療・薬

医療・薬

⽣理不順や、⽣理痛・PMSが気になったときは、我慢せずに医療機関の受診をお勧めします。
検査をはじめ、諸症状に対処する薬や低容量ピル、漢⽅薬の処⽅など、適切な治療を受けることができます。
「⾃分だけかもしれない」「治療するほどではないかもしれない」と婦⼈科を敬遠する声も聴きますが、不安なことがあれば、まずは医師へ相談してみるのもよいでしょう。
最近では、⽉経管理アプリと連携した診療や、オンラインで診療・ピルの処⽅を受けられるサービスなど、医療分野にもフェムテックが広がってきています。

また、ドラッグストアや薬局で購⼊できる市販薬も、⽣理痛やPMSを緩和する1つの⽅法です。
薬の飲み合わせに注意しないといけない場合もあるため、購⼊の際は薬剤師によく相談しましょう。

アイテム

アイテム

フェムケアの代表ともいえる、吸⽔ショーツや布製ライナー、⽉経カップといったアイテムで、⽣理⽤品の選択肢はぐんと広がりました。
⾃分に合った⽣理⽤品を使うことは、⽣理中の不快感やストレスの軽減につながります。従来の⽣理⽤品から新しいアイテムまで、ぜひ⾃分に合うものを⾒つけてみてください。
また、デリケート時期のバストをケアするブラなど、⽣理⽤品以外のフェムケアアイテムも登場してきています。
不快感の少ない⽣理期間を過ごすためのアイテムを、意識して選んでみませんか。

スキンケア

スキンケア

⽣理前や⽣理中の肌はとても敏感です。特にデリケートゾーンの肌に悩みを持つひとは少なくありません。
⽣理に伴う不快なかゆみや、乾燥やくすみといった悩みを軽減する、デリケートゾーン専⽤のスキンケアアイテムが増えてきました。
さらに、⽣理周期に合わせたフェイスマスクや化粧⽔など、美容⾯におけるフェムケアアイテムが注⽬されはじめています。

魚油(n-3系脂肪酸)で
月経困難症が軽減

月経困難症の女性(15〜18歳)37人を2群に分け、最初に魚油サプリ、その後魚油を含まないサプリ(プラセボ)の群と、最初にプラセボ、その後魚油サプリの群で、それぞれ2カ月ずつ摂取。魚油サプリ摂取中は、月経困難症の症状スコアが両群平均で69.9から44.0に低下した。

データ:Am J Obstet Gynecol. 1996 Apr;174(4):1335-1338.

カルシウム摂取が月経痛と
PMSを改善

20〜23歳の女子学生24人のうち、PMSのある10人がカルシウムサプリ1日600㎎を1カ月摂取したところ、月経期と黄体期の痛みや精神症状がカルシウム摂取前より有意に少なくなった。

データ:名古屋女子大学紀要第51号(家・自);45〜51, 2005

亜鉛はPMSの身体症状と
精神症状を共に改善

18〜30歳の⼥性60⼈を2群に分け、亜鉛サプリ(グルコン酸亜鉛)1⽇30㎎か、亜鉛を含まないサプリ(プラセボ)を12週間摂取。PMSの⾝体症状、精神症状とも、亜鉛摂取群で明らかに軽減した。

データ: Biol Trace Elem Res. 2020 Mar;194(1):89-95.

大豆イソフラボンでPMSの身体症状が
半分以下に軽減

PMSがある18~35歳の女性23人が、1日68㎎の大豆イソフラボンを7周期(月経7回)摂取。その結果大豆イソフラボンを含まないプラセボをとった人に比べ、頭痛や乳房の張りなどの身体症状が軽くなった。

データ:Br J Nutr. 2005 May;93(5):731-739.

α-LAを摂取すると
月経中の倦怠感と下腹部痛が軽減

月経に伴う症状のある女性(25~39歳)55人を2群に分け、月経周期として約1周期分の期間にα-LA900mgを含むカプセルか、α-LAなを含まないカプセル(プラセボ)のいずれかを摂取。1周期を開けた後、先とは異なる種類のカプセルを摂取。α-LA摂取期には、月経随伴症状を見るMDQの身体的症状スコアが低下した。

データ: 薬理と治療 48 (8); 1409-1427, 2020

α-LAの抗ストレス効果

高ストレスの大学生23人と低ストレスの大学生29人がα-LAを含まない食品(プラセボ)、またはα-LAを含む食品を摂取し、認知機能テストを実施。α-LA強化食摂取後は高ストレス群でストレスが減り、認知機能テストの反応時間が改善した。

データ: Am J Clin Nutr. 2002 Jun; 75(6):1051-1056.