乳酸菌研究最前線

HbA1cに関する乳酸菌OLL2712株試験結果

糖尿病予備群の健常成人を対象としたヒト試験を実施し、以下の結果が確認できました。

(1)乳酸菌OLL2712株を含むヨーグルト群・乳酸菌OLL2712株を含まないヨーグルト群(プラセボヨーグルト群)ともに、摂取前と比較して、12週間後にHbA1cが有意に低下しましたが、乳酸菌OLL2712株を含むヨーグルト群の方がより低下幅が大きく、プラセボヨーグルト群と比較しても有意にHbA1cが低下しました(図1)。

(2)摂取前と比較して、12週間後にプラセボヨーグルト群ではインスリン抵抗性指標(HOMA-IR)の有意な増加が認められましたが、乳酸菌OLL2712株を含むヨーグルト群ではHOMA-IRが増加せず、正常に維持されました(図2)。

図1. HbA1cの変化量
図1. HbA1cの変化量
図2. インスリン抵抗性指標の変化量
図2. インスリン抵抗性指標の変化量
対象 HbA1c 5.6%~6.4% かつ 空腹時血糖値 100mg/dL~125mg/dLの20~64歳の健常成人 人数 乳酸菌OLL2712株を含むヨーグルト群:65名(うち、有効性解析対象者62名)プラセボヨーグルト群:65名(うち、有効性解析対象者64名) 量 乳酸菌OLL2712株を含むヨーグルト群:112g/日 プラセボヨーグルト群: 112g/日 摂取期間 12週間 試験期間 2018年7月~12月 備考 乳酸菌OLL2712株の抗炎症効果は、生菌よりも加熱菌体の方が高いため、加熱菌体で臨床試験を実施

(出典:Toshimitsu T, et al. Nutrients. 2020; 12(2), 374.)