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二宮清純の「ザバス取材記」

スポーツ&ニュートリション・ラボ
杉浦克己
所長

ベッケンバウアーの発言

二宮今でこそスポーツ選手にとってサプリメントは当たり前の時代ですが、当時はまだまだ栄養に関する認識は低かったでしょう。敵に勝つために「ビフテキとカツを食べろ」という時代ですよね。そういう認識を変えるまでには、時間がかかったんじゃないですか?

杉浦そうですね。そこは非常に辛かった。おっしゃるとおり、試合前になると急にパワーをつけようとして、トンカツ、ビフテキなどを食べる選手が多かった。選手本人たちを理解させても、例えば高校野球だったら、試合前日にOBから肉の差し入れがあったり・・・。「敵に塩を送る」という言葉がありますが、僕は講演会でもよく「敵に、塩じゃなくて肉を送れ」という話をします(笑)。

パターンとしては、普段から肉とかいろんなものを食べて体をつくって、試合前に炭水化物中心の食事を摂るのがいい。それがなかなか浸透しなかった。

二宮「腹が減っては戦ができぬ!」という時代でしたよね。ご苦労も多かったのでは?

杉浦そうですね。90年のW杯イタリア大会で西ドイツが優勝したとき、ベッケンバウアー監督がテレビの特集番組でインタビューを受けていたんです。その時に「自分たちが選手の頃は試合前に肉を食っていた。でも今は炭水化物を中心に考えている」と発言していた。その番組を録画して「ベッケンバウアー監督もこう言っています」と学校に持っていって見せたこともありましたね。

二宮欧米に比べると、日本の栄養に対する意識は何年くらい遅れていたのでしょうか。

杉浦栄養に対する考えがきちんと浸透するようになったのは93年の「ドーハの悲劇」の後ですね。98年の大会では、うちの栄養士も帯同しました。10年くらいは遅れていたと考えていいと思います。

二宮指導者が理解していないと、選手1人1人に伝えることができない。選手よりも指導者を理解させる方が難しかったのではないですか?

杉浦そうですね。1984年頃から、指導者を対象としたトレーニングと栄養のセミナーを開いて、セットで指導して行くことにしたんです。トレーニング指導では第一人者の小山裕史氏や東海大の有賀誠司氏などに講師をお願いして、アウトラインをしっかり作った上で「体をしっかりつくるには栄養も大事だよ」と。そのセミナーには指導者の方も多く集まりましたね。東京、大阪、札幌など、全国でのセミナーを何年も続けました。

チームを対象にした指導では、まず食事調査のシステムをつくって、チーム全員、あるいは主力選手に食事内容を書いてもらったんです。それを栄養士が分析して「この食事内容では一般の人以下です」とか「もっとこういうものを食べないと、こういう問題が起こりますよ」といったことを伝えました。食事改善が大事ですけど、試合前などにはサプリメントで補うのも一つの方法。栄養をきちんと摂取してもらうのと同時にサプリメントを摂らせたら「授業でも寝なくなった」「前よりも食べるようになったけど、太らないし良い練習ができる」「冬場に風邪を引かなくなった」など、監督も実感してくれるようになりましたね。

二宮昔は貧しくても、3食はきちんと食べていた。今はインスタント食品で済ませたりもしますからね。

杉浦ベースとなるいろいろな食事を摂った上で、エネルギーを補給するためにそうしたものを食べるのはいいんです。例えばカップラーメンは炭水化物と脂肪だけですから、食事がそれだけ、となると良くない。この仕事を始めた頃に多かったのは、学校の部活で水を飲まないで練習して、終わったらコーラをがぶ飲みする。それで家に帰るとおなかもガバガバだし、血糖値も上がっているから食欲がない。ご飯もあまり食べずに、テレビを観たりして過ごして、夜中におなかがすいてくる。それでカップラーメンとか、インスタントラーメンをつくって食べてしまう・・・悪循環なわけです。

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