比べてみよう!世界の食と文化

ガーナ共和国のあいさつ

チュイ語(公用語は英語ですが、部族や地域により多くの現地の言葉があります。首都アクラでよく使われているのはアカン族の言葉、チュイ語です。)

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ガーナ共和国の食文化・食のあれこれ

ガーナはカカオの産地だよ

ガーナはチョコレートの原料になるカカオの産地です。カカオ“豆”といいますが、実はカカオはフルーツなんです。ラグビーボールよりひと回りほど小さい実の中に30〜50つぶのカカオ豆が入っています。ガーナは、世界第2位のカカオ生産国です。日本もガーナからたくさんのカカオを輸入ゆにゅうしていますよ。
ガーナ国内ではカカオをいろいろな加工品にしています。パンやビスケットにしたり、ドリンクにしたり、お酒にしたり。石けんやスキンクリームにもなるんです。さすが、世界で2位の生産量をほこるガーナのカカオ、日々の生活にカカオがとけこんでいるんですね。

カカオ

主食

フフ/プランテーン/発酵すると酢っぱくなるのよ!
フフとスープ/バンクーとスープ/ケンケとスープ

主食がたくさん?!

ガーナでは主食といえるものがいくつもあります。見た目はどれもよくていますが、材料や味にちがいがあるんです。
まず、日本のおもちにたやわらかいフフ。材料はヤムイモ、キャッサバイモやプランテーン(バナナの仲間、調理用の果物くだもの)。細かくくだいてしたものを日本のもちつきのように、きねとうすを使って作ります。
フフより少し酸味さんみがあるのがバンクーやケンケ。材料は、発酵はっこうさせたキャッサバイモやとうもろこしの粉で、それを練って作ります。バンクーは材料を発酵はっこうさせるので少し酸味さんみがあります。そしてとうもろこしの粉で作るケンケは、それよりもっとっぱく感じます。長時間手間をかけて発酵はっこう熟成じゅくせいさせてからふっとうしたお湯でゆでて作るからです。

もちもちしてやわらかいフフやバンクー、ケンケは、いろいろな種類のスープにひたして食べたり、魚料理や肉料理といっしょに食べたりするのがいっぱん的。スープには肉や魚の入ったスープ、トマトや玉ねぎの入ったからいスープなど、いろいろな種類があります。スープなどにつけてパクリ。これがガーナ流です。

家庭料理

朝食は飲み物だけ?!

とうもろこしの粉を水でとき、火にかけてドロドロにした飲み物がココ。腹持はらもちがいいので朝ごはんとしてもよく飲まれています。少し酸味さんみがあるので、砂糖さとうとしょうがじるを入れると甘酸あまずっぱい味になって飲みやすくなります。おなかがすいていれば、ココといっしょにパンも食べます。最近ではシリアルを食べる人もえてきました。

ガーナのたきこみご飯! 

ガーナで家庭の味といえば、ジョロフライス。お米を玉ねぎやスパイスなどといっしょにいため、スープでたきこんだピラフのような料理です。トマトベースの味付けで、スパイスのピリからがポイント。日本人の口にも合いそうな味ですね。

ココ
ジョロフライスと付け合わせのとり肉と野菜
ココナッツ

ココナッツを使ったおかしがたくさん!

ガーナのスイーツはクベケーキが代表的。クベとはココナッツの意味です。作り方はココナッツの果肉をけずってキャラメルじょうにとかした砂糖さとうの中に入れ、ココナッツミルクを加えてにつめるだけ。出来たての温かいうちに食べやすい大きさにします。また、コンデンスミルクやカカオを使ってグラナットというキャンディのようなおかしや、かんそうしたココナッツを使ってポロオとばれるココナッツビスケットも作ったりします。

行事食

ヤムケーキ/ヤムケーキはみんな大好きだよ!

いつもより具をごうかにしてごちそうに!

3月6日の独立どくりつ記念日や大きなお祭りがある時、クリスマスや誕生たんじょう日などの重要な日は「ヤムケーキ」を作ります。ケーキといってもあまいおかしではなく、魚のすり身を使ったり、じゃがいもやヤムイモやたまごを使って作るコロッケのようなもの。アフリカでポピュラーなヤムイモは600以上もの種類があり、日本ではヤマイモがその仲間なんです。作り方はコロッケにていますが、パン粉はつけません。ゆでたヤムイモをつぶして、パーム、ミルク、たまごの黄身、とうもろこしなどの具を入れてぜ合わせます。コロッケほどの大きさに形を作ってたまごの白身をぬり、パームで焼きます。ガーナではこのケーキをふだんでもスナックとして食べますが、お祭りの時はエビやカニなどを加えていつもよりごうかに作ります。

ガーナ共和国の学校生活

授業の様子

日本語も勉強するよ!

ガーナの教育制度せいどは、日本と同じ6・3・3・4年せいです。ようち園2年と小学校6年間と中学校の3年間が義務ぎむ教育。2017年から中学校の学費は無料になりました。3学期せいで、各学期の終わりに休みがあり、3学期の後に長い休みがあります。
首都アクラのこう外にあるようち園、小学校、中学校が一つになった男女共学の私立しりつ学校は、キリスト教けいの学校です。しかし、イスラム教など他の宗教しゅうきょうを信こうする子どもたちもいるので、それぞれの宗教しゅうきょうや信こうを尊重そんちょうする教育を行っています。数学、英語、総合そうごう科学(物理、化学、生物などをあわせた科目)、インターネット、図工などの授業じゅぎょうがあります。現地げんちの言葉のチュイ語はもちろん、一部の学校ではフランス語、日本語の授業じゅぎょうも受けられます。

小学校には給食がある!

ガーナの公立小学校の一部では、FAO(国連食りょう農業機関)のサポートにより無料で給食が支給しきゅうされています。FAOは世界の人々の栄養状態や生活を改善かいぜんするための世界機関。子どもたちの栄養を考えた活動です。また、FAO以外の自治体も給食提供ていきょうに協力をしています。給食には、スープやパン、ごはんなどが支給しきゅうされることが多いようです。給食があれば子どもたちが学校に来るから、というのも給食がある理由の一つなんですね。

ガーナの給食
給食の風景

ガーナ共和国のスポーツ

みんなサッカーが大好き!

サッカーのきょうごう国だね

ガーナは、アフリカの中でサッカーの強い国として知られていますね。南アフリカ共和国で開さいされた2010FIFAワールドカップでは、ベスト8にかがやきました。男の子はサッカー、女の子はバレーボールが大好きです。

ガーナ共和国の歴史

1481年にポルトガル人が上陸し、金と象げの貿易ぼうえきを始めました。
ポルトガル人は金が豊富ほうふれることから、この地を「ゴールドコースト」とんでいました。

その後、他のヨーロッパ人も上陸しましたが、
19世紀の終わりごろにはオランダ人とイギリス人だけとなりました。
1874年にオランダ人がてっ退たいすると、この地はイギリスの植民地となったのです。

1957年3月、サハラ砂漠以南いなんのアフリカの植民地に先がけてイギリスから独立どくりつし、
1960年にガーナ共和国になりました。
独立どくりつ運動を指揮し、広く支持しじされた政治家せいじか、クワメ・エンクルマは、ガーナの初代大統領だいとうりょうとなりました。

近年のガーナは、民主的な共和国です。
主要な産業は農業、鉱業こうぎょうなどで、主にカカオ、金、石油などを輸出ゆしゅつしています。

ガーナ共和国の民族衣装

ケンテの民族衣装を着た王様

色と模様もようがきれいなケンテ

ケンテはアカン族とエウェ族の民族衣装いしょうで、かつて存在そんざいしたアシャンティ王国の王族のために作られたのが始まりです。今では身分に関係なく多くの人が着ていますが、その特ちょうはあざやかな色彩しきさい芸術げいじゅつ的な模様もようです。例えば青は「調和と愛」、緑は「しゅうかく」、金は「とみ」というように、色にはそれぞれ意味があります。ケンテはその後、多くの西アフリカの国々にも広まっていきました。

ガーナ共和国の行事・お祭り

3月6日は独立どくりつ記念日

ガーナの人々にとって独立どくりつ記念日はとても大切な日。この日は首都アクラをはじめ、各地で盛大せいだいなパレードが行われます。レセプションやパーティーなどが開かれ、夜通し音楽やダンスも楽しみます。子どものためのパーティーもあるので、子どもたちにとっても楽しみな一日になります。

独立記念日のパレード
独立記念の門

ユニークなお祭り

ガーナでは各地域ちいきでユニークなお祭りが行われています。その内容ないようは、しかりの競争をするお祭り、魚をとる競争をするお祭り、ヤムイモのお祭り、火のお祭りなど。とうもろこしのお祭りというのもあって、大きなお皿にスープや魚を入れ、とうもろこしといっしょにそれをみんなで食べるのだとか。一つの食べ物をみんなでシェアすることで祖先そせんうやまい、平和をいのり団結するという意味がこめられているといいます。

しか狩りの競争をするお祭り

ガーナ共和国のその他あれこれ

ガーナとえんの深い野口英世ひでよ博士はかせ

千円札に印刷されている人物がだれかわかるかな?そう、世界的に有名な細菌さいきん学者、福島県出身の野口英世ひでよ博士はかせですね。野口博士はかせは子どもの時に大きなやけどをしたのをきっかけに、医学の道へ進みました。主に細菌さいきん学の研究にたずさわり、たくさんの論文ろんぶんを発表して、ノーベル生理学・医学しょう候補こうほに三度も名前が挙がったんですよ。しかし、黄熱病の研究中に病気にかかり、1928年に現在げんざいのガーナの首都アクラで51才でくなっています。そのため、博士はかせが研究していたコレブ病院に記念館と日本庭園が残されています。また、日本の政府せいふによってガーナ大学に野口記念医学研究所が設立せつりつされ、今でも西アフリカしょ国のために感染症かんせんしょうの研究が進められているのです。

野口英世博士の像

監修かんしゅう:ガーナ共和国大使館

ガーナ共和国の料理を作ってみよう!

ジョロフライス ジョロフライス

ガーナ以外の西アフリカ各地でも食べられている料理で、アフリカ流のパエリアともいわれます。スパイスたっぷりで風味豊か!