カカオの文化

メキシコ(4)お気に入りチョコラテ屋さん

Hola! こんにちは。オアハカのHirokoです。今回はオアハカでお勧めのチョコラテ屋さんを紹介します。

まず1軒目はChocolate Mayordomo。オアハカのチョコラテと言えばMayordomo(マジョールドモ)ともいえるほど有名なお店です。市内には20以上の支店があり、メキシコシティや他の都市にも支店があるので、大きな企業の少ないオアハカでは実は一番知られた企業なのではないかと私は思っています。前回ご紹介したように、店頭にモリエンダ(磨砕機)のある支店も多く、そこではその場でカカオと砂糖を摺り混ぜてペースト状にしてくれます。パッケージ商品は100%カカオの無糖のもの、砂糖控えめのSemi-amargo(セミビター)、かなり甘めのClasico(クラシックブレンド)など甘さの違いの他、バニラ、ヘーゼルナッツ、クルミ、シナモンなどフレーバーによる違いでも商品分けされています。

イートインできるお店もあって、特に本店に併設のレストランではチョコラテ以外にももうひとつの筆頭商品であるモーレなど、オアハカの名物料理を堪能することができます。私のおすすめはお砂糖なしのチョコラテをホットミルクに溶かしたドリンクです。暖かい牛乳の甘さだけで十分チョコラテを味わうことができて美味しいですよ。あと、食べ物ではモーレ入りのタマル。タマルとはトウモロコシをラードで練った生地に具材を入れてバナナの葉やトウモロコシの皮に包んで蒸したメキシコ版のちまきのようなもので、メキシコ人ならだれでも大好きなのですが、ここのタマルはボリューム満点でモーレもたっぷり入っていて、半日は腹持ちすること請け合いです。

砂糖なしのチョコラテ
モーレのタマルとチョコラテ
チョコラテ用のピッチャーとモリニージョ

次にご紹介するのは、やはり有名なChocolate Soladad。こちらはチョコラテ横丁に1軒目にご紹介したMayordomoと軒を並べているライバル⁈店です。創業はMoyordomoより古く、モリエンダ(磨砕機)を使って店頭でペーストにするスタイルを生み出したお店でもあるそうです。こちらも主力商品はチョコラテとモーレですが、チョコラテはチレ(唐辛子)入りやスパイス入りなどかなり攻めたラインナップが特徴です。とはいってももともとメキシコ人はモーレなど唐辛子とチョコレートを組み合わせるのには抵抗がありませんので、その組み合わせも奇をてらったものではありません。こちらも本店はレストランを併設していて、モーレなど食べることができるのですが、さらに面白いのが、この本店の2階以上はなんとその名もHostal Chocolateというホテルになっているのです。シンプルなユースホステルタイプのお宿ですが、チョコラテ屋さんに泊まるのもなかなかできない経験になるかもしれませんね。

チョコラテ通りに堂々と目立つ店構え
シンプルタイプのラインナップ
ハーブや唐辛子のフレーバーチョコ
ホテルフロントも兼ねたレストラン
モリエンダがずらーっと並ぶ様子は圧巻です。

3軒目は、Oaxaca en una taza、意味は『オアハカをカップに一杯』。こちらは他の2軒のようなチョコラテ専門店ではなく、カフェテリアです。カフェなので、コーヒーもオアハカ産にこだわっていますが、チョコラテにもこだわっていて、色々なフレーバーのチョコレートドリンクが選べて楽しいお店です。ホットはもちろん、コールドやフラッペにもできるので、暑い時にも寒い時にも美味しく味わえます。またチョコラテはバーの状態でも販売しているので、持ち帰って自宅で作ることもできます。パンも美味しいのでチョコラテとパンをループで食べると、オアハカ散歩で消費したカロリーをしっかり補ってくれます(笑)。

意外な組み合わせのフレーバーも
持ち帰り用のチョコレートバー
パンと冷たいチョコラテ
お散歩の一休みに落ち着ける店内

さて、日本もチョコレートシーズン真っ盛りですね。次回はオアハカのパーティー料理の定番、モーレについてお伝えしたいと思います。



このコラムは私が書きました。

ガイド名:Hiroko Sato
出身地:東京

オアハカ在住14年目。世界遺産検定1級。大学時代からメキシコについて専攻し、卒業後旅行会社に勤務。移住後はオアハカを中心にメキシコ全般のガイド、テレビ番組や出張のコーディネーターなど多く経験あり。