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【予防接種って効くの?】インフルエンザの予防接種の基礎知識

2015.11.24 12:00 | 松本明子

インフルエンザ予防の代表例と言えば、予防接種を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。インフルエンザはかかってしまうと一定期間休みを取らなければいけなくなりますし、何より苦しい思いをしますから、できることなら予防したいものです。しかし、予防接種を受けたのにインフルエンザにかかった、という声を聞くこともあります。はたしてインフルエンザの予防接種は有効なのでしょうか?

インフルエンザ予防接種は効果があるの?

インフルエンザの予防接種は、それぞれの国で流行するであろう型を1年前に予測し、工場で作られるワクチンです。しかし、インフルエンザウイルスはウイルスが変異(ウイルスがどんどん変わっていくこと)しやすいため、どんどん変化していくウイルスを1年前に予測することは難しいのが現実です。
違う型のワクチンを打っても予防効果が無く、症状を軽減する効果が無いことが報告されています。[※1]また、2012-2013年のように、正確に予測できても製造過程内でも変異してしまい、予定としていたものと違うワクチンが出来てしまうこともあり、結果として50%程度の効果だったこともあります。[※2]

慶応大学が2013-2014年の間に全国の慶応大学病院の関連施設に診療に来た患者のうち、インフルエンザが疑われる38℃以上の47,278人の小児(6ヶ月から15歳)を対象にワクチンの効果を分析したところ、ワクチンの発症予防効果は平均45%(A型は63%、H1N1に対しては77%、B型は26%)だったと報告しています。[※3]

一方で他の研究では、65歳以上の高齢者はインフルエンザワクチンの接種によって発症リスクを34~54%、死亡リスクを82%減らし、0~15歳では1回接種で68%、2回接種で85%、16~64歳では1回接種で55%、2回接種で82%の発症予防効果があったとする報告もあり、ワクチン接種は有効であるとの見解です。[※4]

「インフルエンザの予防接種は、インフルエンザ予防に効果があるのか」と聞かれれば、100%Yesではないかもしれません。冒頭に述べた通り、インフルエンザウイルスの変化を完璧に予想する事は難しいからです。しかし、上述のデータを踏まえると、一定の予防効果は期待できると思っても良いのではないでしょうか。実際、厚生労働省は「インフルエンザ発症を完全に抑える効果はない」との見解を出しており、ワクチンの最も大きな効果は、「重症化を予防する効果」としています。[※5]

インフルエンザの予防接種はいつ打つのがベスト?

インフルエンザの予防接種に一定の効果があるとして、それではいつ頃インフルエンザの予防接種を受けるのがよいのでしょうか?
インフルエンザの予防接種によって得られるワクチンの効果によって実際にインフルエンザウイルスから身体を守れる期間は2週間後から5ヶ月程度とされています。
毎年インフルエンザが流行る時期は11月から4月くらいまでですので、予防接種で効果的にインフルエンザの感染から身体を守ることためには、予防接種を11月中には受けた方が良いのではないでしょうか。

子どもは1シーズンに2回の接種が必要!

多くの大人は1回の予防接種で1シーズンのインフルエンザの感染から身体を守ることができますが、小児の場合は免疫能が弱いため、1回の予防接種を受けるだけでは1シーズンのインフルエンザワクチンの感染からなかなか身体を守ることができません。
そのためお子さまは予防接種を2回受けることをおすすめします。ブースター効果といって1回目の予防接種から約4週間後に2回目の予防接種を受けることによって、インフルエンザに対する予防効果が飛躍的に上がることがわかっていますので、4週間の間隔で2回の予防接種を受けた方が、より高い予防効果が期待できます。

完全ではないとはいえ、インフルエンザ予防接種の予防効果は期待できる

インフルエンザの予防接種を受けても、全員がインフルエンザの感染から完全に身体を守ることはできませんし、インフルエンザの予防接種は毎年流行るウイルスの型を予想して作られていますが、残念ながら予想が外れることがあります。
しかし、予想がばっちり当たり、製造過程でも滞りなくできた良質のワクチンであれば、インフルエンザの予防接種を受けることによって自分がインフルエンザを予防できるだけでなく、社会全体での流行を防ぐことにもつながります。
インフルエンザの予防接種は「感染する確率を少しでも下げるために行うもの」という認識を持った上で、11月くらいには接種するのがよいのではないでしょうか。

[※1]Roos R. CDC’s flu warning raises questions about vaccine match. CIDRAP Dec. 5, 2014.
[※2]PLOS One Mar. 25, 2014.
[※3]Effectiveness of Trivalent Inactivated Influenza Vaccine in Children Estimated by a Test-Negative Case-Control Design Study Based on Influenza Rapid Diagnostic Test Results  PLoS One. 2015; 10(8):e0136539
[※4] 平成9-11年度厚生科学研究「インフルエンザワクチンの効果に関する研究」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/01/dl/s0115-8c.pdf
平成12-14年度厚生科学研究「乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に関する研究」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002n2pk-att/2r9852000002n30z.pdf
[※5]http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

松本明子

1968年生まれ、鳥取大学医学部卒業。広島の病院で内科勤務した後、2009年~海外転出し、アメリカで予防医学を学ぶ。2013年~「DNA Diet and Lifestyle遺伝子に沿った食事と生活」という、オンライン健康プログラムにより自然治癒力を最大限に引き延ばす、老化と病気の予防と治療のための健康指導を行っている。

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