血糖値の改善方法|食後血糖値の上昇を抑える食事の仕方

血糖値の改善方法|食後血糖値の上昇を抑える食事の仕方

公開日:

「高血糖は健康に悪い」と耳にしたことがあっても、実際にどのように食事を工夫して対策すれば良いのか分からない人は少なくありません。血糖値の乱れが糖尿病だけでなく、動脈硬化や脳卒中といった生活習慣病につながることが明らかになっており、食事による予防の重要性が高まっています。

「甘いものがやめられない」「健康診断で血糖値を指摘された」など悩みを感じている人も多いのではないでしょうか。実は、食べ方や食品選びの工夫で、血糖値の乱れを防ぐことができます。

今回は、血糖値の改善が必要な理由を解説しながら、すぐに実践できる具体的な食事方法を紹介します。

この記事の執筆者
管理栄養士/ヴィーガン&グルテンフリー専門家
たちばな かやの

大豆食品・ヴィーガン・グルテンフリー情報に特化する栄養専門家として活動している。栄養を学び、給食委託会社に入社後、病院と保育園で調理・食材発注・事務対応などを経験。アレルギー除去食をつくるうちに大豆の可能性に魅了され、大豆関連の資格を多数取得。また、プラントベースにも興味をもち、ヴィーガンやグルテンフリーについて学ぶ。 現在はコラム執筆やレシピ開発、セミナー講演のほか、自身でグルテンフリーのケータリング弁当屋を主催するなど精力的に活動している。食物アレルギーやヴィーガン・ハラル等の食のマイノリティが抱える悩みを解消し、食の多様性がある日本・世界を目指す。

目次
  1. 血糖値の改善が必要なのはなぜ?
  2. 食後血糖値の上昇を抑えるための食事の仕方
  3. おやつにおすすめな食後血糖値を上げにくい食品
  4. まとめ

血糖値の改善が必要なのはなぜ?

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことを指します*1。私たちの体は、食事で摂取した炭水化物をブドウ糖に分解し、エネルギー源として利用しています。健康な状態では、食事で血糖値が上がっても、すい臓から分泌される「インスリン」と呼ばれるホルモンによって細胞に運ばれて体や脳を動かすエネルギー源となることで血糖値が下がり、一定の範囲に保たれます*2。

しかし、食後に急激な血糖値の上昇が繰り返されると、次第にインスリン分泌が足りなくなったり、働きが不十分になったりすることから、ブドウ糖が細胞へ運ばれにくくなっていきます。ブドウ糖は血管や神経を傷つけてしまう性質があるため、血糖値の高い状態が続く糖尿病になると、動脈硬化や脳卒中、失明、認知症などの疾患につながるリスクが高まります*2*3。

血糖値の乱れは疾患へのリスクにつながるので、食後血糖値を急激に上げない食事習慣が重要です。

*1 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「血糖値」
*2 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「糖尿病」
*3 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「食後高血糖」

食後血糖値の上昇を抑えるための食事の仕方

次に、食後血糖値の上昇を抑えるための食事の仕方を3つ紹介します。どれも実践しやすい方法ですので、参考にしてみてください。

ゆっくり食べる

早食いをしていませんか?食事のスピードは、食後の血糖値の変化に影響を与えます。ゆっくり食べることで消化のスピードも緩やかになり、血糖の上昇も緩やかになります*4。また、良く噛むと、満腹のサインが脳に伝わりやすく、食べ過ぎ防止にもつながります*5。

早食いをしてしまう人は、ひと口につき30回程を目安に噛むことを意識してみましょう。外食や忙しい食事でも実践できる食事法です。

低GI食品を意識する

食品の種類を選ぶ際にGI値を意識してみましょう。GI値(グリセミック・インデックス)とは、食品が血糖値をどの程度上昇させるかを示す、国際的な指標です*6。低GI食品は食後の血糖値を急激に上げることを防げるため、積極的に取り入れましょう。

主食を例に見ると、玄米や全粒粉パンは低GI食品、白米や白パンは血糖値が上昇しやすい高GI食品に該当します*7。毎日の食事の中で白米を玄米に、パンを全粒粉パンにするなど少しずつ取り入れることが食後の血糖値急上昇を改善していきます。

低GI食品とは?食品一覧とGI値を抑える食事のコツを紹介

「食後に眠くなる」「ダイエットしても痩せにくい」「糖尿病が心配…」そんな悩みは、血糖値の急上昇が原因かもしれません。低GI食品は、血糖値の上昇をゆるやかにして肥満や生活習慣病の予防に役立つとされています。この記事では、GI値を解説しつつ、高GI食品と低GI食品の違いについて紹介します。

甘味料を工夫する

砂糖の過剰摂取は食後血糖値の上昇につながります。しかし、甘いものをまったく食べないことは難しいですよね。甘いものを食べたい時には甘味料を工夫してみましょう。

難消化性オリゴ糖は、胃や小腸で消化・吸収されることなく大腸に届くため、食後血糖値が上がりにくい特徴があります。さらにフラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖は砂糖よりもカロリーが低く、カロリーの摂取を控えたい人にも向いています*8。最近はスーパーやドラッグストアでオリゴ糖が販売されているので、砂糖の代わりに使ってみましょう。

*4 大坂貴史.「血糖値は食べながら下げるのが正解」株式会社KADOKAWA,2024,p.78-79
*5 農林水産省 みんなの食育「チェック&トピックス 中高年男性編 ゆっくり食べる」
*6 市川陽子. 食事のGlycemic Indexと生活習慣病一次予防. 日本調理科学会誌.2011, Vol.44, No.4, p.259-262
*7 今井佐恵子ほか. 食べ方と食べる時間が血糖変動に影響を与える. 日本農芸化学会 化学と生物. 2018, Vol.56, No.7, p.483-489.
*8 独立行政法人 農畜産業振興機構「砂糖以外の甘味料について」

おやつにおすすめな食後血糖値を上げにくい食品

おやつの選び方も食後血糖値の上昇に影響します。砂糖や小麦粉を使ったスイーツは食後血糖値を上げやすいため食後血糖値の上昇を抑えるためには控えることが望ましいです。代わりに、前項であげたような食後血糖値が上がりにくい低GI食品や、難消化性オリゴ糖を使ったおやつをとるのがおすすめです。

たとえば、果物であればりんごやみかん、グレープフルーツが良いでしょう*9*10。ゆでたまごやヨーグルト、牛乳も低GI食品です*11*12。たまごや乳製品はたんぱく質が多く、満足感もあるのでおすすめです。

また、こうした食品を組み合わせても良いでしょう。たとえば、牛乳にきなこ(低GI食品)を混ぜたり、プレーンヨーグルトに市販のオリゴ糖をかけて食べたりなどがおすすめです。

小腹が空いた時でも、ちょっとした工夫で食後血糖値を抑えられます。

*9 林進ほか. 日本Gl研究会発表におけるGI一覧. 第11回日本Glycemic Index研究会記録集. 2012, p.15.
*10 亀山詞子ほか. 見直される糖尿病の食事療法 2.GIとカーボカウント. 糖尿病. 2013, 56巻12号, p.907
*11 一般社団法人Jミルク「牛乳乳製品の知識 改訂版」
*12 小川恒夫ほか. GI値(グリセミック・インデックス)が血漿インクレチンにおよぼす影響について. 南九州大学研報.2018, 49号, p.1-7.

まとめ

今回は血糖値の改善がなぜ必要なのかを解説しながら、食後血糖値の上昇を抑えることが期待できる食事方法をご紹介しました。血糖値は生活習慣病のリスクへとつながる指標です。食べ方を工夫したり、食後血糖値を上げにくい食品を上手に取り入れたりと、毎日の小さな意識の積み重ねが、将来の疾患予防や生活の質の向上につながります。今回の記事を参考に、できることから取り入れてみましょう。

(参考文献閲覧日:2025年9月10日)

合わせて読みたいおすすめ記事

オリゴ糖なら血糖値が上がらない理由|オリゴ糖の機能と摂取方法も紹介

血糖値が上がりにくい、オリゴ糖。この記事ではオリゴ糖を摂取してもなぜ血糖値が上がらないのか解説します。また、オリゴ糖の機能や手軽に摂取する方法も紹介しています。血糖値が気になる人、糖尿病の人、ダイエット中の人にもおすすめです。

オリゴ糖と食物繊維の違いとは?腸活に役立つ上手なとり方と注意点

オリゴ糖と食物繊維は、どちらも善玉菌の栄養となることで知られていますが、それぞれの違いをきちんと理解できているでしょうか?これらの特徴や違いを知ることで、効率よく腸内環境を整えることが期待できます。この記事ではオリゴ糖と食物繊維の違いや共通点、上手なとり方について解説します。