腸活のためにヨーグルトを食べる人も少なくありません。しかし、なぜ「ヨーグルトは腸に良い」と考えられているのでしょうか。今回はヨーグルトに含まれる菌に注目して、解説していきます。ヨーグルトの腸活効果を高める食材の組み合わせや、腸活におすすめのヨーグルトレシピも紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。

この記事の執筆者
管理栄養士/ヴィーガン&グルテンフリー専門家
たちばな かやの
大豆食品・ヴィーガン・グルテンフリー情報に特化する栄養専門家として活動している。栄養を学び、給食委託会社に入社後、病院と保育園で調理・食材発注・事務対応などを経験。アレルギー除去食をつくるうちに大豆の可能性に魅了され、大豆関連の資格を多数取得。また、プラントベースにも興味をもち、ヴィーガンやグルテンフリーについて学ぶ。
現在はコラム執筆やレシピ開発、セミナー講演のほか、自身でグルテンフリーのケータリング弁当屋を主催するなど精力的に活動している。食物アレルギーやヴィーガン・ハラル等の食のマイノリティが抱える悩みを解消し、食の多様性がある日本・世界を目指す。

レシピ担当
フードコーディネーター
細野 沙也加
合同会社HITOOMOI(ヒトオモイ)代表。カフェhanamal(ハナマル)オーナー。日本大学生物資源科学部食品ビジネス学科出身。大手食品商社にて2年勤務後、独立。料理番組出演、料理動画サービスレシピ制作・撮影、料理記事の執筆や講師など多岐にわたり活躍。真似しやすく簡単な家庭料理のレシピ制作を得意とする。2017年〜渡星し、弁当レシピを開発・販売。和食の発信に務め、帰国後2019年1月に合同会社HITOOMOIを創業。「手作り料理で大切な人を大事にできる社会を創る」ことが目標。
ヨーグルトが腸活におすすめのワケ
ヨーグルトが腸活におすすめの理由に「乳酸菌」を始めとする善玉菌を含むことがあげられます。皆さんも名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
乳酸菌とは、生育に必要なエネルギーを得るためにブドウ糖や乳糖など糖類(炭水化物)を分解して乳酸をつくり出す細菌の総称です*1。腸内にはさまざまな細菌が生息していますが、健康的な腸を保つためには乳酸菌をはじめとする善玉菌を増やすことが推奨されています。
また、善玉菌は、摂取すると腸内で乳酸や酪酸を生成します。こうした酸によって腸内を酸性にすることで、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境をつくります*2。
さらに、ヨーグルトは毎日の食卓に取り入れやすいという点でも、腸活に向いている食品です。商品の種類も幅広く、トッピングを変えれば毎日食べても飽きにくいメリットもあります。
*1 株式会社明治 明治ヨーグルトライブラリー「乳酸菌研究最前線 乳酸菌のお話(ヨーグルトと菌)」
*2 上西寛司ほか. 乳酸菌の生理機能とその要因. 日本調理科学会誌. 2013, 第46巻 第2号, p.129~133
ヨーグルトに期待できる効果
前項でも述べたようにヨーグルトに含まれている乳酸菌は、腸内で乳酸を増やして腸内環境を整えます。このように、腸内環境を整える微生物やその微生物を含む食品のことを「プロバイオティクス」と呼んでいます。
ヨーグルトもプロバイオティクスの1つであり、その整腸作用によって期待できる効果として、便秘・下痢症状の改善、乳糖不耐症の改善、免疫機能の改善による感染防御・アレルギー抑制効果、動脈硬化の予防効果が報告されています*3。

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*3 公益財団法人 腸内細菌学会「用語集 プロバイオティクス」
ヨーグルトの効果的なとり方
ヨーグルトを選ぶ際は、余計な糖分が含まれていないプレーンヨーグルトがおすすめです。また、プレーンヨーグルトだけを食べるのではなく、ほかの食品と合わせて摂取することで栄養バランスが良くなります。
たとえば、プレーンヨーグルトに甘さをプラスする方法としてフラクトオリゴ糖を加える方法がおすすめです。オリゴ糖の中でも難消化性オリゴ糖と呼ばれる種類のフラクトオリゴ糖は、胃や小腸で消化・吸収されずに大腸に運ばれ、乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌のエサになります*4。乳酸菌を含むヨーグルトと合わせることで、より腸活向けのメニューになります。
また、フルーツをトッピングする方法もおすすめです。ヨーグルトだけでは不足しがちなビタミン、ミネラル、食物繊維を補えます。
今回紹介する腸活レシピでは、キウイを使用しています。ヨーグルトはたんぱく質やカルシウムが含まれていますが、ビタミンCはごくわずかしか含まれておらず、食物繊維は含まれていません。
キウイにはビタミンCや食物繊維が豊富に含まれているため、ヨーグルトと合わせると体に必要な栄養素をバランス良く摂取できます。さらに、レシピではフラクトオリゴ糖も加えています。今回紹介するレシピを参考に、毎日の腸活にぜひヨーグルトを取り入れてみましょう。

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*4 公益財団法人 腸内細菌学会「用語集 フラクトオリゴ糖」
【腸活レシピ】キウイのハニーヨーグルトスムージー
※このレシピにははちみつを使用しております。1歳未満の乳児には与えないでください。
材料:200ml×2カップ分
フラクトオリゴ糖として* | 6g |
プレーンヨーグルト | 200g |
ゴールドキウイ | 1個 |
はちみつ | 大さじ1~2 |
ミント | 適宜 |
(*フラクトオリゴ糖製品を使用する際は、商品によってフラクトオリゴ糖含有量が異なるため、フラクトオリゴ糖量を合わせてください。1日のフラクトオリゴ糖摂取量の目安は3gです。)
作り方
キウイは皮をむき、適度な大きさに輪切りにする。2枚は飾り用に取っておく。
グラスの内側に飾り用のキウイを貼りつける。
ミキサーにすべての材料を入れ、なめらかになるまでかくはんしてグラスに注ぐ。お好みでミントを飾る。
ポイント
ミキサーでなめらかになるまでかくはんすることによってすべての材料をしっかりと混ぜられます。キウイなどの食材も細かく切れるため、消化吸収がよりスムーズになるメリットもあります。時間がない朝や食欲がないときでも手軽につくれるのでぜひお試しください。
まとめ
ヨーグルトには乳酸菌を始めとする善玉菌が含まれています。善玉菌をとることで、便秘・下痢の改善や免疫機能改善の効果*3が期待できるので、ヨーグルトは腸活におすすめです。そのままの摂取だけではなく、食物繊維を含む食材やフラクトオリゴ糖をはじめとする難消化性オリゴ糖と組み合わせると、より腸活におすすめです。今回の記事をぜひ腸活の参考にしてみてください。
(参考文献閲覧日:2024年12月23日)
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