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第6回 高校球児は熱中症に要注意!正しい“水分補給”で夏を乗り切ろう!

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第6回 高校球児は熱中症に要注意!正しい“水分補給”で夏を乗り切ろう!

監修・株式会社 明治 管理栄養士 村野あずさ

連日暑い日が続き、熱中症の話題が毎日のように全国各地で報道されています。皆さんのように、長時間炎天下の中で練習することも多い球児にとっても、熱中症対策は夏場の重要事項の一つですね。そこで今回は、熱中症や脱水症状など、夏の暑さを乗り切る上で重要なテーマである「水分補給」について考えていきましょう。

高校球児は熱中症を発症しやすい?!

熱中症は気温が高い真夏だけに発症するものではなく、カラダが暑さに慣れていない時期に多く発症します。特に、湿度が高く気温以上に体感温度が高くなる6月は要注意。梅雨の合間の晴れ間や、雨が降った翌日は、地面に水分が多いため、気温が上がると湿度も急上昇して熱中症を発症しやすくなります。また、室内練習であっても油断は禁物。炎天下にさらされることがなくても、室内温度や湿度が高い環境では熱中症を発症する可能性は非常に高いのです。
さらに、野球選手は練習・試合時間が長い上に、全身をユニフォームで包み込み、防具の装着などによって、汗が体外へ逃げにくく、熱中症や脱水症状を招きやすくなってしまうのです。

水分補給の重要性

運動をすると汗をかきますが、汗をかく、ということはカラダの冷却機能としてもとても重要です。汗がしっかりかけないと、体温はどんどん上昇して、熱をカラダに閉じ込めてしまうからです。
そこでしっかり汗をかくためにも運動中は水分補給が重要。水分が上手に摂取できずに体内の水分量が減っていくと、血液の水分も減り粘性を増して血流が悪くなります。血液には酸素を運ぶ重要な役割がありますが、酸素運搬がスムーズにできなくなることで、気持ち悪くなったり、スタミナにも影響してバテや動きが鈍くなるなど、体調だけでなく競技パフォーマンスにも大きな影響を及ぼします。
カラダの約6割を占める水は、運動時はもちろんですが、私たちが健康的に生きていくためにとても重要な成分です。汗や尿、呼吸によって水分は失われ、食事や飲料水の摂取などから体内の水分がほぼ一定になるように保たれています。水がなければ、酸素を全身に運ぶことも、食べるものを消化することも、排泄することも、エネルギーにすることもできません。そして先に伝えたように体温調節という重要な役割も水の働きによるものなのです。
ヒトは1日に約2.5Lもの水を出し入れしていますが、毎日たくさんのエネルギーを消耗し、大量に汗をかいている高校球児の皆さんはそれ以上の水分補給が必要です。

運動時の水分補給のポイント
練習中だけじゃない!
1.練習前からしっかり水分補給を行う
30分〜1時間前までに250〜500ml(ペットボトル半分〜1本)の水分補給を!
イッキのみ厳禁!
2.喉が渇く前に、こまめに少しずつ!
15〜30分間隔でコップ1杯程度(200〜250ml)を目安に
試合中はイニング間にこまめに摂取しよう!
3.運動中は水やお茶よりスポーツドリンクがベスト
低糖度(糖分濃度2.5%)・ミネラル(電解質)を含むスポーツドリンクを!
ハイポトニック(低浸透圧)と記載されているものがおススメ
自己管理が大事!
4.運動前後の体重測定で自分の水分量の適量を把握する
運動後の体重減少が2%以内に収まるようにする
※体重60kgの場合…−1.2kg以内
適切な水分補給を心がけよう!
● 練習前からしっかり水分補給を行う
練習開始の30分〜1時間前に、ペットボトル半分〜1本(250〜500ミリリットル)の水分を摂っておくといいでしょう。これにより、脱水を遅らせることができます。
● 喉が渇く前に、こまめに、少しずつ
ポイントは、“喉が渇く前にこまめに飲む”、ということ。少なくとも15〜30分間隔で、コップ1杯程度(200〜250ミリリットル)は飲んでほしいですね。真夏にはこのぐらいの間隔で摂っていかないと、脱水症状になってしまう可能性があります。また試合のときは、イニング間にこまめに飲むことを心がけましょう。
● 運動中は水やお茶よりスポーツドリンクがベスト
練習や試合中の水分補給は水やお茶ではなく、発汗により失われたミネラル(電解質)、血糖値の維持に必要な炭水化物(糖質)を含むスポーツドリンクが最適です。ただし、ドリンクに糖分がたくさん含まれていると吸収速度が遅くなるので、できるだけ胃から腸への水分の移行が速く、速やかに吸収される糖濃度2.5%程度のものがベスト。一般的に市販されているスポーツドリンクは糖濃度が5〜6%に設計されているものが多いので、スクイズボトルなどに移し替えて水で半分程度に薄めるなど、通常より少し薄いな、と感じるくらいの濃さに調整しましょう。
● 運動前後の体重測定で水分適正量を知る
体重の1%の水分が減ると軽い喉のかわきを覚え、3%になると、かなりのかわきを感じ、脱水症状を招きます。そこからさらに脱水が進むと、筋肉ケイレンや意識混濁といった異常が現れてきます。運動中の水分量を把握する目安として、運動前後の体重測定を習慣づけ、水分損失率が2%以内(体重60kgであれば1.2kg)にとどめるように水分補給を徹底しましょう。
高校球児の熱中症対策
1.十分な睡眠時間の確保
睡眠不足は疲労がたまりやすく熱中症を引き起こしやすい
夜更かしをせず、1日7〜8時間睡眠を目指そう!
2.バランス良い食事
栄養状態が悪いと体力が奪われ、夏バテや熱中症になりやすい
「栄養フルコース型」の食事を3食しっかり食べること!特に朝食はしっかり食べよう!
※「栄養フルコース型」の食事:(1)主食(2)おかず(3)野菜(4)果物(5)乳製品の5つを揃える食事
3.適切な水分補給
運動中だけに限らず、日常生活においてもこまめな水分補給を心がける
※運動時の水分補給のポイント参照
4.冷水タオルでカラダを冷やす
練習中や練習後に首の後ろ、脇の下、脚の付け根などを冷やすと効果的
5.汗をかいたらこまめに着替える
できるだけ吸収性の良い素材、白っぽいものを着用するようにする
カラダに熱を閉じ込めないように熱を放出させて快適な状態で過ごすようにする

6.体調不良の場合は無理して練習に参加しない

チームで水分補給しやすい環境を作ろう!

水分補給を徹底する上でのルールや工夫は、各チーム事情(部員数やマネージャーの有無、練習方法や練習時間など)に応じてそれぞれだと思います。また、グラウンド整備や準備・片づけなど、練習以外にもやらなくてはいけないことがたくさんある1年生の場合、どうしても水分補給のタイミングが遅くなるなど、課題も多いことでしょう。
チームで勝ち上がっていくためには練習だけではなく、チーム全員が良いコンディションで練習に集中することが大事。全員が水分補給の重要性を理解し、皆で適切な水分補給ができるようなルールの見直しや、環境作りに力を注いでいくことも必要かもしれませんね。

むらの・あずさ
株式会社明治、管理栄養士。
プロ野球:内川聖一選手(ソフトバンクホークス)、サッカー:アビスパ福岡、陸上競技:澤野大地選手(棒高跳)、畑瀬聡選手(砲丸投)、塚原直貴選手(短距離)、北風沙織選手(短距離)、福島千里選手(短距離)、ビーチバレー:西村晃一選手、トライアスロン:山本良介選手、ボクシング:長谷川穂積選手などの栄養サポートを担当。自身も長距離選手として、大学駅伝、実業団での活躍経験を持つ。著書に『「走る」ための食べ方』(実務教育出版)がある。

引用元:輝け甲子園の星 高校野球勝利の栄養学

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