Femlink Lab.(フェムリンクラボ)

女性には周期があることを知れば、家庭内のトラブルも回避が可能に

 一方で、家庭内で男性は、月経痛やPMSでつらい思いをしている妻や娘に対し、どのようにふるまえばいいのでしょうか。

 「これをしたらいいというような正解を見つけるのは難しいのですが、女性には毎月、月経前に体や心が不安定になる時期があることを知り、まずは、その時期にイライラして何かきついことを言われたとしても、それはホルモンのせいだと理解してあげることならできそうです。反論したりせずに、話を聞いてあげるか、あえて聞き流すことで、無用なトラブルが避けられるでしょう。このとき、『月経前なんだね』とか『生理なんでしょ』など余計なことを言わないのがポイント。月経前や月経中にイライラして夫や子どもに当たってしまった後に、後悔して落ち込んでいる女性は少なくないので、私は、刺激しないでそっと見守るのがいいと思っています」(小林さん)

 職場や学校などで、男性が月経や女性のホルモン変化について学ぶ機会が増えれば、家庭にもいい影響が出てくるはず。本来家庭生活は夫婦の協働作業であり、家事や育児のシェアリングは家庭でも十分に実行可能です。ただ、月経関連の症状の出方や強さには個人差があり、同じ女性でも月によって軽いときと重いときがあります。「月経のある女性だから」といって、職場でも家庭でも、男性が気を使い過ぎる必要はないことも知っておきましょう。例えば、職場で月経がつらそうだから最初から仕事のアサイン(割り当て)を減らすといった気遣いは、かえって女性を傷つけたり、仕事への意欲をそいだりすることにもなりかねません。

 また「月経痛がひどい場合には、病気のサインである恐れもありますし、月経痛やPMSは治療によって軽減できます。家庭では妻やパートナー、お嬢さんが、つらい月経痛やPMSで悩んでいるようなら、一度産婦人科を受診するように促してみてください。また、職場で個人の月経周期のことをあえて話題にする必要はありませんが、家庭では、『もうすぐ生理だからイライラしてごめん』『月経痛がつらい』などと素直に言えるような関係性を築いておけば、具合の悪いときに男性も手助けがしやすく、お互いにトラブルも減るのではないでしょうか」と小林さんは話します。

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