LABO

カラダづくりに関する研究

VOL. 04

筋肉の材料として必要な成分「ロイシン」

ロイシンの必要性について、
ザバスを開発するスポーツ医学博士が説明します。

スポーツ医学博士 上田 氏

スポーツ医学博士

上田 

明治の研究所でプロテイン・アミノ酸研究に長年携わり、現在はザバス商品開発業務に従事。

1.カラダづくりに重要な栄養素
「たんぱく質」とは

たんぱく質は、英語で「プロテイン(protein)」ですがその語源は、ギリシャ語で 「第一のもの」 という意味の 「プロテイオス(proteios)」 です。このことから、古くから最も大切な栄養として考えられてきたことがわかります。
なぜ、それほど大切かというと、ヒトの体を構成する成分のうち、固形成分の中で最も多いのがたんぱく質で、体のたんぱく質を健全な状態で維持するためには、食事でたんぱく質を摂り、絶えず入れ替えて更新する必要があるからです。

出典 厚生労働省. 食生活改善指導担当者研修 「食生活改善指導担当者テキスト」.77-78.2008

たんぱく質は、どれも、「20種類のアミノ酸」からできています。
食事でたんぱく質を摂るのは、より正しくは、これら「20種類のアミノ酸」を摂るということです。たんぱく質は、アミノ酸が、「長い1本のひも」状につながって、折りたたまれた形をしています。食品として摂るたんぱく質には様々な種類があり、それぞれ、大きさや形、アミノ酸の数と種類が決まっています。

20種類のアミノ酸は、「必須アミノ酸(Essential Amino AcidEAA)」と「非必須アミノ酸(Non Essential Amino AcidNEAA)」の2つに分けられます。

  • 1必須アミノ酸(EAA)──9種類
    食事から摂取することが「必須(不可欠)」であることから、必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)と呼ばれるアミノ酸が9種類あります。必須アミノ酸は、9種類それぞれの必要な量を食事で摂る必要があります。
  • 2非必須アミノ酸(NEAA)──11種類
    非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)は、体内で合成することができるので、それぞれを食事で摂ることは「必須(不可欠)」ではありませんが、体にとっては11種類全てが必要です。

たんぱく質の「質」を考えるとき、大切なのは「必須アミノ酸をそれぞれどれだけ摂れるか」です。つまり、「良質なたんぱく質」とは、消化吸収率が高く、必須アミノ酸、特に必要量を摂りにくい、ロイシン・イソロイシン・バリン・リジンを多く含むたんぱく質のことをいいます。
一般的に、卵、肉や魚、乳製品などの動物由来のたんぱく質食品や大豆が、これらのアミノ酸を多く含んでいます。

2.特に重要な「BCAA

筋肉をつけたいときには、アミノ酸の中でも、「分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acid : BCAA)」 と呼ばれるロイシン・イソロイシン・バリンの3種のアミノ酸が特に重要です。
BCAAは、筋肉を作る時の材料として、多く必要になります。​

3.「BCAA」の中でも特に重要な「ロイシン」

アミノ酸を材料として筋肉のたんぱく質を合成するとき、筋肉のたんぱく質合成の刺激となるのは、 運動(※運動は主にレジスタンス運動)、そしてもう一つ、「ロイシン」 も合成の刺激となることがわかってきています。​

「ロイシン」は、筋細胞内の「mTOR」という筋たんぱく質の合成のスイッチを刺激しますが、同時に筋たんぱく質の分解も抑制するので、筋たんぱく質の量が増加しやすくなります。
このような働きから、「ロイシン」はカラダづくりにおいて重要なアミノ酸として近年注目されているのです。​

mTOR (mammalian target of rapamycin):哺乳類ラパマイシン標的たんぱく質というリン酸化酵素のこと。
mechanisitic target of rapamycin と呼ばれることもある。

出典 Villalvazo T. Nutr Res.72.1-17.2019.小笠原理紀.化学と生物.59.377-384.2021

カラダづくりにロイシン

  • ロイシンを多く摂取することが効率的なカラダづくりに繋がる
  • ロイシンを含む必須(不可欠)アミノ酸のバランスよい摂取で…
    • ・mTOR(筋たんぱく質合成のスイッチ)の活性化
    • ・筋肉の材料となる必須(不可欠)アミノ酸濃度を筋肉に供給