ヨーグルトの研究者たち

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光岡知足:本サイト開設に寄せて

光岡知足私が腸内細菌の研究を始めたのは1953年のことです。その後1964年からドイツに留学しましたが、その頃の日本と違い、ドイツではヨーグルトが店頭にたくさん並んでいて私も昼食に常用していました。するとお腹の調子が非常によく、ヨーグルトと健康には密接な関わりがあるのではと考えていました。
そして1967年の帰国後、ヨーグルトの菌を本格的に調べ始めました。
またそのころはあまり進んでいなかった腸内細菌の研究もさらに進めたところ、腸内細菌と健康は切っても切れない関係であることがわかってきたのです。

1991年には特定保健用食品の制度ができ、その約70%をヨーグルトが占めるということになり、改めて健康に寄与する食品だということが証明されてきました。

このころには腸内細菌の研究もかなり進み、整腸作用だけではなく体の調子を整える作用、免疫機能を高める作用もあることがわかってきました。

今後は例えば免疫機能のいたずらで起こる「花粉症」対策にもヨーグルトを使ってみようと考えられています。また、ヨーロッパではアトピー性皮膚炎などにも有効だと言われていますが、これは腸内環境がよくなることの二次作用のようです。
いずれにしろ腸内環境がよくなりphが下がった状態は健康によい状態なので、生活習慣病の予防にもつながるなどということがだんだんわかってきました。

ヨーグルトがこれからどんなふうに進化するか私なりに考えてみますと、免疫力を高めるという点から、例えば病気になって手術を受ける場合なども二次感染を防ぐことができる。
そのような観点から医療にも用いられることが期待されます。また年齢と共に免疫力は低下してきますから、高齢者が積極的に摂るようになるといいですね。成年に達した頃から常食するようにするとよいでしょう。

ヨーグルトのさらなる普及と啓蒙を目的とした本サイトができました。このサイトで消費者の知識が深まり、今後、ますますヨーグルトが発展していくことを願っています。

光岡知足