玉ねぎが腸活におすすめのワケ|効果的な食べ方と腸活玉ねぎレシピを紹介

玉ねぎが腸活におすすめのワケ|効果的な食べ方と腸活玉ねぎレシピを紹介

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玉ねぎは、サラダや炒め物、スープなど、料理によく使われる食材の1つです。その玉ねぎが、実は腸活に役立つことをご存じでしょうか?

今回は、玉ねぎが腸活にどのように役立つのか、その理由と腸活効果を高める相性の良い食材について解説します。腸活を意識したレシピも紹介しますので、参考にしてください。

この記事の執筆者
管理栄養士
横川 仁美

管理栄養士の資格を取得後、保健指導や重症化予防を中心に2500人以上へのアドバイスを行ってきた。現在は、管理栄養士、食専門ライター、料理研究家として、執筆、商品監修、レシピ開発などを行っている。健康食育シニアマスターの資格を持つ。

目次
  1. 玉ねぎが腸活におすすめのワケ
  2. 効果的な玉ねぎの食べ方
  3. 腸活効果がアップする玉ねぎの組み合わせ3選
  4. 【腸活レシピ】玉ねぎの旨みたっぷり豆乳グラタン
  5. まとめ

玉ねぎが腸活におすすめのワケ

玉ねぎが腸活におすすめなのは、難消化性オリゴ糖の一種である「フラクトオリゴ糖」が含まれているからです。フラクトオリゴ糖は、胃や小腸で消化・吸収されずに大腸まで届き、腸内の善玉菌の栄養源となります*1。

また、玉ねぎにはポリフェノールの一種である「ケルセチン」も含まれています*2。ポリフェノールは体内に吸収されにくい成分ですが、吸収された一部は腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを整える働きが期待されています*3。

このほかにも、玉ねぎは以下の点で腸活に役立ちます。

噛む回数アップに

玉ねぎは生で食べてもおいしく、そのシャキシャキとした食感が自然に噛む回数を増やします。しっかり噛むことによって、腸の蠕動運動を助ける自律神経が刺激され、腸の働きが活性化しやすくなります*4。

料理に幅広く使える

腸活を続けるためには、日常的に食事に取り入れやすい食材を選ぶことも大切です。玉ねぎはさまざまな食材と相性が良く、生のままサラダにしたり、炒め物や煮物、スープなど、幅広く料理に活用できます。

*1 独立行政法人 農畜産業振興機構「プレバイオティクスとフラクトオリゴ糖~シュガーリプレイスメントから免疫改善まで」
*2 独立行政法人 農畜産業振興機構「調査・報告(野菜情報 2018年3月号)野菜の機能性研究~たまねぎのケルセチンによる認知機能改善の可能性~」
*3 中村 宜督. ポリフェノールの機能性の分子メカニズム. ~ポリフェノールはどのようにして機能性を発揮するのか~, 日本食生活学会誌, 2023, 33巻4号 p.165-169
*4 農林水産省「お米と健康・食生活」

効果的な玉ねぎの食べ方

玉ねぎの栄養素を効果的にとる食べ方を紹介します。

加熱して食べる

腸活には、玉ねぎは加熱して食べるのがおすすめです。加熱するとカサが減りより多くの量が食べられるので、善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を効率良く摂取しやすくなります*1*5*6。

<おすすめの食べ方>

スープ、炒め物、煮物など

生のまま食べる

玉ねぎに含まれる辛み成分「アリシン(硫化アリル)」は、ビタミンB1と結びついてアリチアミンに変化し、ビタミンB1の吸収を助けます。ビタミンB1は腸内細菌の分解酵素によって分解されやすいですが、アリチアミンになることで体内に留まりやすくなります*7。この成分は加熱すると失われやすいため、生で食べることで効率良く摂取できます*8。ただし、辛みが強く食べにくい場合は、水にさらすか、スライスして少し時間を置くと良いでしょう*8。

<おすすめの食べ方>

サラダ、マリネ、サンドイッチの具材 など

皮の近くも活用する

ポリフェノール類は、皮に近い部分に多く含まれています*9。栄養を無駄なく摂取できるよう、皮を剥き過ぎないようにするのがおすすめです。硬さが気になる場合は、薄切りにすると良いでしょう。

<おすすめの活用法>

玉ねぎの皮を煮出してお茶にする、スープのベースにするなど

*5 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年・ 第2章(データ)」
*6 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
*7 独立行政法人農畜産業振興機構「今月の野菜-ねぎ-2012年10月」
*8 独立行政法人農畜産業振興機構「今月の野菜-たまねぎ-2009年7月」
*9 塩谷茂信ほか. ケルセチン含有タマネギ外皮エキスの血小板凝集抑制作用, 日本食品科学工学会誌. 2022, 第69巻第2号, p.45-53

1日のおすすめの摂取量

腸内環境を整えるフラクトオリゴ糖の推奨摂取量は、1日あたり3〜8gです*10。ただ、推奨量の3gを玉ねぎのみで摂取しようとすると、200g程度の玉ねぎを約6.5個も食べる必要があります*1*11。そのため、さまざまな野菜を取り入れ、バランス良く自然に摂取できるよう心がけましょう。

※なお、1日の野菜摂取量(成人)の目安は350gです*12。

*10 消費者庁「特定保健用食品の表示許可等について 別添3 特定保健用食品(規格基準型)制度における規格基準」
*11 Judith E. et al., Food Technology, A PUBLICATION OF THE INSTITUTE OF FOOD TECHNOLOGIST. 1994, p.85-89
*12 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「健康日本21(第三次)目標一覧」

食べるタイミング

玉ねぎを食べるタイミングは、特に気にしなくても良いでしょう。ただし、遅い時間の食事は消化活動で睡眠が妨げられるだけでなく、余分なエネルギーが脂肪として蓄積される可能性があります*13*14。なるべく、就寝直前の2時間以内の食事は避けるようにしましょう*15。

*13 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット「快眠と生活習慣 」
*14 農林水産省「夜遅く食事をとるときは」
*15 厚生労働省 健康づくり支援担当者のための総合情報サイト「知っているようで知らない睡眠のこと」

腸活効果がアップする玉ねぎの組み合わせ3選

ここでは、玉ねぎと組み合わせることで、さらに腸活の効果が期待できる食材を3つ紹介します。

玉ねぎ × 豆乳

豆乳には大豆由来のオリゴ糖が含まれています*11。玉ねぎと組み合わせると腸活効果の向上が期待できます。スープやグラタンに加えることで、まろやかな味わいで食べやすい一品になります。

玉ねぎ ×ごぼう

ごぼうはオリゴ糖と食物繊維を含んでいるため、腸内環境をサポートしたい時におすすめです*5*16。玉ねぎと合わせて炒め物や汁物、かき揚げにぴったりです。

玉ねぎ × はちみつ

はちみつには、オリゴ糖が含まれています*11。玉ねぎを使ったサラダに、はちみつを加えたドレッシングをかけるのもおすすめです。

そこで今回は、玉ねぎと豆乳を使い、市販のフラクトオリゴ糖を加えたグラタンのレシピを紹介します。玉ねぎに含まれるオリゴ糖は少量なので、市販のフラクトオリゴ糖をプラスすることで、より効果的にオリゴ糖を摂取できます。フラクトオリゴ糖は甘さが控えめで、どんな料理にも自然に溶け込みます。また、エネルギーになりにくいため、砂糖よりもカロリーを抑えながらオリゴ糖を摂取できる点も嬉しいポイントです*1。

*16 日高秀昌:治療学,14,635(1985)

【腸活レシピ】玉ねぎの旨みたっぷり豆乳グラタン

<材料(2人分 /グラタン皿は約15cm×2個分)>

玉ねぎ 1個(220g)
鶏もも肉 100g
バター(有塩) 20g
小麦粉 大さじ2
(A) フラクトオリゴ糖として* 6g
(A) 豆乳 200ml
(A) コンソメ(顆粒) 小さじ1
(A) 塩 少々
(A) 白こしょう 少々
ピザ用チーズ 40g
パン粉 大さじ1
パセリ(刻み) 適量

(*フラクトオリゴ糖製品を使用する際は、商品によってフラクトオリゴ糖含有量が異なるため、フラクトオリゴ糖量を合わせてください。1日のフラクトオリゴ糖摂取量の目安は3gです。)

<つくり方>

下準備

・玉ねぎは5mm幅に薄切りにし、鶏もも肉は一口大に切る(玉ねぎの20gは最後に使用)。

・パセリはみじん切りにしておく。

手順

1

フライパンにバターを入れ、中火で熱し、玉ねぎ(200g)と鶏もも肉を加えて、玉ねぎがしんなりするまで炒める。

2

小麦粉を加え、玉ねぎと鶏もも肉にしっかりと絡めた後、(A)の材料を加えて弱めの中火で約5分間、とろみがつくまで炒め続ける。

3

炒めた材料を耐熱容器に移し、ピザ用チーズ、玉ねぎ(1つのグラタン皿に10g程度ずつ)とパン粉をのせる。

4

オーブントースターで焦げ目がつくまで焼き、取り出してパセリをトッピングする。

ポイント

小麦粉は玉ねぎと鶏もも肉にしっかりと絡ませることで、ダマになりにくくなり、滑らかなソースになります。玉ねぎは焦げないようにじっくり炒めることで、甘みと旨みが引き立ちます。焼き時間はオーブントースターによって異なるため、焦げ目がついたらすぐに取り出すようにしましょう。

まとめ

玉ねぎはオリゴ糖やポリフェノールを含むため、腸内環境をサポートする食材としておすすめです。さまざまな食材と組み合わせやすいので、炒め物や煮物、スープにしたり、サラダなどで生のまま食すこともできます。ぜひ玉ねぎを腸活に活用してくださいね。

(参考文献閲覧日:2025年2月3日)

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