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観ればチョコレートの選び方が変わる。映画「巡る、カカオ」が公開

観ればチョコレートの選び方が変わる。映画「巡る、カカオ」が公開

株式会社 明治(以下、明治)は、「ひらけ、カカオ。」プロジェクトの一環としてドキュメンタリー映画「巡る、カカオ~神のフルーツに魅せられた日本人~」を制作、1月12日より全国で順次公開しました。 今回は、本作の概要やみどころなど、ご紹介していきます。

映画「巡る、カカオ」とは

制作陣について

本作の監督を務めるのは、2007年よりドキュメンタリーの演出家としてテレビ番組を中心に制作に携わる和田萌監督。過去には放送文化基金賞やギャラクシー月間賞など数々の賞を受賞しています。
主な作品は、「八十歳の漂流俳優ヨシ笈田 三島が託した日本」や「情熱大陸 ピアニスト・反田恭平/絵本作家・ヨシタケシンスケ/ウイルス学者・河岡義裕/狂言師・野村萬斎裕基」など。2023にはスペインで開催のメンディ山岳映画祭で、登山家の平出和也と中島健郎を追ったドキュメンタリー映画である「ROPE」が正式招待作品として選ばれました。

ナレーションは、歌手でタレントの堀ちえみさん。本人が公言するほどの大のカカオ、チョコレート好きだそうです。舌がんや食道がんを患うも、手術とリハビリを乗り越えて芸能活動を続けています。また、自身の経験を活かし、執筆・講演等を通じて口腔がん撲滅啓発運動にも取り組んでいます。

イラストを手がけるのは、宇宙からインスピレーションを受け取り、絵を描く宇宙画家のRikako Kagawaさん。Sweets Loverでもあり、チョコレートにまつわる言葉を絵と文で紹介する絵辞典『チョコレート語辞典』を出版しています。

映画の内容

本作はタイトルのとおり、チョコレートの原料である“カカオ”を巡るドキュメンタリー映画です。

メインとなるのは、カカオハンター®小方真弓さんとMpraeso合同会社CEOの田口愛さん。
小方さんは、コロンビア先住民の末裔でありカカオ栽培の文化を守り続けるアルアコ族とともに、彼らが抱える課題の解決やカカオ産業のビジネスモデル構築に取り組んでいます。
一方で、田口さんはアフリカのガーナに単身渡航して、現地のカカオ産業を変えるため農家だけでなく政府にも働きかけ、カカオ産業に奔走する起業家です。
カカオに魅了された
2人の女性を中心に、カカオの歴史や栽培する農家の現状、彼らの労働環境の向上やカカオのビジネスモデル構築に奮闘する様子を描いています。

そのほか、小方さんと同様にカカオのビジネスモデル構築に取り組むダンデライオン・チョコレート・ジャパンCEOの堀淵清治さん、日本を代表するチョコレートメーカーの社員として長い間繰り返しカカオ産地を訪れ、社会課題解決に奮闘、現地にてデベロップメント・チーフに任命された明治 ものづくり戦略本部 技術部 参与 土居恵規さん、カカオに魅せられ、カカオの新しいレシピ開発に取り組むミクソロジストの南雲主于三さんも出演し、彼らにとっての“カカオの魅力や課題”について語ります。

映画「巡る、カカオ」を鑑賞!

最初から最後まで見応えのある映画ですが、そのなかでも3つ、見どころをご紹介します。

実際のカカオの様子や、カカオの収穫から出荷まで

普段なかなか目にすることのないカカオの実。映画ではカカオが実際に木になっている様子を見ることができます。カカオの実は木になっていますが、幹の太いところになります。カカオの実の色はさまざまで、赤や黄色、オレンジ色など実にカラフル。成熟するまでの過程で、色が変わるのだそうです。大きさも長さ1525cm、直径715cmと、フルーツにしては大きいことが、映像からよくわかります。

生産地の自然豊かな風景や、自然と共に生きるカカオ農家の人々

カカオの生産地は、ガーナやコロンビアなどの自然豊かな場所です。そのなかでも、高度30300mに位置する、年間平均気温が約27度で気温差が少ない、年間降雨量は1000㎜以上などの条件が揃った場所で栽培されます。そのため、農地は山の中であることが多く、たどり着くのも一苦労。川を渡り、斜面を上り下りし、木々をかき分け、道なき道を進みます。実際にカカオ農家を訪ねる様子からも、その自然の豊かさが伝わってきます。

この映画の中で紹介するカカオを栽培する農家は、現地の部族民です。自然と共に生きる部族民の様子など、なかなか行くことのできない場所、出会うことのできない人々の貴重な映像が盛りだくさんです。まるで、現地を一緒に訪ねているかのような体験をしました。


Mpraeso合同会社CEO 田口愛さん

カカオ農家の人々との関わり合い

今でこそチョコレートというと身近な食べ物ですが、かつてカカオは非常に神聖な存在で、高貴な人だけが口にできる食べ物でした。そのため、カカオ農家は、今でもカカオ作りに誇りを持っています。
小方さんは、カカオ農家を訪ねては、手土産のりんごを配ったり、食事を作ってふるまったりします。不平等な関係や単なるビジネスの相手ではなく、カカオ農家の人々のことを大切に想い、彼らへの感謝の気持ちを行動であらわし、信頼関係を築いています。
チョコレートがわたしたちのもとに届くまでには、こうした人と人との関わり合いがあることを、実際の映像から知ることができます。

カカオハンター®小方真弓さん

実際に映画を観に行く際は、ぜひ注目してください。

観ればチョコレートの選び方が変わる

日本では、美味しいチョコレートが簡単に手に入り、身近な食べ物となっています。見た目の美しさや味ばかりが注目されていますが、原材料のカカオのことやカカオ農家のことまで考えて購入している人はあまりいないのではないでしょうか。映画を観て、チョコレートがわたしたちの手に届くまでには、カカオ農家を始めとした、関わる方々のたくさんの努力を知ることができる作品となっています。
手軽に食べられるお菓子だったチョコレートへのイメージがガラッと変わった今、チョコレートを口にするときは、これからは感謝の気持ちを込めて、一口ずつ大切にいただきたいと感じました。

この記事を読んでくださっている皆さんにも、ぜひ観ていただきたい映画です。


上映情報

上映劇場は今後追加される可能性あるため、最新情報は劇場情報、作品公式Xをご確認ください。