乳酸菌研究最前線

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パスツール研究所との乳酸菌の共同研究

明治は、フランス・パスツール研究所とLB81乳酸菌を対象に、2011年11月から2013年11月の2年間にわたり共同研究を実施しました。同研究所が日本企業のみとの間で今回のような本格的で大規模な共同研究をするのは初めてのことでした。

これまで乳酸菌は、主に腸内細菌に直接作用して、善玉菌の増殖を促進し、悪玉菌の増殖を防ぐことで、腸内細菌のバランス、すなわち「腸内フローラ」を改善し、様々な健康への影響があると考えられていました。

共同研究をきっかけに明治は、こうした考えに加え、LB81乳酸菌が腸管内に分布する免疫細胞に働きかけるとともに、腸管バリア機能※も高めることを確認いたしました。

加齢やストレスなどを要因として、腸管バリア機能が低下すると、腸上皮細胞は細菌・ウイルス・有害物質などの攻撃を受けやすくなり、様々なカラダの健康がおびやかされます。LB81乳酸菌は、腸内フローラを改善すると同時に、腸のバリア機能の低下を防いでいることが明らかになりました。

この共同研究をきっかけに確認された、LB81乳酸菌の新たな可能性の詳細についてはこちらで紹介しています。

※腸管バリア機能とは、食べ物とともに腸に入り込んでくる細菌やウイルス、腸内の悪玉菌が代謝の過程で産生する有害物質などから腸を守る機能のこと

明治の乳酸菌研究について

明治は、60年以上も前から乳酸菌研究を続け、今では5,000種類以上の菌株を保有しています。この乳酸菌の組み合わせによって、風味や食感、体への影響などが違うため、地道な研究を日々重ね、新しい可能性を追求しています。明治の乳酸菌研究では、今回発表したLB81乳酸菌を始め、ピロリ菌を抑制する乳酸菌OLL2716株、免疫機能に働きかける乳酸菌1073R-1株など、人の体に様々な健康への働きが期待できる乳酸菌が見いだされています。

「明治ブルガリアヨーグルトLB81のもつアンチエイジング効果についての共同研究」の概要

パスツール研究所(Institut Pasteur)について

フランス・パリにある生物学・医学研究をおこなう非営利研究機関。近代細菌学の開祖といわれるルイ・パスツールの提唱によって1887年、世界からの寄付金をもとに開所され、パスツールが初代所長に就任しました。世界の生物学・医学研究をリードし、狂犬病ワクチンの開発に始まり、近年ではB型肝炎ワクチンの開発やHIVの単離などをはじめとする微生物・感染症・ワクチンなどの基礎および応用研究では世界的に著名な業績を上げています。これまでノーベル賞受賞者は10名を数え、そのなかには、メチニコフ博士や、近年では、HIVウイルスの発見者バレシヌシ博士も含まれます。mRNAを介した遺伝情報の発現など分子遺伝学の基礎概念を確立したモノー博士は1970年代に所長を務めました。同研究所は応用研究や研究成果の活用にも力を入れています。このため企業との提携は共同研究の実施がベースになっており、研究開発力、マーケティング力のある有力企業が主な提携パートナーとなってきています。