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濃厚流動食摂取と運動の併用でCOPD患者の握力改善
〜第27回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会で発表〜


2018/02/26

地方独立行政法人市立秋田総合病院(理事長:小松 眞史)、国立大学法人秋田大学 大学院医学系研究科の塩谷 隆信教授および株式会社 明治(代表取締役社長:川村 和夫)の共同研究グループは、COPD(※1)患者において、「ホエイペプチド(※2)・BCAA(※3)配合濃厚流動食」の継続摂取と歩行を中心とした身体活動向上プログラム(※4)を併用することにより、全身筋力の指標である「握力」が濃厚流動食を摂取しなかった群に対して改善したことを確認し、全身筋力の改善への寄与が示唆される結果を得ました。WHOの報告書によると、COPDは2030年には世界の死亡原因の第3位になるとされており、注目されている疾患です。

この研究成果を、2017年11月17〜18日に開催されました、「第27回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会」にて発表しました。

【内容】

■演題名:
 安定期慢性閉塞性肺疾患患者における濃厚流動食摂取と身体活動向上プログラムの併用効果

■概要:
 本研究は、45歳以上85歳未満の男性COPD患者16名を対象としました。対象者を身体活動向上プログラムのみ実施する群(対照群)と、身体活動向上プログラムに加えて濃厚流動食を継続摂取する群(摂取群)に分けて、開始前後の筋力、体組成などを測定しました。 摂取群には「ホエイペプチド・BCAA配合濃厚流動食(1本当たり200kcal、たんぱく質10g、BCAA2500mg、125mL容量)」を1日2本、12週間摂取していただきました。その結果、図の通り、対照群と比較して握力の変化量が有意に高値でありました。

COPD患者は、安静時のエネルギー消費量が健常者の約130%に増大し、摂取エネルギー不足になりやすく、エネルギーが不足するとエネルギー源として筋たんぱくも利用されることから、筋量や筋力が減少しやすいと報告されています。また、「握力」は全身の筋力を反映する指標であり、今回の結果から、濃厚流動食の継続摂取と身体活動向上プログラムの併用が、全身筋力の改善に寄与する可能性が示されました。


握力の変化量の群間比較
(※1):COPD(慢性閉塞性肺疾患)
タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患で、主な症状は、慢性の咳や痰、労作時の息切れなど。
(※2):ホエイペプチド
乳たんぱく質(ホエイたんぱく質)から作られたペプチド(アミノ酸の結合物)。消化吸収性が高いことが報告されている。
(※3):BCAA(分岐鎖アミノ酸(branched-chain amino acids)の略)
必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンの総称。BCAAを摂取することにより、筋たんぱくの合成が促進されるとされている。
(※4):身体活動向上プログラム
個人別の目標値を設定した後、歩行中心の運動を実施し、段階的に身体活動量を増加させるプログラム。