オリゴ糖のカロリーと糖質量|健康的にダイエットしたい人におすすめのワケ

オリゴ糖のカロリーと糖質量|健康的にダイエットしたい人におすすめのワケ

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今年こそはダイエットを成功させたいからと、カロリーや糖質量を気にし始めた人もいるでしょう。そんな人におすすめしたいのが、腸活や健康に関してさまざまなメリットが期待できる「オリゴ糖」です。優しい甘みで食生活にも取り入れやすく、特定保健用食品としても販売されているものもあります。

オリゴ糖は砂糖(上白糖)や黒砂糖よりもカロリーが低いので、健康的に減量やスタイルアップを目指す人におすすめです。今回は、オリゴ糖のカロリーや糖質量、期待できるメリットや摂取する時の注意点を解説します。ダイエットを計画している人は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の執筆者
管理栄養士
佐野 未来

管理栄養士として給食委託会社で調理・発注などの経験を経て、大学病院で大量調理業務や栄養指導、病棟における栄養管理業務を行う。現在は独立し、個人向けに栄養指導や食に関する執筆、学校給食での調理など幅広く活動している。管理栄養士以外にも、栄養士や食生活アドバイザーなどの資格も保有する。

目次
  1. オリゴ糖のカロリー|ほかの甘味料との比較
  2. オリゴ糖の糖質量|ほかの甘味料との比較
  3. オリゴ糖がダイエットしたい人におすすめのワケ
  4. オリゴ糖をダイエットに取り入れる際の注意点
  5. まとめ

オリゴ糖のカロリー|ほかの甘味料との比較

オリゴ糖のカロリーは、砂糖(上白糖)や黒砂糖などのほかの甘味料よりも低いのが特徴です。オリゴ糖の中でも、フラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖では、1g当たりのカロリーは砂糖の半分程度です*1*2。

甘味料 カロリー(1g当たり)
フラクトオリゴ糖 約1.6~2.2kcal
ガラクトオリゴ糖 2~3kcal
キシロオリゴ糖 2kcal
砂糖(上白糖) 3.9kcal
黒砂糖 3.5kcal
はちみつ 3.3kcal

普段使っている砂糖やはちみつなどをオリゴ糖に置き換えるだけで、手軽に摂取カロリーをカットできます。

ただし、オリゴ糖製品の中には砂糖(ショ糖)や果糖などほかの糖が含まれているものもあります。糖の組成によっては、1g当たりのカロリーが2kcal以上になることもあるので注意しましょう。

できるだけ摂取カロリーを抑えたい場合は、製品中のオリゴ糖の割合が多いものを選ぶのがおすすめです。

*1 独立行政法人 農畜産業振興機構「砂糖以外の甘味料について」
*2 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

オリゴ糖の糖質量|ほかの甘味料との比較

オリゴ糖の糖質量は、砂糖(上白糖)や黒砂糖などのほかの甘味料と比較してやや少なめなのが特徴です。以下の表を見ると、オリゴ糖の糖質量は、日常的に使うことが多い砂糖(上白糖)より少ないことが分かります*2*3。

甘味料 糖質量(100g当たり)
オリゴ糖製品 70~75g
砂糖(上白糖) 99.3g
黒砂糖 88.9g
はちみつ 75.2g

ただし、オリゴ糖製品によって糖質量が異なります。また、製品によってはオリゴ糖以外の糖が含まれている可能性もあるため、糖質量が気になる人は各オリゴ糖製品の原材料表示を確認すると良いでしょう。

*3 オリゴ糖の糖質量は、オリゴ糖製品6社の栄養成分表示より算出

オリゴ糖がダイエットしたい人におすすめのワケ

オリゴ糖は砂糖よりもカロリー・糖質量ともに低く、ダイエット中の人でも気兼ねなく使える甘味料です。ほかにも、オリゴ糖がダイエットをしている人におすすめの理由があるので、それぞれ詳しく解説します。

オリゴ糖は低GI食品

GI(グリセミック・インデックス)値とは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示した指標です。ブドウ糖50gを摂取した2時間後までの血糖値変動を基準のGI値100として、その何%に相当するかで表します*4。

GI値が55以下の食品は「低GI食品」に分類され、食後の血糖値上昇が穏やかです。逆に、GI値が70以上の「高GI食品」は、食後に急激な血糖値上昇が起こります*5。

血中で急激にブドウ糖が増えてしまうと、エネルギー源として消費しきれない分が出てきます。使えなかったブドウ糖は中性脂肪に変換され、体重増加だけでなく、生活習慣病を発症するリスクにつながるのです*6。

オリゴ糖の一種であるフラクトオリゴ糖は低GI食品に分類されており、GI値はほぼ0とされています*5。GI値を意識したい場合は、フラクトオリゴ糖を使用した製品がおすすめです。

腸活にも役立つ

オリゴ糖は腸活にもおすすめの甘味料です。オリゴ糖は、大腸内に分布しているビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌のエサになります*5。

オリゴ糖の中でも、フラクトオリゴ糖は腸内のビフィズス菌を増殖させることで、腸内環境を改善するとして、特定保健用食品にも用いられています*5。便秘などお腹の調子が悪いことはダイエットの大敵なので、オリゴ糖を摂取することで腸内環境を整えておくのがおすすめです。

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*4 日本Glycemiclndex研究会「第1回日本Glycemiclndex研究会 抄録集」2003, p.3
*5 独立行政法人農畜産業振興機構「プレバイオティクスとフラクトオリゴ糖~シュガーリプレイスメントから免疫改善まで~」
*6 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「炭水化物 / 糖質」

オリゴ糖をダイエットに取り入れる際の注意点

オリゴ糖はダイエット中でも使いやすい甘味料ですが、とり方によっては不調の原因になることもあります。ダイエット中の食事にオリゴ糖を取り入れる時の注意点を解説します。

一度にとり過ぎるとお腹の調子が悪くなることも

オリゴ糖を一度にとり過ぎると、下痢を引き起こすことがあります*7。各オリゴ糖製品のパッケージに摂取目安量が表示されています。購入した製品の摂取目安量に従って利用しましょう。

目安量を1回にまとめてとるのではなく、1日2~3回に分けてとると下痢が起こりにくいことが報告されています*7。最初はお腹の様子を見ながら少しずつオリゴ糖を取り入れていくと良いでしょう。

オリゴ糖以外の糖に注意する

オリゴ糖製品の中には、オリゴ糖以外の糖が配合されている場合もあります。特にシロップタイプのオリゴ糖は、粘度や味を調整する目的で水あめなどが添加されていることもあり、砂糖代わりに使っているとカロリーオーバーになることもあるので注意が必要です。

フルーツやヨーグルトなどにオリゴ糖をかけて食べる場合、フルーツの量が多過ぎたり、砂糖入りのヨーグルトにかけたりすると、カロリーのとり過ぎになってしまうこともあります。

普段の食事にオリゴ糖を取り入れる時は、何と一緒に、どの程度の量を食べるかを総合的に考えて食べるようにしましょう。

砂糖と同じ甘みを目指さない

オリゴ糖の甘味度は砂糖よりも低いため、砂糖と同じ甘みを出そうとしてとり過ぎになってしまうこともあります。

砂糖の甘みを100%とした時の主なオリゴ糖の甘味度は以下の通りです*1。

  • フラクトオリゴ糖:25~35%
  • ガラクトオリゴ糖:25~35%
  • イソマルトオリゴ糖:40~50%
  • キシロオリゴ糖:25~40%
  • 乳果オリゴ糖(ラクトスクロース):約50%(55%以上含有のもの)

オリゴ糖で砂糖と同程度の甘みを出すにはオリゴ糖を多く使うことになり、ダイエット中のとり方としては不向きと言えるでしょう。

オリゴ糖を使う時は控えめな甘みを楽しむのがコツです。味が物足りなくならないように、料理に使うだしを濃いめに取る、ショウガやにんにくといった香味野菜や香辛料の風味を効かせた料理にするなど、甘みを控えてもおいしく食べられるレシピを選んでみてください。

*7 奥恒行ほか. ヒトにおける難消化性オリゴ糖・ガラクトシルスクロースの一括摂取と分割摂取の一過性下痢誘発に及ぼす影響ならびにその許容量. 日本栄養・食糧学会誌. 1999, 第52巻第4号, p.201, p.208

まとめ

オリゴ糖のカロリーや糖質量は、砂糖(上白糖)や黒砂糖よりも低く、ダイエット中にも取り入れやすい甘味料です。腸活に役立つことも期待できます。ただし、体に良いからといってとり過ぎると下痢など不調の原因になることもあるため、摂取目安量を1日数回に分けてとるのがおすすめです。砂糖をオリゴ糖に置き換えて、健康的に理想のボディラインを目指しましょう。

(参考文献閲覧日:2025年3月6日)

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