バナナが腸活におすすめのワケ|効果的な食べ方と腸活バナナレシピを紹介

バナナが腸活におすすめのワケ|効果的な食べ方と腸活バナナレシピを紹介

公開日:

バナナはそのまま食べてもよし、スムージーやケーキにしてもよしと、大活躍する食材です。そのバナナは実は腸活にも大いに役立ちます。今回はバナナが腸活におすすめの理由と効果を高める食べ方、美味しい腸活レシピを紹介します。バナナがもつ可能性を知って、ぜひ腸活に取り入れてみてください。

この記事の執筆者
管理栄養士
堀川 衣梨

医療栄養学を専攻し、医療機関での栄養カウンセリング、小学校や保育園での調理・栄養士業務を経てフリーの管理栄養士として独立。一般的な栄養や食に関する知識だけでなく、子供向けの調理やメニュー作成の経験から、アレルギーや離乳食、子どもの食の悩みにも精通。日本化粧品検定1級、家庭料理技能検定2級、フードスペシャリストなどの資格を保有。

このレシピの考案者
フードコーディネーター
細野 沙也加

合同会社HITOOMOI(ヒトオモイ)代表。カフェhanamal(ハナマル)オーナー。日本大学生物資源科学部食品ビジネス学科出身。大手食品商社にて2年勤務後、独立。料理番組出演、料理動画サービスレシピ制作・撮影、料理記事の執筆や講師など多岐にわたり活躍。真似しやすく簡単な家庭料理のレシピ制作を得意とする。2017年〜渡星し、弁当レシピを開発・販売。和食の発信に務め、帰国後2019年1月に合同会社HITOOMOIを創業。「手作り料理で大切な人を大事にできる社会を創る」ことが目標。

目次
  1. バナナが腸活におすすめの理由
  2. おすすめのバナナの食べ方
  3. 腸活効果がアップするおすすめの組み合わせ3選
  4. 【腸活レシピ】バナナココナッツアイス
  5. まとめ

バナナが腸活におすすめの理由

バナナが腸活におすすめな理由は4つです。

  • 食物繊維が含まれている
  • レジスタントスターチが含まれている
  • 腸の善玉菌を増やすフラクトオリゴ糖が含まれている
  • 手軽に食べやすい

それぞれ詳しく解説していきます。

2種類の食物繊維が含まれている

バナナは水溶性と不溶性、2つの食物繊維がバランス良く含まれた食材です。可食部100g当たりのバナナには水溶性食物繊維が0.1g、不溶性食物繊維が1.0g含まれています*1。

水溶性食物繊維は水に溶けるとドロドロになり、便を柔らかくして栄養素の消化・吸収をゆるやかにします。さらに食後の血糖の上昇を抑える働きがあります。一方、不溶性食物繊維は水分を吸収して膨らみ、便のかさを増やして、便通を良くしてくれます*2。2種類の食物繊維をどちらも含むバナナは、腸活に向いている食材と言えるでしょう。

*1 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年・第2章本表別表1(データ)」
*2 株式会社明治 Hello. Chocolate「食物繊維の多い食べ物は?効果的に摂取してお腹の調子を整えよう」

レジスタントスターチ

バナナはレジスタントスターチ(酵素抵抗性でん粉)を含む食材です。レジスタントスターチは胃や小腸で消化・吸収されず、大腸で善玉菌の栄養源となって増殖をサポートするほか、便通を促し、腸内環境を整える働きがあります。

また、「発酵性でん粉」として善玉菌に分解され短鎖脂肪酸がつくられると、腸内が酸性に傾いて悪玉菌が増えにくい環境をつくってくれます*3*4。

*3 小林弘幸「腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由」アスコム, 2022, p.9, 34-35, 40-47, 54-55, 62-63, 70-72
*4 海老原清. レジスタントスターチの栄養・生理機能. 日本調理科学会誌. 2014, Vol.47, No.1.p.49

フラクトオリゴ糖

バナナにはフラクトオリゴ糖も含まれます。フラクトオリゴ糖は難消化性オリゴ糖の1つで、胃や小腸で消化・吸収されることなく大腸に届き、乳酸菌やビフィズス菌などの栄養源になります。腸内フローラの改善や便通、短鎖脂肪酸の産生、ミネラル吸収促進など、腸にとってさまざまな作用を有することが分かっています*5*6。

*5 独立行政法人 農畜産業振興機構「プレバイオティクスとフラクトオリゴ糖~シュガーリプレイスメントから免疫改善まで」
*6 公益財団法人腸内細菌学会「用語集 フラクトオリゴ糖」

バナナに含まれる栄養素と健康効果|効果的な食べ方・見分け方も解説

1年中、気軽に購入できる「バナナ」。体に良いと言われていますが、実際にはどのような栄養素が含まれ、どのような効果があるのかを解説します。また、効果的なバナナの食べ方や美味しいバナナの選び方も紹介しています。

おすすめのバナナの食べ方

バナナにより高い腸活効果を期待するなら、摂取量やタイミングにも気をつけましょう。

1日のおすすめの摂取量|1日2本まで

バナナの1日摂取目安量は、おおよそ2本までです。習慣的な摂取によって、腸内環境を整え、自律神経の正常化が期待されます*3。

健常な成人男女20名を対象にした研究では、バナナを1日2本、2週間摂取すると半数以上の人に腸内環境の改善や副交感神経の活性優位、ストレス・気分の改善が認められました*3*7。

*7 胡愛玲ほか. バナナの摂取が及ぼす健康効果の検証. 第22回日本抗加齢医学会総会. 2022, p.268

バナナを食べるタイミング|朝がおすすめ

バナナを食べる時は、朝が特におすすめです。その理由は3つあります。

  • 腸内環境を整えて、朝からすっきりと活動できる
  • 忙しくても簡単に準備できる
  • 栄養バランスが良く、ゆっくり消化される

バナナは水溶性と不溶性の2つの食物繊維、レジスタントスターチ、フラクトオリゴ糖を含み、腸内フローラのバランス改善が期待される食材です。また、便通を促し、朝からすっきりと活動できます*3 。

オリゴ糖やレジスタントスターチを含むバナナは、消化がゆっくりで食後血糖値の上昇もゆるやかです。食後血糖値の上昇度を示す指数であるGI値は、ごはんやパンが70以上の高GI食品であるのに対し、バナナは55以下の低GI食品です*3 *4。 さらに、たんぱく質やビタミンB群、カリウム、マグネシウムなどのバランスが良く*9、忙しい1日の始まりのエネルギー補給にも向いています。

*9 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年・ 第2章(データ)」

若いバナナを選ぶ

腸活のためには、若いバナナを選ぶのがおすすめです。茎の部分に緑色が残っている若いバナナは、「グリーンチップバナナ」と呼ばれ、レジスタントスターチが多く含まれています*3。前述のとおり、レジスタントスターチは大腸にいる善玉菌に栄養を運び、整腸作用が期待されます。

成熟していくにつれて、バナナのレジスタントスターチが減少していくと言われています*3。腸活のためには、茎が少し緑色のバナナを選んでみてくださいね。

腸活効果がアップするおすすめの組み合わせ3選

ここからは腸活効果が期待できるおすすめの組み合わせを3つ紹介します。

バナナ×ヨーグルト

ヨーグルトは善玉菌の一種、乳酸菌が含まれる食材です。オリゴ糖や食物繊維を含むバナナと組み合わせることで、効率良く善玉菌が増やせます。

また、善玉菌が腸の免疫細胞に働きかけ、免疫力アップも期待できます。ヨーグルトにはたんぱく質や脂質、カルシウムも含まれますが、乳酸発酵により体に吸収されやすい形になっているのも嬉しいポイントです*10。 お好みでオリゴ糖をかけても良いでしょう。

*10 独立行政法人 農畜産業振興機構「【まめ知識】ヨーグルトを食べて免疫力をアップさせよう!」

バナナ×オリゴ糖

オリゴ糖には腸内フローラや便通改善効果が期待されています*3*5。大腸にすむビフィズス菌はオリゴ糖を栄養源にして乳酸や酢酸などをつくり出し、腸内が酸性に傾くことで悪玉菌の繁殖を防いでいます。バナナと組み合わせることで、便のかさを増やし、便通を良くしてくれます*11。

*11 独立行政法人 農畜産業振興機構「お砂糖豆知識[2004年10月]」

バナナ×ココナッツミルク

ココナッツミルクは脂質を含み、腸内環境を整えてくれる食材です*9。

ココナッツミルクに多く含まれる中鎖脂肪酸(MCT)には、血中の中性脂肪の上昇を抑える作用があるため、長期的な摂取によって体脂肪の蓄積も抑えることが可能です*12。バナナと組み合わせることで、善玉菌のエサとなり腸の蠕動運動をサポートする食物繊維、レジスタントスターチ、フラクトオリゴ糖が補えるほか、中鎖脂肪酸の油分によって便が柔らかくなります。

ここからは、腸活にぴったりな簡単バナナココナッツアイスを紹介します。善玉菌の栄養源になるフラクトオリゴ糖や、食物繊維やレジスタントスターチを含むバナナ、腸に優しいココナッツミルクを組み合わせたひんやりデザートです。保存袋を使って簡単につくれますので、ぜひ試してみてくださいね。

*12 青山敏明. 中鎖脂肪酸の栄養学的研究ー最近の研究を中心にー. オレオサイエンス. 2003, 第3巻第8号, p.405-406

【腸活レシピ】バナナココナッツアイス

※このレシピではお好みではちみつを使用する箇所があります。使用した場合は1歳未満の乳児には与えないでください。

<材料(4人分 80mLスクープ×8個分)>

フラクトオリゴ糖として* 12g
バナナ 2本
ココナッツミルク 400mL
はちみつ 適宜
バナナ(トッピング) 適宜

(*フラクトオリゴ糖製品を使用する際は、商品によってフラクトオリゴ糖含有量が異なるため、フラクトオリゴ糖量を合わせてください。1日のフラクトオリゴ糖摂取量の目安は3gです。)

<つくり方>

1

保存袋にバナナを入れて手でつぶす。

2

フラクトオリゴ糖、ココナッツミルクを加えて手でもみ、平らにならす。冷凍庫に入れて5~6時間冷やし固める。

3

ディッシャーですくい、カップに入れる。お好みでバナナを飾り、はちみつをかける。

ポイント

  • 冷やし固めている最中に、冷凍庫から何度か取り出して手で揉むと、食感が良くなります。
  • ヨーグルトなどを加えると、ココナッツの香りが柔らかくなり、食べやすくなります。

まとめ

バナナは水溶性と不溶性の2つの食物繊維や腸のエネルギー源になるレジスタントスターチ、フラクトオリゴ糖を含む、腸活にぴったりな食材です。忙しい朝でも手軽に食べられ、便通や腸内フローラの改善が期待できます。今回紹介したバナナココナッツアイスもおやつや食後のデザートにぜひつくってみてください。

(参考文献閲覧日:2025年3月9日)

合わせて読みたいおすすめ記事

プロバイオティクスとは?効果と種類・おすすめの食品・とり方のコツを紹介

善玉菌を育てるのに有効なプロバイオティクス。腸内フローラを整えるのに役立つと言われていますが、プロバイオティクスとは何のことなのでしょうか?この記事ではプロバイオティクスの種類とその働き、プロバイオティクスを含むおすすめの食品、プレバイオティクスとの違いについて紹介します。

プレバイオティクスとは?健康効果や食品例、効果的なとり方を解説

善玉菌を増やし、腸内環境を整えながら健康をサポートするプレバイオティクス。善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えるのに有効と考えられています。今回はプレバイオティクスの効果や食品例、効果的なとり方について解説します。

オリゴ糖の上手な使い方とレシピ3選|お悩み別おすすめのオリゴ糖の魅力と特徴を解説

オリゴ糖にはたくさんの種類があり、どれを選べばいいのか、どのように使えばいいのか迷うこともあるでしょう。本記事では、それぞれのオリゴ糖の特徴や適切な摂取量、日常生活での活用法を解説します。自分に合ったオリゴ糖の選び方や上手な使い方が分かります。