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機能性ディスペプシア(FD)ってなに?

機能性ディスペプシアとは?

機能性ディスペプシア(FD:Functional Dyspepsia)は、胃もたれやみぞおちの痛みなど、胃の不快な症状が続いているにもかかわらず、内視鏡で見ても特に異常が見られない病気です。このように、胃の粘膜など目に見える異常がない(器質的な変化がない)のに、胃の働き=機能に問題があるのがこの病気の特徴です。

ディスペプシアとは、もともとbad(dys)digestion(peptein)=消化不良を意味するギリシャ語です。様々な消化器の症状に対して広く使われてきたあいまいな用語でした。しかし1991年に国際的な診断基準(RomeT基準)ができ、改定されていき、2016年に発表された最新の基準(RomeW基準)が現状の最新の基準です。その基準では、FDは症状の原因となりそうな器質的な疾患がないにも関わらず、

①食後の胃のもたれ

②早期満腹感

③みぞおちの痛み

④みぞおちの焼ける感じ

の①〜④のうち少なくとも1つ以上の症状があり、その症状が重いため生活に悪影響を及ぼしている。加えて、その症状が6カ月以上前からあり、3カ月以上症状が持続している、としています。

日本で機能性ディスペプシアが正式な診断名として認められたのは、2013年のこと。比較的新しい疾患の概念といえます。従来神経性胃炎やストレス性胃炎、胃下垂などと言われていたものです。「機能性消化管疾患診療ガイドライン2014−機能性ディスペプシア(FD)」(編集:日本消化器病学会)によると、日本では、健康診断受診者の11〜17%、胃の症状があり医療機関を受診した人の45〜53%にFDの人がいると考えられています。

機能性ディスペプシアの種類

FDは、症状により大きく2つのタイプに分けられます。

・1:「食後愁訴症候群(PDS:postprandial distress syndrome)」
「食後の胃のもたれ感」・「早期満腹感」

・2:「心窩部痛症候群(EPS:epigastric pain syndrome)」
「みぞおちの痛み」・「みぞおちの焼ける感じ」

それぞれの症状は、胃の「運動不全」、「知覚過敏」により発症すると考えられています。胃の「運動不全」により、胃が十分に広がらず食べ物が食べられない、十二指腸へ食べ物を送ることができずに、食後のもたれを感じることもあります。胃が様々な刺激に対して過敏になる「知覚過敏」の状態になっていると、少量の食べ物が胃に入っただけで胃の内圧が上がり、早期飽満感を起こすこともあります。また胃酸や食べ物の刺激によって、痛みや灼熱感が起こります。

2つのタイプとも、その根本の原因のひとつはストレスです。ストレスにより自律神経のバランスが崩れることで、症状を引き起こすのです。なかにはPDSとEPSの両タイプの症状がでる人もいます。

今までは、「ストレスからくる胃の不調」などと軽く見られていたのですが、病気と認定されたことで治療が進むことが期待されます。

FDがもたらす弊害 〜放っておくと精神疾患にも!〜

この病気の大きな問題は、社会的な影響が大きいことです。

つらい症状が続くため、勉強や仕事などに集中できないことも多く、患者さんの生活の質(QOL)が下がるうえ、労働生産性が大きく低下してしまいます。さらに、早期満腹感などで十分な食事が摂れないことは、特に子どもや高齢者にとって大きな問題となります。育ち盛りの子どもでは成長に影響し、体力が低下しやすい高齢者は低栄養になり活動性が落ちて引きこもるといったことが起こるからです。人によっては治療が長引いたり、再発することがあります。おおよそ5割の人は治療をはじめて5年以内に良くなりますが、4割程度の人は良くなったり悪くなったりを繰り返します。

治療が長引くことにより治らないことがストレスとなり、そのストレスがさらに胃の不調を引き起こすという、負の連鎖が続くこともあります。

さらにQOLの低下により何もしたくないなど精神的に辛くなり、鬱症状を発症する人もいます。胃の不調は身体だけではなく、心の健康にも影響します。

Check! あなたも機能性ディスペプシアかも?!

1個でも当てはまったら要注意!!

【症状】

【生活】

監修:春間賢先生(川崎医科大学総合医療センター 特任教授)