食を知る

7月 理想的なバランス!「乳」のチカラ

牛乳は、成長期はもちろん、生涯を通じて健康をサポートするパワーを秘めています。「乳」の栄養やはたらきについて、改めて考えてみましょう。

おさらいしよう。「乳」のもつ栄養パワー

牛乳は、良質なたんぱく質や糖質、脂質、ビタミン、カルシウムなど、私たちが健康に暮らしていく上で必要な栄養素をバランスよく含んでいます。
まず、良質なたんぱく質。たんぱく質は、肉や血をはじめ、骨、皮膚、髪の毛など、あらゆる細胞をつくる大切な栄養素。牛乳のたんぱく質が良質といわれるのは、人体では合成できない必須アミノ酸を含む19種類のバランスのよいアミノ酸で構成されているからです。そして炭水化物。牛乳の炭水化物は乳糖です。乳糖はカルシウムや鉄分の吸収を助け、腸内で善玉菌のエサになります。そしてエネルギーの源となる脂肪は、ビタミンを吸収しやすくする働きもあります。ビタミンは発育を促進したり、肌の健康を維持するAのほか、栄養分の代謝を高め、成長促進にも大切な役割を果たすビタミンB2も多く含まれています。
そして、なんといっても骨や歯の形成に欠かせないカルシウム。筋肉や心筋を収縮させたり、体液のpH(水素イオン濃度)を一定に保ったり、神経系の刺激伝達物質として脳や神経が円滑に働くようにする役目もあります。
これらの栄養素はどれも吸収しやすいかたちで含まれているのが「乳」の特長です。つまり、「乳」は、ビタミンC、鉄以外のほとんどの栄養素を総合的に、手軽に摂ることができる栄養の優等生なのです。

知っているようで知らない乳製品のこと

さまざまな栄養素をバランスよく効率よく摂るために毎日の食生活にもっと取り入れたい、牛乳をはじめとする乳製品は、「乳」から作った製品だから乳製品と呼ばれます。でもそれぞれがどんなふうに作られているか知っていますか?
まず、牛からしぼったミルクは生乳と呼び、牛乳は、その生乳を加熱殺菌しただけのもので、水などその他のものは一切加えられていません。生乳から脂肪分だけを分離・抽出したものがクリームです。このクリームを撹拌して固めたものに塩を加えたものがバター(“食塩不使用”のものもあります)。ヨーグルトは、生乳に乳酸菌を加えて発酵させたもの。チーズは生乳から水分を分離して、乳酸菌や酵素のはたらきによって発酵させて固めたものです。チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類に分けられますが、生乳から直接作るチーズがナチュラルチーズ。世界各国、地方ごとに、牛・山羊・羊・水牛などの原料乳の種類、成分、発酵・製造方法などによって、その数百種類にも及びます。プロセスチーズはナチュラルチーズを加熱・溶解して固めたもの。加熱することでナチュラルチーズに含まれていた乳酸菌やカビなどは死滅し、発酵も止まるので、味も安定し保存性にもすぐれています。
クリームをホイップしすぎるとバターになる? ヨーグルトから水分をとるとフレッシュチーズに? などなど…。明治食育セミナーでは、こうした「乳」の変化を実際に体験できる小学生向けのプログラムもご用意しています。

ヒトの骨量はなんと10代で決まる!?

さて、子どもたちの健やかな成長のために欠かせない「乳」ですが、給食のメニューに必ず牛乳があったり、「牛乳を飲みなさい!」と口をすっぱくして言われるのには、もうひとつ理由があります。それは、中高生くらいの成長期は、骨量が決定する大切な時期だから。この時期にどれくらいカルシウムを摂って、しっかり運動したかどうかがその人の一生の骨の強さを決定するのです。ところが、最近ではこの時期のカルシウム摂取量が他の年代より下がる傾向に。それは、無理なダイエットをしたり、不規則な生活などで栄養バランスがくずれる人が増えていること、また、給食がなくなり、毎日牛乳を飲む習慣がなくなることも原因だと言われています。将来骨粗鬆症になる可能性のある子どもが増えているのが現実です。骨太な一生のために、思春期にもっと「乳」を!
ヒトの骨量は20歳前後で最大に達したあとは、減少の一途をたどります。40歳を過ぎると、摂取する量より、体外へ排出される量が上回り、体内のカルシウムの量は年齢とともにどんどん減少して行くようになります。60歳を過ぎるとさらに尿中へ排泄される量が増え、腸管からのカルシウムの吸収能力が低下するため、吸収と排泄のバランスはさらに悪化。特に閉経期以降の女性は骨粗鬆症をおこしやすくなります。食事の量も少なくなる高齢者にとって、牛乳・乳製品のようなカルシウムの吸収率の高い食品はとても重要になってくるのです。

どうやって毎日摂るか、そこがポイント!

子どもにも大人にも欠かせない乳製品。効率のいい食べ方ってあるのでしょうか。まずはお腹を目覚めさせるため、午前中からしっかりと頭をはたらかせるために、朝食に乳製品を一品加えていただくと、より理想的な食事になります。どうしても時間のない時には、朝一杯の牛乳とバナナをおすすめします。そのまますぐ食べられてフルーツやシリアルとの相性もいいヨーグルトも忙しい朝にぴったりです。
また、ホッと一息、飲むコーヒーや紅茶に牛乳をプラスしたり、食後のデザートにヨーグルトを選んだり、おやつやおつまみにチーズを食べたり…。気軽な気持ちで毎日楽しく乳製品を取り入れてみてください。
「デイリーズレシピ」には、「乳・酪農」の意味を持つ「dairy」と「毎日の」という意味を持つ「daily」の両方の意味合いがあり、皆様の毎日の食生活に「乳」を取り入れていただくための情報発信をしています。毎日のお料理をひと工夫してスープにちょっとクリームを、みそとヨーグルトを合わせてぬか床に、などいつものお料理をさらにおいしくするための工夫には「乳なワザ」、乳製品を使った一品づくりには「乳製品を使ったレシピ」をチェックして、「乳」の持つ栄養パワーを毎日の食卓ぜひ取り入れてみてください。

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