おならがよく出る原因は?対処法を解説

おならがよく出る原因は?対処法を解説

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おならは誰にでも起こる生理現象です。それでも、会議中や電車の中など、人前で出そうになると焦ってしまうものですよね。「自分だけおならの回数が多いのでは?」と気になり、仕事や会話に集中できず、悩みを抱える人も少なくありません。

実はおならの回数の増加には、食事の内容や食べ方、腸の状態など、さまざまな要因が関係しています。今回は、おならがよく出る原因と、その具体的な対処法について解説します。

この記事の執筆者
管理栄養士
いしもと めぐみ

病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して独立。栄養・健康分野の記事執筆のほか、栄養指導、食が楽しくなるレシピの発信などを行う。

目次
  1. おならがよく出る原因
  2. おならがにおう原因は?
  3. おならの回数が気になる時の対処法
  4. まとめ

おならがよく出る原因

おならとは、腸内に溜まったガスが肛門から排出される生理現象です。おならの回数が増える背景の主なものとして、次の3つがあげられます。

  • ガスが発生しやすい食べ物の摂取

  • 空気の飲み込み

  • 消化器疾患

ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。

ガスが発生しやすい食べ物の摂取

腸内でガスが発生する主な要因に「食べ物」があります。私たちが食べたものの多くは胃や小腸で分解、吸収されますが、すべてが消化されるわけではありません。一部は大腸まで到達し、腸内細菌による発酵を受けます。その結果、水素や二酸化炭素、アンモニアなどのガスが発生します*1。

また、食べ過ぎや特定の食べ物に偏る食生活には注意しなければなりません。特に豆類や野菜、果物、全粒穀物など、消化されにくい栄養成分を多く含む食品はガスが発生しやすいと考えられています*1。

さらに、乳糖不耐症の人は、牛乳や乳製品を摂取すると腸内でガスが発生しやすくなります。乳糖不耐症では、牛乳や乳製品に含まれる乳糖(ラクトース)を消化できません。消化されなかった乳糖はそのまま大腸まで届き、腸内細菌による発酵を受けます。この過程でガスがつくられるのです*2。

空気の飲み込み

口から過剰に空気を飲み込むと、おならの回数が増えることがあります。空気を飲み込むこと自体は、誰もが日常的に行う動作です。実際に、胃や大腸に存在するガスの65〜70%は空気の飲み込みによるものと考えられています。しかし、何らかの原因で空気を過剰に飲み込むと、腸内にガスが溜まり、おならの回数が増える可能性があります*3。

空気を過剰に飲み込んでしまう原因は、早食い、炭酸飲料の飲用、ガムを噛む習慣などさまざまです。奥歯の噛み締めや、ストレスとの関連も指摘されています*3。空気の飲み込みが続くとおならや胃の痛み、腹部膨満感などの不快な症状が現れることがあり、こうした状態は「呑気症(どんきしょう)」と呼ばれています*4。

消化器疾患

一部の消化器疾患では腸内でガスが発生しやすくなり、その結果、おならの回数が増えることがあります。その代表的な疾患が「過敏性腸症候群」です。

過敏性腸症候群とは、便秘や下痢などの便通の乱れや腹痛が慢性的に続く病気です。症状が現れているにも関わらず、検査をしても目に見える異常が見つからないことが特徴とされています*5。また、過敏性腸症候群の人が炭水化物や脂質を多く含む食事をとると、腸内で過剰にガスが産生されることがあります*6。

*1 Erasme Mutuyemungu et al., Intestinal gas production by the gut microbiota: A review. Journal of Functional Foods. January 2023, vol. 100, 105367,
*2 齋藤忠夫. 乳糖不耐について(その3)乳糖不耐の特徴、診断方法および食品中の乳糖の低減・除去方法. 畜産技術. 2021年11月号, p.29-34.
*3 本間洋州ほか. 職場不適応を背景とした難治性空気嚥下症症例に対して生物心理社会的観点からの多角的治療が奏効した1例. 心身医. 2018年, Vol.58, No.8, p.734-739
*4 一般社団法人 小郡三井医師会「空気をのみ込む病気…呑気症」
*5 福土審. 過敏性腸症候群の病因. 日本消化器病学会雑誌 2014年, 第111巻, 第7号, p.1323-1333
*6 河西ひとみほか. 腸管ガスに関連する症状を主訴とする病態と治療法の研究の動向―過敏性腸症候群・呑気症・自己臭症の視点から―. 心身医. 2018年, Vol.58, No.6, p.488-497

おならがにおう原因は?

おならのにおいは、食べ物に含まれる成分に左右されます。たとえば、悪玉菌の一種であるウェルシュ菌はたんぱく質を腐敗させて、アンモニアやフェノール、インドールなどの物質をつくり出します*7。これらは、おならの不快なにおいの原因となる物質です。

一方で、難消化性オリゴ糖を一度にたくさんとるとガスが発生することがありますが、おならがにおう原因にはなりにくいと考えられています。

難消化性オリゴ糖とは、胃や小腸で消化・吸収されずに大腸まで届く性質をもつ、炭水化物の一種です。大腸に到達した難消化性オリゴ糖は、腸内細菌の発酵を受け、短鎖脂肪酸がつくり出されます。その際、炭酸ガスや水素、メタンなどが発生しますが、これらのガスは無臭のため、おならがにおう原因にはなりにくいとされています*8。

*7 安藤朗ほか. 腸疾患における腸内細菌のかかわり. 日本内科学会雑誌. 2013年, 第102巻, 第11号, p.2983-2989
*8 田辺賢一. 難消化性オリゴ糖の生体利用性ならびに生体調節機能に関する研究. 日本栄養・食糧学会誌. 2023年, 第76巻, 第6号, p.363-369

おならの回数が気になる時の対処法

おならは体の自然な働きによるものですが、回数が多いと気になり、日常生活の中で困ったりストレスを感じたりすることがあります。そこで、おならの回数が多い時に実践したい、具体的な対処法を紹介します。

食事内容に気をつける

腸内でガスが発生しやすい食べ物は、食べ過ぎないようにしましょう。豆類や野菜、果物、全粒穀物などは、消化されずに大腸まで届く成分が比較的多く含まれています。そのため、腸内細菌の影響を受けてガスが発生しやすいと考えられています*1。

ただし、これらの食品には体に必要な栄養素も多く含まれており、まったく食べないことはおすすめできません。注意したいのは「食べ過ぎ」や「食品の偏り」です。さまざまな食品を食事にバランス良く取り入れて、特定の食品をとり過ぎないように意識しましょう。

また、おならの回数が気になる時は、二酸化炭素を含む炭酸飲料の飲用を控えることも大切です*3。

ゆっくり食べる

早食いをすると空気を飲み込みやすくなるため、食事はゆっくり食べましょう。とはいえ、忙しいと、つい早食いになりがちです。ゆっくり食べるためには、食べ方を工夫してみましょう。

一度に口へ入れる量を少なくすると、自然と噛む時間が増え、食事のスピードもゆるやかになります。また、パソコンやスマートフォン、テレビを見ながら食事をとると早食いになりやすいので、食事中は食べることに集中しましょう*9。

*9 日本医療・健康情報研究所 保健指導リソースガイド「肥満予防に『ゆっくり食べる』ことが効果的 よく噛んで食べるための8つの対策」

まとめ

今回は、おならがよく出る原因と、その対処法について紹介しました。おならの回数が増えるのは、食べ物の摂取や空気の飲み込み、消化器の病気などが原因であると考えられます。そのため、食事内容を見直したり、ゆっくり食べることを心がけたりすると、腸内にガスが溜まりにくくなり、おならの回数も少なくなる可能性があります。

今回紹介した内容を参考にして、心も体もすっきりとした毎日を過ごしましょう。

(参考文献閲覧日:2025年10月6日)

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