乳酸菌研究最前線

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乳酸菌による腸内環境と便秘の改善について ヨーグルトと便秘の関係 LB81乳酸菌の新しい可能性

LB81乳酸菌の新たな可能性

パスツール研究所との共同研究をきっかけとして、LB81乳酸菌について新たに2つの働きが確認されました。

1. 腸内皮細胞の腸管バリア機能を高める

LB81乳酸菌は、腸の防御機能であるバリア機能を高める重要な物質「抗菌ペプチド」の発現を高めることが確認されました。

健康な腸は防御機能として、腸上皮細胞の表面に外敵からの攻撃を防ぐ腸管バリアと呼ばれる層を持っています。しかし現代人の腸は、加齢からくるそもそもの機能低下、消化管に負担がかかるバランスの悪い食生活、過労や不規則な生活などからくるストレスにより大きな負担を強いられています。このような負担によって腸の機能が低下すると、バリア機能を支える様々な成分が減少するため、腸管バリアの働きが低下して、細胞・病原菌や有害物質などの攻撃を受けやすくなります。

LB81乳酸菌は、いくつかの成分で構成されているこの腸管バリアの中でも、特に重要と考えられる「抗菌ペプチド」という成分を増やすことで、腸管バリアの機能を高めることが研究からわかってきました。

LB81乳酸菌には、ストレスや老化でダメージを受けた腸上皮細胞に働きかけ、腸自体のバリア機能を維持する「抗菌ペプチド」の発現を促進して、健康な腸機能を維持することが期待されます。

【図解】腸の構造・【図解】腸管バリア機能とLB81乳酸菌の関係

研究概要

抗菌ペプチド(Regファミリー)とは、腸上皮細胞で産生され、腸管を有害な細菌・病原菌や有害物質などから守る機能をもち、さらには腸内フローラのバランスを整えると言われています。バリア機能を構成するいくつかの成分を調べたところ、この抗菌ペプチドの発現が、若齢マウスに比べると老齢マウスの方が発現低下していました。

そしてLB81乳酸菌を使用したヨーグルトを投与した加齢マウスと与えていない加齢マウス、さらに若齢マウスの抗菌ペプチド発現を比較したところ、特にReg3b(ベータ)とReg3g(ガンマ)の発現に好影響があることがわかりました。このうちReg3bの発現をおさえたマウスでは、大腸炎がひどくなり治りづらくなったという論文も発表されているため、このReg3bは大腸における炎症に非常に重要な抗菌ペプチドである可能性があります。

老化に伴う抗菌ペプチド遺伝子の発現の低下

LB21投与による加齢マウス小腸における抗菌ペプチド(Regファミリー)遺伝子発現の上昇

さらに、LB81乳酸菌を使用したヨーグルトを若齢マウスに投与したところ、加齢したマウスと同様にReg3bとReg3gの発現促進効果がみられ、加齢した腸だけでなく、若い腸のバリア機能も向上させることがわかりました。

若齢マウスにおける Reg3b および reg3g 発現促進効果

<参考資料:【図解】腸の老化とその原因>

現代人の腸は、大きな負担を強いられています。その主な要因としては長寿大国のたまものではありますが、「加齢」からくるそもそもの機能低下、消化管に負担がかかるバランスの悪い食生活、過労や不規則な生活など心身にかかるさまざまなストレスなどがあげられます。このような負担が大きいと、消化機能や腸のバリア機能の低下など、腸全体の機能の低下、すなわち腸の老化が進みます。

【図解】腸の老化とその原因

2. 腸内の免疫細胞に働きかける

LB81乳酸菌は、腸内の免疫細胞にも働きかけていることが確認されました。

人間の腸は年齢に応じて適した状態があります。その適した状態に合わせようとするのが腸の恒常性です。加齢や病原菌などの原因により、その恒常性が保たれなくなると、同時に免疫の恒常性も低下すると予想されています。

研究は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌から構成される腸内フローラのバランスを整えるLB81乳酸菌を摂取することで、腸内フローラの恒常性が適正に保たれ、その結果、免疫力もよい状態に戻るのではないか、という仮説のもとに行われました。

研究の結果、LB81乳酸菌の新たな働きとして、腸内フローラだけでなく、腸の内側にいる免疫細胞にも働きかけていることが示されました。LB 81乳酸菌の働きで免疫細胞の恒常性がうまく保たれることで、様々な健康への働きが期待されます。

【図解】免疫細胞に働きかけるLB81乳酸菌