茨城県古河市

戸井乳業の運動提案がつくる
地域の健康革命

地元の牛乳屋さんと聞いて、何を思い浮かべるだろうか？
牛乳やヨーグルトを自宅まで届けてくれる、地域に古くからある昔懐かしいお店というイメージかもしれない。
しかし、そんなイメージを覆す牛乳宅配店が現れている。
それが、今回ご紹介する㈱明治 特約店の戸井乳業である。

特約店紹介

代表取締役会長：

戸井 貞治

代表取締役社長：

戸井 英明

専務取締役：

戸井 大（ひろし）

本社住所：

〒306-0022
茨城県古河市横山町2-2-10

電話番号：

0280-57-1751

FAX番号：

0280-57-1753

営業所：

古河、三和、下館、水戸、牛久、小山、栃木、佐野、羽生、野田

昭和12年 初代 戸井 秋蔵氏が明治の特約店として創業した戸井牛乳店がルーツ。

昭和53年 牛乳宅配からスーパー・小売店卸、アイスクリーム販売、自販機事業による経営の多角化などを経て現在の戸井乳業として設立。
平成2年 宅配事業の可能性を見出し、明治古河宅配センターを設立。その後各地に宅配事業所を設け、現在は茨城、栃木、埼玉、千葉、群馬の5県をカバーする 10 のセンターを展開。

商品提供だけではなく、お客様の健康と楽しみや充実感を感じられる生活を提供「運動提案」

戸井乳業は、伝統的な牛乳宅配店の枠を超え、お客様の健康習慣づくりと地域貢献を目指す新たな取り組みを始めたという。新しい試みは、単に商品を提供するだけではなく、お客様が楽しみや充実感を感じられる生活を送れるよう健康づくりを提供するための取り組み。
それが、今回ご紹介する「運動提案」である。
牛乳屋さんが運動提案？と思うかもしれないが、そこにはお客様や地域の健康を願う戸井乳業の想いが込められていた。

運動提案は実際に実践してもらい
体感して良さを理解してもらう新たな取組

運動提案は、日常の身体活動と病気の関係に関する研究結果「中之条研究」を活用している。
科学的な知見を取り入れ、お客様に適切かつ効果的な運動量と質を提案し、運動の習慣をつくることを目的としている。

始めたきっかけは、株式会社明治から「これまで以上にお客様の健康習慣サポートをしていくための運動提案を実施しませんか？」と提案があったという。
「かねてから長年のお世話になったお客様や地域の皆様に恩返しやお役立ちなど地域貢献できることはないかと考えており、この話を聞いたときは、とても面白い試みだと強い関心を持ちました。商品はカルシウムとか乳酸菌とかまずは言葉というか頭で良さを理解してもらう。運動提案は実際に実践してもらい体感して良さを理解してもらう。お客様の健康のためには食生活・運動両方とも大事ですし、今までにない新たな取り組みで、まずはやってみようと思いました」と語る戸井社長。

さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大で外出を控えていることにより、筋力の衰えや人との繋がり希薄化でコミュニケーションをとる機会が減り、認知機能の低下など「健康二次被害」が問題になっていることから、運動提案はお客様や地域の皆様の「健康二次被害」の対策になれるとも思ったそうだ。

運動提案方法は、公民館や町内の自治会館、集会場、コミュニティセンターなどに参加者に集まってもらい健康イベントとして開催している。
当初のイベント開催は、地域の社会福祉協議会に相談したそうだ。社会福祉協議会としても地域の健康づくりの新たなプログラムを模索していたこともあり、介護予防事業の一環として、まずはテストとして実施させてもらったそうだ。
それが参加者に好評で、社会福祉協議会がもともと開催していた教室で行ったり、社会福祉協議会から地域のサロンに案内をしてもらったりして、開催することができたという。
そこから、次第に評判となり、地域サロン、自治会、老人クラブなどから開催してくれないかという声を掛けられたり、戸井乳業からも市内の体育施設や公民館にイベント案内のチラシを置かせてもらい、広がっていったという。

健康づくりにはウォーキング1日1万歩ではない！

イベントでは、中之条研究から導き出された病気予防が期待できる歩数や速歩時間についての解説や、効果的な速歩きのポイント、歩幅拡大に大切な筋肉をつけるためスクワットなど、実践を踏まえて教えてもらえる。
たとえば、認知症予防のためには、1日に5,000歩のウォーキング、そのうち速歩き（なんとか会話が可能な程度の速さ）が7.5分含まれていると、発症率が約10分の1になるという研究結果が示されているという。
これまで健康のために1日1万歩とよく言われていたので、病気予防には推奨される歩数が違うことやただ歩数を多くすればよいのではなく、速歩きを取り入れることが重要だということを初めて聞いた。

楽しみながら一体感をもって行うことで、
参加者から感謝の声続々

しかし、最初からスムーズにできたわけではく、試行錯誤を繰り返していたという。運動の知見をもった専門家にアドバイスをいただいたり、スクワットの方法のDVD教材を見たりしながら、2回、3回と続けていくうちに、スタッフでさまざまなアイデアを出し合いながら改良させてきたそうだ。

「一方通行での説明ではなく質問を投げかけたり、参加者・当社のスタッフ共に会場にいる皆で一緒に運動を行ったりなど、楽しみながら一体感をもってすることが最も大切」と語る、運動提案のイベントの責任者である宅配事業部の名越部長。

実際にイベントを見学させてもらうと、参加者と戸井乳業のスタッフが一緒に運動し、笑顔で楽しんでいる様子を目の当たりにした。
参加者からは、新たな気づきや学びを得て、「本当に来てよかった」「初めてのことで勉強になった」「いろいろなことを気づかせてくれた」と、感謝の声が聞かれた。
お客様に心から健康になって欲しいという熱のこもった指導が、お客様に伝わっていることがよく分かった。
「参加者の方から喜びの声をいただき、やりがいを感じるとともに、健康に貢献できるといると手応えも感じています」と、宅配事業部の名越部長。

だからこそ想いの部分だけではなく、運動指導の質を高めるために、全国の自治体や団体向けに運動指導を行うソーシャルフィットネス協会の認定コーチ資格を取得している。これにより、エビデンスに基づいた健康情報や効果的な歩き方・筋トレの指導が分かりやすく伝わっている。

イベントの最後には、参加者との思い出を残すために集合写真が撮影され、後日参加者に贈られる。その写真には、参加者の心からの笑顔が詰まっていて、楽しむだけでなく、健康に関する知識も得られ、地域の健康づくりにとって理想的なコミュニティが形成されていた。

「私が明治の宅配をやっていた時代はただ飲んでくださいと言っているだけだったが、運動提案をすることによって栄養＋運動でより健康の貢献ができるし、栄養の大切さにも気づけるし、とても良い取り組みだと思います」と、戸井会長。

運動習慣の意識づけとなる活動量計で、
お客様との関係も変わった

しかし、イベントの時だけ運動するのでは意味がない。その後も継続的な運動習慣を持ってもらうことが、健康づくりに繋がっていく。
そのために、活動量計（ヤマサアクティブ万歩プラスTH-500）というものを活用しているという。中之条研究の研究者である青栁幸利博士が監修をし、歩数だけでなく速歩時間も計測できるそうだ。
毎日の歩数や速歩時間を計測することで、日々の歩行を意識し、健康への意識を高めることができるという。

実際に活動量計を活用しているお客様にお話をお伺いしたところ、「これを使っているから、歩かなければという気持ちになる」「活動量計を見て、3,000歩ではまだ足りないと思い、もう少し歩くようにしています」「歩かないと物足りない。飲まないと（宅配商品を）物足りない。両方でカラダは作られています」といったように、運動習慣の意識づけとなっていることが分かる。
また、戸井乳業のスタッフとお客様が話しているのをみると、単に宅配を届けてくれるお店の人ではなく、私の健康づくりをお手伝いして、応援してくれる人として、スタッフへの信頼を強く感じた。

「今までとは違ったお客様との関係が構築されてきている。商品を美味しく飲んでいただくだけでなく、運動の提案を通じて健康への意識を高め、美味しいものを食べたり、旅行に行ったりなど、豊かな生活を送っていただけることに喜びを感じていただいているのではないか」と戸井社長も語っている。

健康寿命を延伸し、
「いつまでも元気で健康な人が住む街づくり」を目指して

「この運動提案を通じて、お客様がより健康になり喜んでくれればと思っている。私たちはただ単に宅配商品を届ける拠点ではなく、健康をお届けする情報発信の場である『ウェルネスセンター』としての役割を果たしていきたい」と戸井専務は語る。

この取り組みは、これまでの牛乳宅配店のイメージとは違ったものかもしれないが、戸井乳業にとってお客様の健康に貢献するということでは変わらないことなのだ。
運動提案イベントや活動量計の活用を通じて、運動習慣作りをサポートし、健康寿命を延ばすことで、「いつまでも元気で健康な人がいる街づくり」を目指している戸井乳業。

明治の宅配店で、この取り組みが広がっていけば、日本の超高齢化社会の人生100年時代の課題に対して、大きなインパクトのあることになるのではないかと感じた。
一人でも多くの人々の健康づくりに繋がり、より良い未来を創造することを願っている。