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二宮清純の「ザバス取材記」

東北楽天ゴールデンイーグルス/秋田 佳紀氏 (ストレングス&コンディショニングコーチ)

プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスは2013年、球団創設初のリーグ優勝、日本一に輝いた。仙台に球団が誕生して9年目。選手の活躍に加えて、監督・コーチ陣のマネジメント、フロントの的確な戦力補強、熱いファンの後押し……。これらが何ひとつ欠けていても、快挙は成し遂げられなかっただろう。

そして、もうひとつ、日本一達成には不可欠だった存在がある。選手の高いパフォーマンスを引きだすために奮闘していたコンディショニングチームだ。明治のザバスは2006年から選手の栄養サポートを行い、コンディショニングチームと、まさにバッテリーを組んでチームを支えてきた。日本一までの道のりを追った。

備えあれば憂いなし

2013年の楽天イーグルスが強かった理由――。そのひとつとして主力に大きな故障者が出なかったことがあげられる。特に勝負どころの夏場以降、楽天イーグルスはほぼメンバーを固定して戦うことができた。

「前年までは8月以降にケガ人が続出する状態だったのですが、2013年は1、2人程度。球団ができてから一番、故障者が少ないシーズンでした」
そう明かすのは秋田佳紀ストレングス&コンディショニングコーチだ。

レギュラーシーズンは144試合の長丁場。選手が常に万全な状態だったわけではない。「ローテーションを守ってきた先発ピッチャーにしても、肩、ひじの状態が思わしくなくて、次の登板に間に合うかどうか危機的な状況は何度もありました」と秋田コーチは語る。

試合において100%の力を出し切る上で重要なのがプレーボール前の準備だ。ウォーミングアップや練習でカラダのスイッチをオンにすると同時に、3時間のゲームを乗り切るエネルギーを補給しなくてはならない。「球場入りから試合終了までに先発ピッチャーが摂取しているエネルギーは平均すると1300キロカロリーになります。高いパフォーマンスと集中力を維持するためには、試合前・試合中のエネルギー戦略が欠かせません」とザバスの管理栄養士・斎藤圭子さんは説明する。

試合前練習が終わると、選手たちは各々、食事をとる。選手の食堂には毎試合、エネルギー源となる炭水化物(糖質)を多く含んだごはんものやパン、麺類が必ず並ぶ。緊張などのストレスで不足しがちなビタミンCを補うべく、オレンジやキウイといった果物も添えられている。さらには試合直前や試合中にエネルギーを補給するため、エナジーメーカーゼリーやピットインリキッドなども活用する。

試合後の栄養補給も欠かせない。栄養が不足したままでは疲労回復が遅れてしまうからだ。選手たちはカラダのケアやストレッチとともに、リカバリーメーカーゼリーやプロテインをとり、素早い補給を心がけた。

楽天イーグルスでは、これらのルーティンをレギュラーシーズンはもとより、クライマックスシリーズ、日本シリーズとすべての試合で繰り返した。「日本シリーズの時期になると、仙台は寒くなってくるので、試合前の食事には温かい鍋を出すという、調理担当の方々の心遣いも選手の力になったと思います」と斎藤さんは語る。コンディショニングチームでも、ホットマットをベンチに敷くなど万全の体勢を整えて決戦に臨んだ。備えあれば憂いなし。大舞台経験者が少なかったにもかかわらず、選手たちが実力を発揮できた背景には、こうした周到な準備があった。

ポストシーズンでもフル回転し、新人王を獲得した則本昴大投手はシーズン中に体重が増加した。通常、プロに慣れない1年目の選手は疲労から体重が減るケースが少なくない。則本投手は大学時代から栄養面に気をつけた食生活を続けており、入団後はさらにバランスのとれた食事を徹底するようになった。

その上でシーズン中も投げ込み、走り込みを欠かさず行い、体力強化に励んだ。秋田コーチは1年目から好成績を収める選手の共通項として、「シーズン中にカラダが大きくなっていく」ことをあげる。則本投手は栄養とトレーニングがうまくかみ合い、成功の法則に乗っかったというわけだ。

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